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少女は刀を握り姫となる!剣姫〜いざ行かん  作者: 榊 凪
1章 幼少期 殻を破る時
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鬼の力とは……。

本日二度目

 


「ご飯だぞ」


 一階から聞こえるおじいさまの声で私は目を覚ました。

 どうやら私はあのまま寝てしまったらしい。


 それにしてもどうも体の調子がおかしい……。

 思ったように体が動かないというか、自身の体じゃないみたいだ。


「いてて、どうしたんだろう? 今までこんなことはなかったのに」


 少し疲れたのかな? 結構寝たはずなのに?

流石にお爺様のあの打ち込みに参っちゃったのかな。私よわった……。

「起きたか? 先ほどまでぐっすり眠っていたから起こすのもなんだとは思ったが、ご飯だけは食べなくてはならないからな。少しは元気になったか?」



「う、うん」


 肩を回しながら自身の体調の具合を確認する。するといつもと動きが違うようにも思えたが、些細なことと思い適当に返事をした。


「その調子だとまだ体が馴染まないようだな」

 寝起きでボケている私におじいさまはそう仰った。正直おじいさまが何を言っているのか私には分からなかった。

「え?どういうこと?」

 それでもおじいさまは淡々と何の抑揚も無く話される。


「今まで夜見が美味しくないと言って食べていたものはね、鬼の心臓なんだよ。それも神鬼クラスの最強の鬼。鎌倉時代に現れたとする史上最強の鬼の心臓をね」


 淡々と話すおじいさまは、どこか申し訳なさそうにしていた。


「これには、発動条件というものがある。これはな、自身が命の危機にあるときに発動させる事が出来るんじゃが、お前にはそれがない。だからわしが無理やり発現させた。申し訳ないとは思ってはいたが、これも坂巻家の由縁たる事なのだ。許してくれとは言わない。恨んでくれても構わないが、お前にはどうしてもやってもらいことがあるのじゃ」


 おじいさまは私の肩をがっしりと掴み、さらに続ける。


「お前にやってもらいたいのは鬼殺しだ。今のお前にはなにを言っているのかは分からないと思う」

 肩を掴む手の力がドンドン強くなる。

「おじいさまは? 一体何を」


「それでもな、これは我らが背負わなくてはならない使命であり、役割なのだから」


 目を血走らせ、訴えかけてくるおじいさまはいつも知ってるおじいさまとはかけ離れていた。


「おじいさま取り敢えず落ち着いてください。何を言っているのか私にはわかりません」

 正気を取り戻して貰うため必死に呼びかける。


「う、うむ。悪かった。まぁ、まだ先の事だし良いのだが、これからの修行はこれまでよりもよりハードになる。私が言いたいのはこれだけだから、先程はまくし立てて言ってしまって申し訳ない。と、そんなことを話していたらご飯が冷めてしまうからな、ささ、お食べ」

 どうやら正気を取り戻したおじいさまは小声で悪かったといい、頭を抱えながら台所へと行った。

「はい、おじいさま」


 なんとか落ち着いてくれたみた

 いで、一安心です。


 最近寝坊ばかりして怒られることが多々あるから明日こそは早起きしておじいさまを驚かせてそして褒めてもらおう。子供心にそう思い馳せるのであった。

「いただきます」

「頂きます」


 いつもと同じように手を合わせ二人仲良くご飯を食べるのであった。



 次の日


 ふふ! 昨日は早く寝たからいつもより早起きしちゃった!

 おじいさまのところに行って驚かせてあげるんだから!!


 そんなことを頭の中で考えつつ、鼻歌交じりにスキップをして、寺の廊下を歩いていると、木刀を振るう音が聞こえた。

 それも、私よりも早くて、重い。

 私みたいに連続で振るんじゃなくて一つ一つ、上段から下段まで振り下げ、しっかりと剣を絞る音も聞こえる。


 その一振りで、風が生まれ、私の頬を優しく撫でる。朝のそよ風さえも感じぬ程に……。



「こんな早くから誰が木刀なんかを振っているのかな? まだ四時だよ。いくらなんでも早すぎるよ〜。

時計の針を確認するまでなくまだ日が上がっていないのだ。



 そこに居たのは木刀を振るうおじいさまの姿。一回の素振りで木々が揺れ、池が波打つ。その素振り一回に心を揺さぶられ、知らぬ間に私は膝をついてしまっていた。

「どうした夜見、こんな早くから。珍しいこともあるものだ。夜見も一緒に素振りするか?」


 私の姿に気づいたおじいさまが、素振りを止め手を振りながら私に声をかけてきた。


「……はい、おじいさま」

 あんな素振りを見せられたら……凄い、私もおじいさまみたいに木刀を振って見たい。

 私もあれくらいできるようになりたい。


 おじいさまは私の憧れであり、先生であり、家族なのだから。


「夜見、お前と一緒に剣を振るのは久方ぶりだな。私の剣は見えるか?」


「いいえ、見えません。早過ぎです。でも、いずれこして見せます」


「うむうむ、良い心がけだ。さて、私は朝ごはんを用意してこようか」


 おじいさまは木刀を腰に収めた。


「おじいさま、もう少しだけ付き合っていただけないでしょうか?」


「どうしてだ?」


「いえ、その、私も強くなりたいから。おじいさまみたいになりたいからです」


 私がそう言うと、おじいさまはニッコリ笑った。


「そうか、いいだろう。少しだけだぞ」


 おじいさまは先程しまった腰に刺してある木刀を両手で構えて、先ほどよりゆっくり振った。


 私に教えるためにゆっくりと。


 私はその優しさに触れながら、自身も剣を振るうのであった。


 しばらく剣を降り、日もだいぶ上がってきて、庭で飼っている鶏が高らかに鳴きました。。

 いつも私が起きている時間帯です。


「早起きは三文の徳というが、あながち間違いではないのかもしれんな」

 とおじいさまは木刀を腰に収め、私の肩を優しく持ち、頑張れと一声かけてお寺の中へと戻りました。



 私はと言うと、もう少しだけ素振りをしていようと思い、ひたすらに剣を振っていました。おじいさまを越すために……。


 数分ほどし、おじいさまが襖から顔をのぞかせ、私を呼び朝ごはんの時間となりました。


 いつものように井戸で水を汲み、服の上から水を浴びる、これがまた気持ちがいいのだ。暖かな陽気と優しい風か心まで洗ってくれる気がして……と、急がなきゃ!!



 手を洗い戻ってくるといつも通りの食事の用意がなされていた。けれどいつもと違う点がひとつだけあった。


「あれ? おじいさま、いつもある黒いデザートはないのですか?」


 おじいさまは気がついたか! みたいな顔をし、何かしみじみした顔をした。


「ん? あぁ、あれかい? あれはもういいだろう。鬼の力もだいぶ顕現してきた頃合いだしな、いいと思ったから」


「え? 鬼? 何のこと?」


 おじいさまは眉をひそめ、昔話をし始めました。

更新は、どうしようかなー。一週間に一〜二回程度更新して行こうかな?

書き溜めは少しある。

改定しながら恥ずかしながら書いて行こうかな〜。

今回こそは

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