ぷろろーぐ
「離せっ・・・!!離せよぉっ!!」
「戻れないのか?もう・・・日常に」
「戻れるわけっ・・・ないだろう!!」
彼の手が優しく俺に導いてくれるのに、俺はその手を突き放す・・・。
「復讐か」
静かに、彼の口から発せられる言葉。
「っ」
まさか・・・分かっていたのか?
なのに、・・・あんなに優しくしてくれたのか?
「お前は生半端すぎる。
・・・死ぬぞ、きっと」
「死なねぇし、殺やれたりもしねぇよ!!」
「嘘。お前は死ぬ」
「何でだよ・・・、何故そんな風にっ」
「復讐を果たしても、お前は罪悪感でいっぱいになる」
喋っている途中で、彼はぽつりと言った。
「罪悪感・・・?そんなの・・・あるわけねぇだろ!!!」
「っ・・・じゃあ」
一瞬彼は目を地面に向け、すぐに俺の目を見つめる。
「じゃあ、何で泣いている?!」
「え・・・」
気付かなかった。
さっきから、目から涙が溢れて地面が濡れていることにさえ。
何故泣く必要がある。
どうして?
涙なんて、子供の頃に枯れ果てたハズなのに。
「泣いて・・・る・・・?」
「お前は、アイツを殺したいんじゃない。
確かに、罪は消えない。一生な。
でも・・・罪はまだ償える、手遅れでも何でもないんだよっ!!!!」
アイツの笑顔。
アイツの怒った顔。
そして――俺の大事な人々を殺したときのアイツの顔。
思い出したとき、嘘だと思った。
ありえない、と。
「つぐ・・・なえる・・・つみ・・・」
もう、言葉など滅茶苦茶。
「――――行こう、アイツの所に」
「え・・・」
「まだ間に合う・・・急ごう」
そう言って彼は・・・俺に手を差し出した。
「なっ」
辛いはずなのに。
苦しいはずなのに。
混乱しているはずなのに。
親友同士が、敵だという事実に。
中立の立場で何を思う?
一体何を―――――――――――・・・・
「・・・・」
沈黙。
一瞬だったかもしれない。
それとも、もの凄く長い時間だったかも知れない。
俺は・・・ゆっくりと、
彼の手を握った――――――――
+ぼくらの孤独+ −−−−次回、ついに決着?!
「どうなっちゃうんだろー、この展開!!
始めはあんなにほのぼのだったのにィ・・・
この差はまさしくあれだね、ひ●゜らしのなく頃にレベルだよー」
「コンビニで騒がないで・・・迷惑」
「優、このあとアニメイ●と、とらの●なに行こっ」
「詩・・・今度は何買うの?」
「BL同人誌と―、BL小説〜☆」
「・・・・この腐女子め・・・・」
「てへっ☆」
「可愛くない」
「優ったら、クールすぎ〜、さぁさぁ行こ行こ」
「・・・むぅ」
さてさて、このクールな女の子は『渡部優』
母は書道家、父は国会議員という何か絵に描いた様なお嬢様。
家は和風、私服も和風系が多いという、結構凄い女の子であります。
そして、私は『園崎 詩』
私の家族は――――まぁ、あとで分かるか。
分かる人には分かるのですが、私は俗に言う『腐女子』なのです。
え?腐女子って何かって?
婦女子をもじった言葉で・・・そう・・・男同士のLOVE☆が好きな女子達の事です。
簡単にいうと、BL、分かったかい?YOU☆
まぁ、私なんかまだまだぬるい方で、
世の中には私なんかよりもっと凄いヲタクだっていっぱいいるよー・・・絶対。
とまぁ、自己紹介している間にも買い物が終了。
「詩、急がなきゃヤバイのでは?」
「あっ・・・本当!!んじゃー」
「ばいばい」
ウチの門限は厳しい。
破ったら、家には入れてくれるけど・・・色々嫌だ。
なぜならば。
こっそり裏口から入り、自分の部屋に買った同人誌を投げ込む。
そして、再び表から入る。
そして―――――
「お帰りなさいませ、お嬢様!」
20人程のメイドやら執事が見事なお迎えをしてくれる。
メイド喫茶やら執事喫茶に行かなくてもこの光景・・・。
そう。
私は、旧財閥のお嬢様です。
―――――嫌々ながら。
「外はお寒いでしょう、ココアをどうぞ」
「ありがとう」
「今日は主人がご在宅です。
夕飯は何が食べたいですか?」
「何でも良いよ」
「お嬢様、これをお掛けください。
肩が冷えては風邪を引いてしまいます」
「うん、ありがと」
・・・。
・・・私・・・もしかして一般人と違う次元で生きてる?
と、最近思い出した。
だって両親と一緒に公園で遊んだことないし、
遊びに行ったって、ガードマンでいっぱいだったし・・・
・・・・・・遊園地は、貸切。
はぁぁ〜。
普通の女の子みたいな生活送ってみたいのにぃ〜。
「詩。帰っていたの?」
「母様っ・・・ただいまぁ」
母の格好はトイレどうやってすんの?と聞きたくなるぐらいの着物だ。
昔、何回か着たことあるけど、お腹痛いしトイレ行きづらいし
だから着物はかなり苦手だ。
「今日はお父様がいるんでしょ、
久々だねぇ〜、一緒にご飯食べるのっ」
「そうねぇ・・・。
今日ぐらいは私が作ってもいいかしら?」
「え」
「何ヶ月ぶりでしょう、
料理をするのは・・・」
「駄目――――っ!!!!!」
ちなみに、母の弱点は――――料理。
芸術ともアートともいえる素晴らしき料理を作る。
ただし、食べて普通に過ごせるのは、異様な舌の持ち主か、死体か。
「もっもう料理人がいっぱい作ってるしっ!!」
「そう・・・残念ねぇ・・・」
あ、あと一つ。
母は異様な舌を持っているのです。
なので、料理には口うるさい割に、自分の料理を平気で喰えるスーパー☆スター。
「さ、詩も早く準備をしてらっしゃい」
「はいはーい」
腐女子で旧財閥のお嬢様で貧乏人の生活に憧れる私。
それって貪欲ですか?
それってただの嫌味ですか?
だれか。
だれか、私の生きる道を教えてください。
ねぇ――――誰か――――――・・・・・。
多分きっとちょこちょこ追加すると思うのでよろしくおねがいします。