54.アリアのトラウマをなくそう作戦2。
前回の続きです。
本を読みふける私達。それは私も予想だにしていなかった事件であった。・・・寧ろ、予想は当たっていたと言った方が正しいのか。それはズバリ、何故マリーベールの村の人々は”まるで操られたように抵抗しなかったのか”という点についてである。
いざこざがあったのは、認めよう。だったら、尚更、隣の村の動向が注目されるだろう。でも、実際はそうではなかった。それは何故か?裏で、闇魔法が使われていたという事実。そういう可能性があると最後のページに記載されていた。
・・・あぁ、やっぱり、”あの人”の関わりが濃厚になったわね。だから、アリスが狙われた。あるいは、何らかの方法でアリスはそれを知ってしまったかのどちらか。・・・でも、やはり物証が出ないのが、問題点である。私はアリスを襲った犯人を知っている。でも、それは推測の域を出ない範囲だ。
それに、”あの人”はそんな証拠なんて残さない。それは、SECRET LOVERS2~私を取り巻く王子様達~の隠れキャラであるからして、そうは姿を見せない。彼のバッドエンドは攻略対象のほとんどを殺してしまう程の実力者である。
さて、そういう相手にどう関わっていこうか?もしかしたら、アリスは”あの人”のルートに入ってしまったなら、こちらも応援はしないといけない。全力でハッピーエンドにして差し上げます!彼のバッドエンドは最悪よ。
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私達は書物を読み終えると、アリアがカタカタと震えている。顔色も良くない。余程、彼女に与える衝撃が強かったのだろうか?私も大して気分がいいとは言えないし、ルークなんて拳を血がにじみ出そうなくらい強く握っている。
しばらくはそっとしておいた方がいいのだろう。
しばらくすると、ルークが思わず私とアリアを抱きしめる。・・・何で?アリアはともかく、何で、私まで巻き込まれているの!?私はそこまで、気分が悪い訳ではないのよ!?ルークったら、感極まりすぎない?
ルークは力強く、抱きしめていた。アリアも私とルークに抱き着いていた。その姿はちょっとしか見えなかったが、泣きそうに見えた。私は強くアリアを抱きしめた。片手の行方がルークの方にいってしまったのは、リュート様には内緒ね。
アリアは落ち着いたのか、涙をそっとぬぐう。そして、瞳には何か強い意志が宿っていた。
「・・・私は、もう過去から逃げたりはしません!!私にはフローディア様や皆がついていますから。」
そういう言葉に、私はアリアに微笑みかける。
「・・・きっと、今なら光魔法が使えるんじゃないかしらね。」
「・・・そうだね。フローディアさんがそう言うなら、アリアさんが光魔法の使い手だって、思えるよ。それに、アリアさんもきっと、過去を乗り越えられるよ。・・・だって、俺達がついているから。」
アリアは自分の頬を叩いて、気持ちを入れ替えると、私達はアリスのいる医務室へと向かったのであった。
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医務室に向かうと、生徒会の面々や解毒薬を作っていた面々がすでにいた。リュート様は私達の姿を見るや否や、声をかけてくる。
「フローディア様!一体、どこに行っていらしたのですか!!心配しましたよ?」
その顔は心底心配そうにしており、こちらまで悪い事をした気分になって仕方がない。悪いと言えば悪いのだろうけれど。
「ごめんなさいね。・・・アリスの様子はどうかしら?」
「もうとっくに、解毒薬を飲ませましたよ。そしたら、すっかり黒い靄が消えました。」
・・・本当に、治ったのかしらね?念のために、アリアに光魔法を発動させてもらおう。今なら光魔法が使えるはず。ここには、攻略対象が全員いるのだから、発動する条件は整っているはず。正直、入学から3カ月なのが、気になるところだけど。でも、シナリオブレイクの影響も考慮して、物事を考えよう。
私はアリアに魔法を発動させてほしいと言った。アリアは快く了承した。アリアは神経を集中させると、彼女の周りを大きな光が包み込み、しまいにはアリスの身体を照らした。あぁ、光魔法が発動した!
そこに、私は外部からこちらを窺う視線を感じた。私はこっそりと振り返ってみると、”あの人”が踵を返して、医務室から離れるのを確認する。他の皆は光魔法に気が向いていたみたいだけど。
アリスは目を覚ましたようだわ。アリアはアリスに抱き着いていた。アリスは何が何だか分からない様子だったが、それだけ心配させた事だけは理解できたようで、抱きしめ返していた。
次回予告、ついに”あの人”の正体判明!




