16.自邸に戻り、一休み。
久々のリュート。
「私どもはここでお暇させて頂きますわ。あとは、ジル様にお任せしますわ。・・・行きましょう、リュート。」
「・・・はい。フローディア様。」
静かに、その場を離れようとした時、リード様から声をかけられる。
「・・・フローディア様。今回助けてくださった御恩はまたいずれ返させて頂きます。ありがとうございました。」
リード様は再度頭を下げる。私は『気にしないでください。』と言って、その場を去った。
そして、自邸に戻るとレイスがちょうど出迎えてくれた。私達は3人でいられる所に移動してから、レイスは私達に声をかける。
「2人ともお疲れ。ジル王子に久しぶりに会ったんでしょ?どうだったの?」
「・・・別に、どうもしないわよ。エドガー様もといリード様を、ジル様にお任せしただけだわ。」
「エドガーってやっぱり、本名な訳ではなかったんだね。」
そりゃあ、本名を明かしたくないご身分だからね。リード様は第三皇子にして、アズウェル皇国の最有力の次期皇帝候補だからね。おそらく、実行に移したのは、魔法を指導していた者だとしても、本当の敵はリード様の身内の中にいるわ。アズウェル皇国の内政事情に下手につっこみたくないわね。
リュート様はため息をつく。
「はぁー・・・。やっと、生きた心地がする。何で、フローディア様は隣国皇子に対しても強気な態度で臨まれたのだか。」
「エドガーって隣国の皇子様だったの??・・・やっべー、俺失礼な事していなかったかな?」
「別に、リード様は身分を知られたくないって思っていたから、レイスはレイスのままで良かったのよ。それが、リード様にとっていい刺激を受けたのだと思うわ。」
「・・・何で?」
レイスは疑問符を浮かべる。レイスは何も解っていないのね。レイスと接していれば、レイスは飄々としているけれど、彼の言葉には嘘がないって分かるもの。それが、今一つ他人を信用出来なくなっているリード様にとっては一番の薬となる。
リュート様が端的に理由を述べる。
「・・・リード様はアズウェル皇国の皇子で、この国には誘拐され、連れてこられたのだと。そこに、俺達が助けに入った事で事なきを得たが、自国で信用していた者に裏切られ、傷心していたらしい。他人を信用できなくなりかけていた所に、レイスの裏表のないところがリード皇子の心に響いたんじゃないかって事。」
「・・・そうかな?俺は言いたい事をハッキリと言っているだけなんだけど。」
「お前は、貴族相手でもその調子だからな。ハッキリ言って、将来が不安だよ。」
「でも、私はレイスのそういうところは案外、好きだけどね。」
「・・・!」
リュート様は思わずこちらを見る。あら?私、何か変な事を言ったかしら?レイスはリュート様の気持ちを知ってか知らずか、何やら面白がっている様子で、笑みを浮かべる。
「もしかして、リュート妬いてる?」
「べ、別に妬いてなんかいない!・・・それにしても、フローディア様はいつリード皇子の事を知ったのですか?流石の俺でも知りませんでしたけど。しかも、魔法が使える事まで知っていたなんて。」
「・・・あー。」
流石に、この質問には答えられないわよ!!前世でこのゲームが好きだから、設定集まで買って熟読していて憶えていたなんて言えやしないし、文字が書けるようになってから、”日本語”でこのゲームの設定を改めて書いた事なんて、口が裂けても言えないわ。ちなみに、自室に㊙ノートが密かに隠しており、もし誰かが読んでも、読めないようにしてある。・・・私と同じ”転生者”がいない限りはね。あと、この世界の文字と”日本語”は違います!たまに、㊙ノートを読んで、設定を忘れないようにしている。
「まぁ、利用できるものは利用するのが私の主義って事で。」
そう言うと、リュート様とレイスは何故だか、納得した顔をした。少し不服に思った。
若干、説明回。・・・説明回多いっすね(笑)。




