49.事の発端。
前書きに困る・・・。
「・・・これは、ジル様達にも報告するべきですかね?」
「確かに、報告する必要はあるとは思うわ。でも、これは闇魔法なんかではないわね。」
リード様は私の言葉に驚く。そして、疑問をぶつける。
「それはどういう事ですか?」
「これは、端的に言うと、闇魔法に似た”毒”だと考えられるわ。だって、闇魔法にはある特徴がある。それは闇魔法にかかっている人物に触れると、黒い靄は触れている人物にも包み込み、闇魔法がかかるのだわ。いくらリード様が闇魔法にかかりにくいとはいえ、全く闇魔法にかからないという訳ではないのよ。でも、黒い靄はリード様を包み込む事はなかった。なら、これは”毒”だわ。」
リード様は先程アリスを運んだ時の記憶を思い出している模様。そして、納得される。でも、誰がこんな事をしたのかが、私には見当がつかない。アリス達に嫌がらせをしている連中?そうなのかしら?でも、これはれっきとした犯罪よ。
△△△△
生徒会の面々が医務室に揃う。アリアはアリスの姿に呆然とする。そして、人一倍闇魔法を感知しやすい彼女は吐きそうである。闇魔法ではないが、似たようなものも人一倍感知しやすいのだ。ハルキは私に説明を求めるような視線を送る。
しかし、先にリード様が一連の騒動について説明された。ジル様は意味ありげな視線をこちらに向けて送る。リュート様も同様である。珍しくゼクス様にデミス様がいらっしゃる。そこに、医務室に入ってくる人物が。
「すいません。誰か怪我の手当てをしてくれませんか?」
・・・ルークである。ルークは転んだのかは定かではないが、膝を擦りむいている。
「はぁ・・・。ルーク、こちらは大変な事になっているというのに、あなたは呑気なものね。」
見事に、SECRET LOVERS~私を取り巻く王子様達~の攻略対象勢揃いしている事に内心戦々恐々しながらも、ルークの怪我の手当てをする。ルークもアリスの姿を見て、驚く。
「これ、闇魔法!?」
リード様はルークにも同じ説明をする。ルークは私を見て、口を開く。
「じゃあ・・・これは、毒を盛られたって事なんだね。フローディアさんは解毒薬の製造方法を知ってるの?」
「いえ、残念ながら、これは国家機密で私ですら知り得ないわ。でも、アリアが魔法を発動できれば、解毒薬がなくとも、アリスは目を覚ますわ。だって、アリアの保有する魔法は光魔法ですもの。」
その言葉に一同は驚きを隠せない。そして、皆黙ってしまう。・・・ハルキを除いてね。こいつは最初から知っているから。私が教えたもの、知っていて当然だわ。ハルキは間髪を入れずに、ジル様に頼み事をする。
「ジル王子は、王城から光魔法を使う者を呼んでくれないか?それと、最高位の薬師も。」
ジル様は一瞬、反応が遅れる。
「え?・・・そうですね。分かりました。それにしても、フローディア様が知らない事もあるのですね。」
「ジル様。流石に、私でも全ての事を知っているという訳ではないのよ。」
「でも、これが闇魔法でなく”毒”によるものだと断定している。僕よりも知識に長けている証拠ですよ。僕だったら、闇魔法によるものだと判断していたでしょう。」
正直、心外である。私だって知らない事だってあるわよ。例えばリュート様の心の中とかね。私の事、どう思っているか未だに分かっていないわ。それに、ゲームでも解毒薬を作った、とだけ表記してあるから製造方法までは分からない。でも、ゲームの中のレオン様が知り得たという事は、秘密の図書館を利用していた経緯もあるし、そこからなら調べられるかも。ここは、二手に分かれるのが先決だろう。
「でも、フローディア様はよくそんな知識に長けていらっしゃいますね。アリアさんの使う魔法が光魔法だなんて・・・。」
「でも、リュートはアリアが光魔法を使うところを見たでしょう?あれが、光魔法よ?」
リュート様は黙ってしまう。心当たりがどうやらあるみたいで。やっぱり、あの時リュート様もアリアが光魔法を使うのを見ていたのね。アリアは私の発言に驚く。
「えぇ!?私が光魔法を使えるのなんて・・・そんな!」
「でも、前に騒動が起きた時、小さな光があなたを照らしていた事を私とリュートは見ているもの。」
「一瞬だったので、気のせいかと思ったのですが、あれが光魔法なんですね。」
「そうよ、リュート。だから、一番はアリアがもう一度光魔法を発動させるのが、一番の薬になるのだけど。・・・出来ないかしら?」
私は首をかしげて、アリアに尋ねる。アリアは自信がなさげである。となると、ちょっくら国家機密でも探ってこようかしら。
話の流れ的には考えていた流れだけど、思ったように進みません!




