パンデミックの話
インフルエンザにまつわるうんちくエッセイです
私事ですが、この冬インフルエンザにかかってしまいました。
かなり久しぶりでした。正確には数えていませんが、たぶん十年ぶりとか、そのくらい久しぶりだったと思います。
子どものころから病弱ではありましたが、なぜかインフルエンザには滅多にかからず、したがって予防接種とかをやる発想も生まれず、当然経験もありません。
そんな私なので、症状も風邪にちょっと似ていたりして、つい軽く見てしまう癖がついてしまうのですが、インフルエンザは毎年のように猛威をふるい、亡くなる方も出る非常に怖い病気のひとつということを忘れてはいけないのかもしれません。
感染症が世界的な規模で流行してしまうことを、パンデミックと言ったりしますが、インフルエンザはパンデミックを引き起こしやすい病気の一つであることも確かではないでしょうか。
数年前にWHOが新型インフルエンザに対して警告を発したが大したことなく誤報とされた、という事態がありましたが、だからと言って今後インフルエンザを軽視して良い、ということにはならないでしょう。劇的な変異によって毒性の強いウイルスが生まれ、猛威をふるうことはこれからもあり得ることでしょうし、そうなった場合は世界中でパニックになるかもしれません。
インフルエンザパンデミックとして最も有名なのは、たぶん約百年ほど前に流行した「スペインかぜ」でしょう。
かぜという名前ですが、いわゆるA型インフルエンザウイルスです。
インフルエンザという病気が確立していない時代だったため、その初期症状が似ていることから「かぜ」と表現されたのでしょう。
また、スペインという名前がついていますが、発生源はアメリカらしいです。スペイン発の情報で広く知れ渡ったために、そのような名前がついたとか。
このときは感染者六億人、死者は推計五千万人以上(諸説あります)というとんでもない数です。
当時の世界人口は推計十八億なので、実に三十%の人が感染したという計算になります。
日本国内でも四十万人近くが亡くなりました。
当時は第一次世界大戦中だったのですが、この病気の流行のため終結が早まった、つまり戦争どころではなくなった、という説があるくらいです。
第一次世界大戦での戦死者が約九百万人、非戦闘員死者一千万人と言われていますから、インフルエンザの脅威のほどがうかがえます。
まあ、当時はまだインフルエンザの病原がウイルスであることが証明されていない時期でもありました。
現代は人口が爆発的に増えて、人の移動も激しいぶん、より感染しやすい状況になっていると思いますが、他方で医学も進んでいるという側面もあります。
もし、今後新型などが発生しても、なんとか知恵を絞って、被害が最小限度に抑えられることを祈りたいです。
お読みいただきありがとうございます。事実誤認があったら申し訳ありません。
もしインフルにかかったら、絶対に無理せず休み、何よりも他の人にうつさないように配慮するのが大事だと思います^^