55.あの人の正体。
ついに、あの人の正体が分かります!
「一体、何があったか聞かせてもらえますか?」
ジル様は優しくアリスに問いかける。アリスはその日の出来事を思い出しながらも、話し始める。外はすっかり夜になっている。アリスが倒れていたのは昼休みだったのにね。
「・・・えーっと、まず、庭園で散歩していると、スティル君に出会ったわ!そして、パレンジのジュースをくれたの!それからはルディー先生にお饅頭をくれてね!それから、エリーさんからホットケーキを頂いたの。そんでね!料理部の人からココアを頂いたり、クレープを作って食べたんだ!!」
・・・この子、色々食いしん坊なところあるわね!?アリスが言うエリーとは、エリー・コルベールの事だろう。彼女は所謂サポートキャラで、攻略対象の好感度を教えてくれる友人キャラである。サブキャラクターであるため、中々美しい。声も綺麗である。
そして、一同は、スティル・セイレーンの名に引っかかっているのだろう。あいつはまごう事なき闇魔法の使い手である。一同は、引き攣った顔をする。あいつがなんの意図なしに贈り物をするはずがない。やっぱり、アリアに魔法を使ってもらったのは正解だったかも。
でも、私が引っかかっているのは、ルディー先生の方である。ルディー・バラーク。続編の攻略対象で、アルカディア王立魔法学園の薬術を教えている教師である。大人の色気が溢れており、ミステリアスな印象を与えるキャラクター。普段は笑顔がデフォルメで、彼が怒るところを見た事がないらしい。元貴族である。その為、この世界で生きる為に、過去色んな事をしてきた経緯がある。
私が散々”あの人”と呼んできた人物である。このキャラクターはSECRET LOVERS2~私を取り巻く王子様達~の隠れキャラにして、実は一番危険な人物である。レオン様よりも悪役キャラなのである。正直、若干病んでいるとも言う。この人も、見るもの全てが憎らしいという価値観を持っている。これは、ゲームの中のレオン様にも言える事だが。このキャラクターの攻略はかなり難しい。しかも、この世界のレオン様は私の干渉により、性格はゲームのレオン様とは大分変わっただろう。でも、ルディー先生の場合は違う。
ゲーム通りの性格であるはず。これは、覚悟して取り掛からないといけないわね。もしかしたら、マリーベール襲撃事件を陰で糸引いていたのかもしれない。・・・ゲームをやっていた時から、それは予想していたのだから。さっき、見たのもルディー先生の姿だった。やはり、アリスに毒を盛ったのは、ルディー先生の方ね。もしかしたら、スティル・セイレーンがジュースを贈っていたのを見て、これ幸いと毒をさらに盛ったのかもしれない。
そんな私をよそに皆はスティル・セイレーンに注目が集まっている。あぁ、彼は小悪党なだけ。小物だわ。そんな相手を気にしているのなら、ルディー先生に注目すればいいのに。・・・でも、彼は皆に信頼されている。そう可能性から外しているのもうなずける。私だけが知っている。彼の裏の顔を。笑顔の下に隠している凄まじい憎悪を。
私はそれを知られないように、スティル・セイレーンの名を呟く。
「・・・スティル・セイレーンね・・・。」
皆は私が呟くと、重々しい空気が広がっていく。あいつは隠そうとしていないし、魔力が強い人からみれば、黒い靄が彼を包んでいる事に気が付くだろう。ハルキが淡々と言う。
「・・・今回の騒動は奴の仕業か。」
アリスはハルキの言葉を聞くと、驚いてベッドから転がり落ちてしまう。そして・・・。攻略対象からはパンツが丸見えである。思わず、照れる者もいれば、まじまじと見る人物もいる。気にしていない人物もいた。
「えぇ!?スティル君、いい人じゃないの?」
「あ、アリス!!まず、その体勢を何とかして!!その・・・ぱ、し、下着が見えてるっ・・・!」
アリアは何とかして、アリスに伝えると、アリスは思いっきり顔を赤くする。・・・あ、あざといわね。
「み、見た?」
ルークは顔を赤くする。
「み、み、お、俺は・・・何も見てにゃい!」
・・・思いっきり見ているじゃないの。
「見事な白のパンティーだったな。」
・・・ハルキは何、言ってんのよ。思わず、私はハルキの足を踏みつける。
「いてっ!」
「何、淑女の下着をまじまじと見ているのよ!この変態!」
「・・・こほんっ。アリス・リリス。スティル・セイレーンは生徒会の中では危険人物と認識している。これからは接するのは控えるように。」
わざとらしく、咳払いすると、ハルキは生徒会長の顔をする。その場の空気はピリピリとしたものになった。
後半はギャグになってしまった。




