夜明け
そして、俺はあのムッとした部屋にもどされた。
代わりに紳士な男が部屋から出される。
もう何をされるのかはわかった。
ここは地獄だ。
そう思った。
「みんな、出ていいよ。」
どのくらい時間が立っただろうか。
突如、部屋のドアが空いた。
外から入ってきたあの男は一人づつ順番に鎖をほどいていく。
最後が俺だった。
「でていいの?」
「いいよ。ただし、夜にはまた来てもらうからね。」
男は柔和に笑った。しかし、目が笑っていない。
夜、またここにこなければ、なにかもっとひどいことをされる。
そう思った瞬間、恐怖に体が反応した。
用意された服を着ていたらまた、あの男がよって来た。
俺の股間を手をやり、それの形を確かめながらささやく。
「今日の夜は、昨日の友達も連れておいで。」
「え、・・・いや、です」
あいつをもう、巻き込みたくない。
理性と本能が混じり合う。
しかし、男はそれすらも打ち砕く。
「連れてこなかったら、またいじめるからね」
残酷に笑う。
周囲の六人の部屋に閉じ込められていた男たちは物知り顔でうつむく。
黒い夜の世界から一変した、朝の陽の中へ歩いていく。
その仮面にも思える光はやがてなくなる。
時がくれば闇になる。
俺はカバンと制服に身を包み、学校へと向かった。
脳裏に彼が浮かぶ。