47.我が主2。Side リュート
リュートの憂鬱第二弾。
正直、考えても埒が明かなかった。そうして、数日が経った。
アリアさんとアリスさんに呼び出し状が秘密裏に送られていた事を知り、俺はアリアさんの後を追いかけていく。勿論、2人にはバレないように。
フローディア様ファン達は2人を追い詰める。
「お前ら、フローディア様がお優しいからって、調子に乗ってフローディア様に近づくんじゃねー!!」
フローディア様の追っかけであろう男が強く非難する。正直、お前がフローディア様に近付くなよと心の中で毒吐く。フローディア様が誰より好きなのは俺なんだよ。・・・なんて、言える訳もなく。さて、これはどうしたら、いいのか・・・。正直、考え物だ。
それでも、アリスさんは強気である。
「フローディアさんは、私達を大切な友人だと言ってくれたわ!!私達だって、フローディアさんを大切な友人だと思っているわ!だから、あなたたちに何か言われる筋合いなんてどこにもないわ!!」
アリアさんはどこかアリスさんの後ろに隠れてしまっている。ビクビクした様子である。そりゃあ、日頃から散々色んな貴族達に嫌味を言われているからな。仕方ないと言えば、仕方がないかもしれない。
フローディア様ファンクラブの人達はそれでも、なお非難を続ける。
「正直、お前らみたいな平民がこの学園に通っているという事実だけでも、辟易するのに、しかも、フローディア様みたいな誰も寄せ付けないような”孤高の淑女”に近付くなんて、身分をわきまえろ!!」
「フローディアさんを”孤高の淑女”にしたのは、あなたたちでしょ!?フローディアさんはずっと、誰かに寄り添ってもらいたかったのよ!!それなのに、あなたたちは”孤高の淑女”として崇め奉り、神様のように接してきたんでしょ!!フローディアさんだって、1人の人間よ!!」
・・・正直、ごめん。それ、フローディア様にも問題があるわ。フローディア様は社交辞令が得意とする為、その笑みを向けられたいと思っている、変態的思考を持つ紳士が多くて困る。フローディア様がその気にさせているのも大問題である。
「はぁ!?そんな訳ないだろ!?こちらは貴族様だぞ?お前らは黙って身分をわきまえろ!!」
「これが、黙っていられる訳ないでしょ!?」
アリスさんとフローディア様ファンはヒートアップしていく。アリスさんの後ろにいるアリアさんを置き去りにして。フローディア様ファンの1人はアリアさんを魔法で傷付けようとする。それに、アリスさんは気付いていない。流石に、まずいと思い、アリアさんの前に水魔法の盾を出して、魔法攻撃を凌ぐ。
「・・・あなたたちは何をしているのですか?ここは、アルカディア王立魔法学園。身分は関係なく接すると校則に記されていますよね。それに、学園内での魔法は授業以外では禁止されています。使ってもいいのはやむを得ない時だけです。・・・今はやむを得ない事情があったのですか?」
俺はアリアさんを庇うように前に出る。口調は貴族を刺激しないように丁寧に。でも、フローディア様ファンクラブの面々はさらに猛追する。
「お、お前はフローディア様の執事・・・!お前だって、平民の分際でフローディア様のお世話をしてんじゃねー!!」
「・・・確かに、私は平民ですがそれが何か?フローディア様はお優しい方なのは貴方達もよくご存じでしょう?フローディア様はこんな私でも優しく受け入れてくれた。そして、お傍にいさせてもらう権利を頂いた。私はそれに報いなければならない。・・・フローディア様のご友人を守る為なら、この手を汚す事も厭わない。」
俺は殺気を放つような笑みでフローディア様ファンクラブの面々に返す。それに、屈する貴族達。けれども、魔法で俺を攻撃しようとする。俺は水魔法を展開しようとして、そこに風が強く吹くのを感じた。
「貴方達、一体ここで何をしているの!?」
・・・フローディア様の登場。さっきのはフローディア様の魔法か。フローディア様の登場で、フローディア様ファンクラブの面々は面を喰らう。フローディア様はお怒りの表情を浮かべている。こんなに、怒るのは久しぶりではないか?
「今、リュートに、アリアに攻撃しようとしていたわね?貴方、余程の覚悟があるのでしょうね?」
にっこりと笑うフローディア様。でも、その笑みはとても怖いものであった。しかも、アリアさんの事を呼び捨てにしていたという事は、心の奥から信頼しているという事。それを理解したアリアさんは嬉しい表情を浮かべる。そして、一瞬だけ小さな光が彼女を包み込んだ気がした。
光が見えたような・・・?気のせい?フローディア様に怒鳴られて恍惚とした笑みを見せるフローディア様ファンクラブの面々。うわ、気持ち悪い。しかし、フローディア様に言われ、その場を去った。
フローディア様は2人を心配そうに見ていた。
「もう、大丈夫ですわ。・・・すみません。私のせいで、こんな事になってしまって・・・。」
フローディア様は2人に頭を下げ、謝罪する。でも、2人はフローディア様に抱き着く。
「そんな!フローディア様は悪くありません!!」
「そうです!皆、あいつらが悪いのよ!!」
フローディア様は安堵の表情を浮かべる。
「そう・・・。それなら、良かったわ。今度、こんな目に遭ったら私に遠慮なく言って頂戴ね?」
フローディア様は太陽みたいな笑顔で、そう2人に答える。2人も笑顔を浮かべている。あぁ、これで、問題は解決した。フローディア様は難なく問題を解決なされた。おそらく、理由は全部は把握していないのだろう。これで、アリアさんも少しは自信がつくのではないのでしょうか。
2人にとって、フローディア様が大切な友人なら、俺は・・・。フローディア様は俺にとって太陽みたいな存在です。
最長記録更新。




