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悪役令嬢、第四王子と結婚します!  作者: 田名部宇美子
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9.作戦前々日。

出だしが困った話です。

ジル様が桜花園に向かわれるという情報を得てから、日頃のレッスンをどうサボろうか模索中です。私の自邸からは桜花園は少しばかり遠い。”最果ての森”よりも・・・ね?できるなら、リュート様を巻き込みたくない。けれど、すでに計画の全貌を彼は知っている。きっと、私が桜花園に向かえばリュート様もついてくるに違いない。しかも、奴らの計画は”放火事件”。ジル様を助けるにはリュート様のお力添えが必要となる。私ではきっと、助ける事は出来ない。


そうして、ジル様が桜花園に向かわれた。私たちはお父様に連れられて、王都までジル様のお姿を身に向かった。さて、私たちはこれからどうしましょうか。お父様はしばらく王都で仕事をする事になり、そのまま王都に滞在。私は自邸に戻る事になった。



桜花園までは王都からだと2日かかる。つまり、犯行は2日後。確か、ゲーム内だと夕食を頂いている時だったから、2日後に行動を起こせば間に合うはず。今日・明日はおとなしくレッスンを受けましょう。


逸る思いを抑えて、表情には出さないようにする。しかし、リュート様にはバレていたようです。


「・・・フローディア様、まだ計画は始まっていないのですから、落ち着いてくださいね。」


と笑顔で言われてしまう始末。私はある程度、レッスンを終わらせた所で、庭園に向かう。リュート様は剣術に励まれている。



庭園に向かうと、庭師のジョージさんに出会った。私はジョージさんに話しかけると、ジョージさんは笑顔で答えてくれる。


「あら。ジョージさん、今日もいい仕事をなさっていますね。」

「あぁ、フローディア様ですか。今日もお美しい。そして、名前を覚えて頂き、光栄でございます。」


私はジョージさんの後ろに隠れていた自分と同じくらいの少年がいる事に気が付いた。


「あら?そちらの少年は?」


少年に目を向けると、ジョージさんは手を頭に置き、困ったような笑顔を浮かべる。


「・・・あぁ、こちらは私の息子です。最近、女房と離婚しましてね・・・。息子は私が引き取る事にしたのですよ。」

「まぁ、そうでしたの。ジョージさんも大変だったのね。」


ジョージさんは後ろに隠れていた少年を前に出すと、自己紹介させる。


「ほら、レイス。お前もフローディア様に挨拶なさい。」


少年はぶっきらぼうに挨拶する。


「・・・俺はレイスです。現在、8歳です。よろしく。」

「こら、レイス!フローディア様の前だぞ!!そんな挨拶は・・・!」

「・・・いえ。いいのですよ。私はそんなに気にしませんわ。」


そう言って、手を差し出し、握手を求める仕草をする。レイスはそれに応える。私たちは握手をすると、レイスの手から花々が出現してー・・・。ん?花?・・・ってこれ、魔法じゃない!?私は風魔法よ?草花が出せるのは・・・土魔法よね?という事は・・・これって・・・レイスが出したものなの?ゲーム内にそんな設定あったかしら?学園に通う平民はヒロインとあと一人(攻略対象)と隠れキャラのレオン様扮するモブ少年だけ!最後のレオン様は王族だけどね。・・・いや、もう1人存在するが、それは追々。他に同学年で、平民なんていたかしら!?・・・あと、ついでに言っておくと、魔法を発動させた者は全員アルカディア王立魔法学園に通わなければならない。


つい、動きが止まる私たち。驚きからいち早く脱したのは私だった。


「これは・・・見事なまでに魔法ですわね。レイスは魔法が使えるのね。綺麗ですわ、この花々。」


その言葉で、ジョージさんは我を取り戻す。


「レイスが・・・魔法を!?何故・・・!?私たちは平民なのに!これは、フローディア様が出したものではないのですか?」

「俺も・・・何が何だかよく分からない・・・。」


私はレイスと繋いでいた手を離すと、混乱している二人に起きている事象について説明する。


「いえ?私が使える魔法は風魔法よ。それに、魔法が使える人は基本的に1種類の属性の魔法しか使えないの。草花を操る魔法・・・つまり、土魔法。これは、私とレイスが手を繋いだ時に発動した。発動したのが私の魔法でないなら、レイスが魔法を発動させたものと考えるのが自然だわ。」


レイスはキョトンとした顔で私を見つめる。


「そうなの?」

「えぇ、間違いないわ。」


私は笑顔で答える。沈黙がこの場を包む。それと同時に・・・これは、大いに利用できるのではないかと私は密かに思った。

思ったより長めになった。

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