幕間 神聖スコップ帝国教育要綱
書籍1巻の発売の宣伝と、更新できてない穴埋めを兼ね、外伝話を投下します。
時期は、第一部の海の国編のあとぐらいを想定。
書籍の詳細はあとがき↓をご参照ください。
アラン達が久しぶりにエルフ城に戻るとフィオが見当たらなかった。
「散歩でもしているのか? 少し探してくる」
「行ってらっしゃいますこ(*´▽`*)」
平常運転のリティシアを放って、アランはスコップを構え《ソードスコップ・サーチ》を発動した。フィオのエルフ耳は尖っており三角形だ。スコップの刃も剣スコなので三角形だ。親和性が高いのでサーチはたやすい。
「図書館だな」
そのまま《ソードスコップ・テレポ》でエルフ耳を頼りに図書館にテレポート。するとフィオがいた。本に囲まれた、窓際にある机。そこに腕組みをして、すうすうと寝息を立てている。エルフ耳に太陽の影ができている。
たわわなエルフ胸がぷにょっと机に沈みこみ息に合わせて揺れている。
「すう……すう……え……あれ……?」
と、フィオのエルフ耳がぴこぴこ動き、まどろんだ瞳がアランに向いた。
どうもスコップ技に反応したようである。
アランを見ると、フィオはぱあっと顔を輝かせて。
「あ! お、お帰りなさい、アランおじさん!」
がばっと立ち上がり、大きなたわわをぷるんと揺らしながら言った。
アランは近寄ってそばの椅子に座った。
「うむ、帰った。起こしたようですまん」
「え? いえ、むしろありがとうございます! ちょうど勉強してたんです!」
何をと聞くとフィオは笑顔で《エルフの里復興のお勉強》だと答えた。
「この図書館、ほんとにたくさん本があって、すごいんです!」
「ああ、確かにいろいろと収蔵しておいたな」
エルフ城の図書館の蔵書数は数万冊を超える。アランが宝石を売って手に入れた蔵書のほか、鉱山の地下で悪魔帝国が保有していた魔導書、アランがいつか来る後進のために記したスコップ秘伝書など、様々な本だ。
フィオはそのうちの分厚い本を胸に抱えて(また胸がぽこりとゆがんだ)笑顔だ。
「わたしもたくさん勉強して、エルフの里を復興させないと!」
「うむ、がんばれ。だが無理はするな」
アランはフィオの頭のてっぺんをぽんと叩く。
勉強は良いが、それで倒れてしまっては何にもならない。
「復興のためには知識よりもフィオの体が一番大事だからな」
「わたしの体が……? あっ!」
と、なぜかフィオの頬がピンク色に染まった。もじもじと太ももをすり合わせる。本を抱く強さがぎゅっと強くなる。分厚い法律書らしきものから、フィオの薄い胸布がはみ出していた。肌色が見えて、露出した下乳部分がぷるると揺れている。
「は、はい……わたしの体も……その、大事ですね……えと」
フィオはちょっとためらってから。
「あ、アランおじさんこそ……その、大事に、してください」
「む? 俺?」
「は、はい。わたしと、アランおじさんがいないと、その」
フィオはぼそりとつぶやくように言った。
「え……エルフが……その、増えない、ので……」
言い終わってからフィオはなぜか頬を真っ赤に染めてうつむくフィオだった。アランは少し考えたが、まあ身内として体を大事にしろということだろうと適当に解釈する。救いようもない朴念仁であった。
「それでフィオは何を勉強していたんだ?」
「はい、人間の国の運営についての本です。この本は教育についてですね」
「む? そんな本を入れていたかな?」
基本的にアランが所蔵していたのは鉱山掘削に関する実用書か、もしくは地底で悪魔なり竜人なりから奪った魔導書ばかりだ。そんな高度な法律に関する本など、蔵書にはなかったはずだったが。
「少し読ませてくれ」
不思議に思ってアランはフィオが抱く本を手に取る。
表紙に少し体温が残るその本のページをめくると、こんなことが書かれていた。
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神聖スコップ帝国 教育要綱(案)
帝国民の義務教育科目として、以下五科目を定める。
①国語
スコップ語を適切に理解する能力を育成する。スコップに関する思考・想像力を養い、スコップによる意思伝達を可能とし、帝国民のスコップ化を推進する。
②数学
事象をスコップ数理学に基づいて理解する力を育成する。すべての物理法則はスコップで無視可能であることを理解し、宇宙の真理についての理解を促進する。
③歴史
スコップと人類の関わりを理解する能力を育成する。世界史の学習を通じ、歴史上の事件でスコップが果たした重要な役割を理解し、スコップへの関心を高める。
④芸術
スコップの音楽的・美術的卓越性により豊かな情操を養う。スコップの美しい曲線的フォルムがあらゆる芸術の源であることを理解し、帝国のスコップ文化発展を促進する。
⑤すこ(実技)
スコップ(動詞)の実技を通じて子づくりを学ぶ。詳細は(※本記述は青少年教育上問題があるため、検閲削除されました。)
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アランが無言でその本の表紙を見ると『神聖スコップ帝国 帝国運営記 著:リティシア』と書かれていた。発行年月は先月だ。フィオは『えっちなスコップ(動詞)』の挿絵、あまりにも肌色にあふれ過ぎた美少女を見てあわわと慌てている。
そのときだった。
「鉱夫さま、フィオちゃん、ここにいましたのですこ(*´▽`*)」
諸悪の元凶が図書室に飛び込んできた。
「リティシア」
「すこ?」
「妙な本を図書館に入れるな。フィオの教育に悪い」
悪魔の魔導書より危険である。読むと正気が削れる。
「え……帝国の全図書館と全小学校に入れるつもりだったのですが」
「絶対にやめろ。というかこの図書館にも入れるな」
「すこー(´・ω・`)」
こうしてエルフ城の図書館が棚卸され蔵書の20%が閲覧禁止となった。
しかしエルフ城のリティシアによる汚染は、これが最後ではなかったのである。
(たぶん続く)
聖スコップ学園で制服フィオちゃんとスコップ(実技)を学びたい方は、↓のブクマ・評価を入れて「フィオちゃんのたわわ波動砲マジ波動砲!」と感想欄に書き込み……違うんですスコップ編集長、ぼくはただ書籍1巻が1月25日本日発売されたので宣伝を兼ね評価ポイントを得ようとしただけの無罪作者(このあと原稿をスコップされた)
書籍の詳細は活動報告をご参照ください。
イラストは憂姫はぐれ先生、うるとらすこいです!




