象徴詩『精神抑制解除示唆(mind set)』
軋轢 圧迫
戦ぐリラの樹の梢
アロ鳥のイシュイシュと鳴く
夜の生皮の下
座標を失い濃霧立ち込める
ベルス河に漂う匣
人家に燈火が絶えず瞬き
非内へと時間は進み
先端から蒼く沈澱となる
限界浸出する五体の五毒
廻り走る因果の壊死脚
掻爬魚類の浮いた頭を
棒切れで叩いて潰す
置かれ
取り残される
忘れられる
常用思惟の廃疾
継ぎ足す予測不能
食い散らかした賓辞卵
予後悪く吸い取る
干涸びる
堕ちる
踏み潰し
擦り抜ける枠の狭さ
鉛白 塗り替えた壁の骨とグリム
薪黒く煤を掛けた四つ角竈
円窓の曇り稲光
篠突く雨は束を成し
三つ編むベルス河の流れ
慰藉は決壊の透明な河畔に固定される
土は溶け
学畜の墓場にジョイスの死体が浮き上がり
醜石の礫を当てる石打ち
湿地に拾い上げ
見えない水に手指を濡らし
乾いた皮膚を持つ自覚が意識に昇る
引き擦り線のカミソリの薄く
ズタズタ崩壊する繊維肉
腕を削いだスープで養う自動人形
僻目回路の柱時計
被害回路のオルゴール
ザーメンスープの適応体
電動目玉の自己産出
埋め立てるために