19.秘密の話。
シリアス回、突入。
「「「闇魔法・・・?」」」
声がかぶったのは、リード様にルーク、レイスの3人である。続けて、リード様はジル様に尋ねられる。
「闇魔法と言えば、魔法の中で6元素と呼ばれる一種ですよね?何故、それが国で禁じられているのですか?」
ジル様はそっと目を閉じる。そして、何故かこちらを見る。いや、何故に!?その疑問に答えるように、ジル様は口を開く。
「・・・いえ?もしかしたら、国家機密でもフローディア様なら知っておられるのかと思ったまでですが。それは、置いておきましょうか。」
いや、確かに知ってはいるけどね?何もここで言う事ではないでしょう!ジル様はリード様の疑問に答える。
「確かに、魔法の6元素の内の1つですが、闇魔法は自然に身に着くものではないのです。闇魔法は人の命を犠牲にして、儀式を行った上で使える後天性の魔法であるのです。だから、国で禁止しているのです。この魔法は禁忌なのです。しかも、人の命を犠牲にしている為に、その威力は絶大なものなのです。」
一同は驚きを隠せない。かくいう私も驚いたフリをしているが、ジル様・リュート様・レイスには気付かれているに違いない。まさか、そこまで驚くとは思わなかったもの。だったら、こちらも驚かない訳にもいかないじゃない。
リュート様は驚きつつも『フローディア様なら当然知っていたか。』と言わんばかりの視線をこちらに向けている。流石に、幼馴染くらいにはなっている私達の関係ならそれくらい視線で解るわよ!
闇魔法は他人を操ったり、眠らせたり、勿論、人を殺す事もできる。大変恐ろしい魔法ね。・・・あぁ、そっか。他人を操る。それで、私は頭の中で引っかかったのね。”ジル様襲撃事件”の犯人は捕まってはいない。分かったのは”賭け”が実際にあったって事だけ。きっと、あの事件は周囲の人を操り、騒ぎが大きくなるまで、放置しておいたのね。
それに、”レオン様誘拐事件”についても同じだわ。環境の変化についていけずに、泣いたにも関わらず、誘拐されて、”最果ての森”に連れていかれた時も眠らされていたのかもしれないわ。私はあの後、あの犯人達は貴族達によって殺されたとばかり思っていたけれど、実際にはもしかしたら生きている・・・?しかも、実行犯にして実は黒幕なのかもしれないわね。これは、また厄介な。
「じゃあ、何故そういう輩が王都にいたのでしょう?また”賭け”ですか?」
私はポツリと呟く。ジル様は驚きつつも反応する。
「え!?フローディア様は半年前の”桜花園放火事件”についても同じく闇魔法が用いられたと考えるのですか!?」
「・・・えっ。私、言葉に出してました?」
リュート様はため息をつく。
「えぇ、このリュートにもちゃんと聞こえていましたよ。確かに、あの事件騒ぎになるのが、遅かったと聞きましたね。それに・・・。」
「何故だか、記憶が抜け落ちている人物が大勢いた。・・・闇魔法は大勢の人物にかけられる魔法なのでしょうかね?」
「ちょっと、待ってください!その”桜花園放火事件”についても”賭け”についても俺、知りませんよ!!もし、俺で手伝えるのなら、教えてください!」
・・・ルークは頭が決して良いという訳ではないが、頭の回転は早い。すぐに、順応している。なら、彼も巻き込んでしまおうか?彼のルートでは私は出番があまりないだけで、平和的だもの。
ジル様は口ごもってしまう。しかし、私は言葉を紡ぐ。
「あぁ、それは”桜花園放火事件”は半年前に起きた事件で、ジル様が襲われた事件でもあるの。貴族達の危ない”賭け”の為に、ね?」
レイスは
「あぁ、フローディアはジル王子が黙っていた事をここで言っちゃうんだ。」
と、言った。その返しに、私は言い返す。
「ここにいる時点で、運命共同体じゃない?私が言う事も覚悟した上で、あまり関係ないリード様やルークを相席させているのだから。文句を言われる筋合いなんてないわね。それに・・・。リード様の誘拐事件だって、もしかしたら闇魔法が関係しているかもしれないもの。」
リュート様は『どういう事だ?』と言わんばかりである。ここでの関係はきっと、ジル様にとっては秘密にしておくだろうから、発言してもいいと思うのに。
「あら、リュートは知らないの?リード様の容姿を。それがアズウェル皇国にとって、どういう意味を示すのか。」
最後のセリフはマジで悩みました。




