トラウマのトラウマ
――・・・ケア?
疑問に思うオレの鎖を少し強引にほどき、若い男がオレの腕を掴んで引っ張った。
オレは、わけが分からず付いていく。
部屋を出るとき、後ろに無数の視線を感じる。
しかし、振り返るよりも早く、若い男が扉をしめ鍵をかけた。
「・・・君は少し鈍感、だね?」
若い男がやんわりと言う。
――・・さっき殴ったことをまるで忘れたかのような・・・・・・
少し怖い。
男は言った。易しい笑みを浮かべて。
「じゃぁ、今日から少しずつ敏感になってもらおうか。」
「え?」
言葉と同時にオレは思いっきりベットに投げられた。
「くっ!?」
上半身を起こすより早く、若い男がオレの腕を捕まえ逃げれなくさせる。
――ま、まさか!またやるのか!!?
じたばたと暴れるオレの腰を抱き、若い男が言った。
「暴れたらおしおきするけど、いいのかな?」
「い、いやだぁ!!離せぇぇええ!!!!」
それでも俺は暴れる。
もう、いやだ。もうあんなことはしたくない!!
しかし、若い男は予想以上に強い力で束縛してくる。
俺は逃げることができずにいた。
「ったく」
そうこうしている間に、若い男はベットの上にある小さな棚から何かを取り出した。
大きな注射器のような・・でも、針ではなくてもう少し太いプラスティックのようなものが、俺の視界のはしに写る。
――・・・怖い!!
本気で恐怖をいだいた俺。
男は俺の体を強制的に九の字に曲げた。
「っぁああん・・・・ぃっぁあ・・・・・・」
容赦なく、若い男が俺のケツ穴に何かを差し込んだようだ。
――・・・・・ぃ、痛い!!痛い痛い痛い!!!
あまりの痛みに声が出ない。
自分がじたばたすればするほど、痛い。だから俺は動きを停止させた。
「・・・いい子だ・・・」
男は静かに、言った。
「は、・・早く・・・・・・抜け・・ぇ!」
俺はギュッと目をつぶる。
いやだ、いやだいやだいやだ・・・・・・
我慢する。泣き叫びたい。逃げたい。でも、できない。
俺は歯を食いしばる。
「・・・まだ、殴ったお礼をしてなかったよね?」
「!?」
男は大人しくなった俺の股間についている棒を握った。
「ヤ、・・・めてくださ・・・・・ぃい」
俺の小さな叫びを無視した男は、棚から何かを取り出した。布とコードが繋がっているようなもの。
そして、大人しくなった俺が動かないことをいいことに、俺の棒に布をかぶせる。
というか、その布がすっぽりとはまった。
「スイッチ入れるよ?これは君へのおしおきだから・・・」
「やめ――」
俺は叫ぶより少し早く、男はスイッチを入れた。
ブルルルルルルルルルル・・・
その瞬間、布がものすごい勢いで揺れた。
「ッぁぁ・・・んぅ!!」
たまらない衝撃が棒に走る。
必死で声を出さないように歯を食いしばるが無理だ。
声と同時に体がビクビクとゆれる。
「・・・本当はね、初めての人はレベル1の小さい揺れからやるんだけど・・今回はおしおきだからレベル10」
「・・・あぁああ、・・・・・・・・・ぃた、ぃ・・・・んぁ、ぅう・・・」
「次からは、ちゃんという事きくんだよ?」
楽しげな男の顔などみる余裕もない。
それなのに・・
「分かった?ちゃんと返事して」
男が言った。
俺に返事をする余裕がない事をしりながら・・
「・・・・・・悪い子だなぁ・・・もう」
男は言った。
――いやだ、ここで返事しなきゃもっと何か!!
「んぁ、あぁん・・・んぅ!」
開いた口から甘い声だ出る。
男は笑った。
「そんな返事じゃダメでしょ?・・・仕付けが足りないのかな」
そして、言葉と同時に冷たい液がケツに注入されたのが分かった。
それは、ある場所に来ると激しい感覚へと変わる。
――・・・もらし、そうだ・・・・・・
でも、大の学生がお漏らしとは・・・
いやだ、だめだ、だめだめだめめだめ!!!!
叫びたい衝動にかられた、瞬間。
一気にそれを、俺は外に出してしまった。
うねる機会がそれで染まる。
――もう、いや・・・だぁ・・・・・・
グズ・・
俺の頬を一筋の雫がつたる。
一筋だと思ったそれは次々に生まれては流れていく・・・
「・・・っぁん・・・・・・ぅ、くぅ・・・・・・」
口を開けば変な声しか出ない。
でも俺は、必死で振り向いて若い男の腕にしがみついた。
――もういやだ、こんな事止めてください!!
必死に訴える。睨まずに弱者の目で訴える。
「・・・・・・」
「・・・・・・・・」
――?
もっと、何かされるのではないか、という不安もあったのだが・・・
若い男が俺の顔を見るなりいきなり黙り込んだ。
そして、スイッチを切ってくれる。
しかし、違和感は消えない。当然だ。今までゆれていたものが突然止まったのだから・・・
「・・・・・・もう、やめ・・て・・・」
必死の思いで、恐怖と戦ってでた必死の声をだす。
若い男はしばらくの間、俺の顔をじぃっと見つめていた。なぜだろう?