37.アズウェル皇国の闇2。
前回の続きです。
水道の中を進んでいく。流石に、少し、肌寒い。けれども、進んでいく内に、番犬のバンケットがいた。これは、技術の国の技術の集大成。ロボットなのだが、守る事には長けた番犬用ロボットである。こんなものがここにいるという事は、余程アルテミス研究所に危険なものがあるという事。
リード様の顔色が険しくなる。
「バンケット・・・。確かに、こんなところにいるという事は余程重要機密があるという訳ですか。」
バンケットはこちらに気付くと、襲い掛かってくる。しかし、場所が悪いわ!ここは、狭くて動きが中々取れない!どうしたらいいのか・・・・。
そうすると、後ろから颯爽と誰かがバンケットに攻撃する。そして、バンケットを一振りで使い物に出来なくする。
ジル様が声をかける。
「ジュード!助かった!!」
・・・!?ジュード・フィンガー?あの”黒狼”の・・・?確かに、第三魔法騎士隊が護衛に就いていたけど!!ここにも破滅フラグがあったのかしら!!
”黒狼”は苛立ちを隠せない顔をして、ジル様に言う。
「何故、部屋を出られたのですか。我々は貴方を警備する為に、ここにいるのですよ?」
「あぁ、それは解っています。でも、私達はアズウェル皇国に国家機密である闇魔法が伝わっているという話を聞きました。それを確かめる為に、ここに来ました。だから、今私達が進もうとしている場所まで警備してください。これは、命令です。」
”黒狼”は嫌々といったところだろう。でも、ジル様の命令なら従うだろう。どうか、私を破滅の道に進ませないでください。
バンケットの傍に上へと上る梯子があった。まず、”黒狼”が梯子を上り、マンホールを開ける。続いて、私達も上ると静かなアルテミス研究所に入る事が出来たのだ。
ルークは静かに言う。
「それにしても、広いですねー。流石、研究所って感じ!」
それに対して、”黒狼”はルークを叱る。
「ルーカス。これは、遊びではないんだ。れっきとした犯罪行為だ。そうまで知りたい事実があるんだ。覚悟を決めろ。」
私が先導して、扉が開いている部屋に入る。
そうすると、水槽の中に人が入っている。それも、数多く。その人達は苦しそうにもがいている。あぁ、魔力を吸われている。これは・・・闇魔法の儀式の生贄ね。アズウェル皇国には魔力を持っている人なんて、少ないから多くの人間から魔力を取り込もうとしているんだわ。
リード様は驚愕する。
「これは・・・?」
「闇魔法の儀式の生贄ね。恐らくは、この人達は犯罪者なのだろうけど、その人を構成している魔力を吸っているのだわ。人間誰しもが魔力を持っている。けれども、アズウェル皇国には持っている魔力量が少ない。だから、魔法が使えない。人数で補って、闇魔法を手にしようとしているのね。」
「だからって、これはないでしょう!!こんな酷い光景が我が国で行われているなんて!!」
「それを確かめる為にここに来たんでしょう?これを追及するのは、リード様の仕事だわ。」
ちなみに、もうすでにクローディン皇子は闇魔法を手にしているはずだわ。それで、リード様の誘拐に使用したのだわ。だから、これを追及するにはかなりの労力が必要になる。しかし、一度闇魔法を受けた者は闇魔法に対する耐性がつく。リード様とリュート様にはおそらく、耐性がついており、闇魔法にかかりにくいはずだわ。しかも、保持する魔力が強いほど、闇魔法をかけるのもそれなりの魔力が必要になる。
それこそ、凄まじい魔力量の持ち主であるアリアが、”レオン様”を打ち負かしてしまうくらいに。現在、リード様もリュート様も保持する魔力量が多い。しかし、なけなしの魔力で得た闇魔法を持つクローディン皇子はもう二度とリード様には闇魔法をかけられないわ。今がチャンスなのよ。リード様。
無論、”聖なる炎”を持つルークも同じなんだけどね。打ち消してしまう能力がある。だから、闇魔法にはかからない。このアズウェル皇国の闇魔法を使う者では、ルークは一番の強敵になるはず。
”黒狼”が呟く。
「誰かがこちらに近付く気配がする。」
臨戦態勢に入る。あぁ、きっと、クローディン皇子ね。私達も臨戦態勢に入った。
まだ続きます!




