プロローグ.全ての始まり
久々の小説投稿です。しかも、新しいのという・・・。良かったら、見てくださいね!
突然ですが、あなたには前世の記憶と言うものがありますか?
ーはい。私には”前世の記憶”というものがあります。今、この話をするという事は、私はすでに前世の人格に置き換わっているという事です。ええ、不本意な事に。
ええと、まずは自己紹介から始めなければなりませんね。私の今の名前は、”フローディア・フランソワーズ”と申します。只今、0歳と5カ月。赤ん坊です。赤ん坊の頃から前世の記憶を持つというのはとても辛いものです。
一番最初の記憶は、目が覚めたら、今の私の母に抱かれ、『フローディア。私の可愛い子。』と泣いて喜んでいました。ちなみに、私が男に生まれていたら、”フロス”と名付けられていたそうです。そして、この名前を呼ばれた時、一気に”前世の記憶”が流れ込んできました。その時、1週間程寝込んでしまったようです。しかし、そのおかげで、前世で享年17歳の女子高生で、乙女ゲームが好きな事を思い出しました。
勘のいい方はこの時点で察してしまったかもしれませんね。この世界が私が好きだった乙女ゲームの世界である事に。そして、私は気付いてしまった。”フローディア・フランソワーズ”は悪役令嬢である事に。
私は、死ぬ直前までやっていた乙女ゲーム”SECRET LOVERS~私を取り巻く王子様達~”の世界に転生してしまったのだと気付く。身内内でしか調べる事は出来なかったが、この世界が”SECRET LOVERS~私を取り巻く王子様達~”の世界観である事を、そして私・フローディア・フランソワーズが辿る道はハッピーエンドで国外追放、バッドエンドで攻略対象に殺されるバッドオンリーです。
そこで、私は考えた。私・フローディア・フランソワーズが幸せになれる方法を。それは、このゲームの隠れキャラであり、7人いる攻略対象の内、6人に対しては悪役キャラかつハイパーチートキャラの第四王子と結ばれる事。それしかないと思った。悪役同士一緒に幸せになりましょう!そして、前世の私の推しキャラでもある。これは神様がくれたチャンスに違いない。
しかも、フローディア・フランソワーズってこのキャラもチートキャラなんだよね。何で、攻略対象に殺されてしまうのだろう。それは、ヒロインが恋する攻略対象に惚れてしまうからなのでしょうか?だから、いちいちヒロインの恋路を邪魔する。仮に、婚約者がいてもお構いなしに!
このキャラ、とんだアバズレじゃない!?何故に、悪役令嬢が一人しかいないのよ!!このゲームの製作さん、悪役令嬢を使いまわさないでくれる!!この悪役令嬢に転生した私の気持ちにもなってよ!!・・・とまぁ、言えない文句を言っても仕方ないが。
そして、今、始まるの。このゲームの隠れキャラの、第四王子の悪役キャラになる所以の出来事が。第四王子の誘拐事件という、第四王子にとっての悲劇がね!そこに、チートキャラの私が颯爽と助けに入れば、第四王子様はきっと私に惚れるはず!!まぁ、相手も赤ん坊だけど、私の手中に収めてしまえば、私・フローディア・フランソワーズの破滅フラグは消えるはず。
だから、私・フローディア・フランソワーズは第四王子と結婚します。