表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

うん、元気そうだね

敵の方から手榴弾がとんでくるのが見える。だけど時が遅くなったのか手榴弾の軌道がはっきりと見ることができる。死にそうになると、時間がゆっくりと進むように感じられると言うけど、今がその時なのかな。手榴弾が地面について、私の足元の方にコロコロと転がって近づいてくる。やばいのはわかるんだけど、どうにもかくにも体が動くのも遅いから逃げようにも逃げることができない。そう思ってると、隣にいた人が、手榴弾の方に手を伸ばして、敵に投げ返そうとしていた。私もやっと体が感情についてきたのか、手榴弾から離れようと動き出した。


「きゃあ」


 やっと体が動き始めた瞬間手榴弾の方から大きな爆発が起き、手榴弾を投げようとした人は上半身が爆発に巻き込まれ、下半身とお別れをし丸焦げに、私はというと少し離れた場所にいたので爆風の衝撃で前方に吹っ飛ばされた。怪我はというと飛んで来た破片が背中に当たってけっこうな血がでてきた。


「ゔぅー」

「おいノース!」


 ロアルが今にも死にそうな必死な顔で私の横に座り込んできた。ロアルが急に私をうつ伏せにしてきた。ロアルの顔は見えないけど、言葉にならないような声を上げていた。


「あぁー!」


 ロアルが私の背中を手で触ると、今までに感じたことのない激痛が体中をはしった。そんなに私傷ひどいのかな。考えようにも、なぜか元気が出てこないし頭も回らないし背中が怪我をしたせいかものすごく熱い。


「くそ、誰か衛生兵はいないか!」

「ロアル、」

「あぁくそ!」


 こんな事が起きてても敵は止まらない。敵の勢いは更に増してきて、わたしたちのいた塹壕にはたくさんの手榴弾が投げ込まれてきてる。敵がすぐ目の前まで来ており、こちらの兵力も大多数が殺られてる。そんな時、


「撤退だ!撤退するぞ!」


 その一声で、みんなが味方の塹壕に逃げようと敵を背にして逃げ始めた。


「しっかりと捕まってろよ」


 撤退指示がでるとロアルは私を見て動けない私をロアルが担いでくれた。絶対渡しを置いていったほうがロアルはすぐに動けて逃げやすいのに置いていこうとはしなかった。他の兵士が塹壕から出て逃げようとすると、塹壕から這い出ないといけないので格好の的となり敵側から撃たれて殺されていった。ロアルも他と同じように塹壕から這い出て逃げたが、運良く私たちは銃弾に当たらなかった。ロアルは一番近い味方の塹壕についたが、他で味方の塹壕につけてたのは、一緒に最前線から逃げた時の半分もいなかった。


「ここに衛生兵はいないか」

「おい二等兵何があったんだ!」


 ロアルが塹壕について、衛生兵を呼んでいると若い士官がロアルのもとにやってきた。


「奇襲です中尉。敵が急に砲撃してきたかと思うと、戦闘準備もできないうちに敵が大軍で押し寄せてきて、まだ完全に防衛準備もできていなかった我が軍は敵の侵攻を防げず、撤退指示が出たのでここにげてきました。今すぐにでも守りを固めるべきです」

「そんなことはわかってる。軍曹、今逃げてきたものを衛生所で休ませてやれ」

「わかりました」


 中尉に報告し終わると、最前線から逃げてきた人たちはさっき中尉が言ってた軍曹について行った。衛生所はそこまで小さなところではなかったが逃げてきた人が多かったのですぐいっぱいになったロアルは大丈夫だったが、ノースは結構危ないところまでいっていたらしい。もしあとちょつと来るのが遅かったら、死ぬかもしれなかったらしいけど今はまだ病室で寝ている。傷はもう大丈夫らしいんだけど、意識はまだ戻ってきてない。そしてあの日の戦闘で、その地域の最前線にいた兵士約四万人のうち半分約二万人が今回の戦闘で死んだ。敵軍はというと、首都を目指して侵攻していたが、我軍の親衛部隊の機甲部隊が敵の先遣部隊を壊滅にまで追いやることができたものの、敵本隊ははヴィヴァレッジ川まで占領し防衛線を構築しているらしい。


「んんー」

「ん、ノース起きたか」

「ロアル?なんでそんな顔して、それにここって」

「待ってろ、今医者呼んでくるからな」


 目が覚めると、一番最初に見えたのは泣きそうになってるロアルの顔だった。私はベットの上で横になってて周りを見渡してみると、同じようにベットで寝ている人がたくさんいた。多分ロアルが医者を呼んでくるとも言ってたし多分病室なんだと思う。でもなんで私病室にいるんだろう?覚えてるのは敵が急に攻めてきて、私やロアル、みんなが戦ってたら手榴弾が投げ込まれてそれで...私やられたのか。んっなんか意識し始めたら急に背中が痛くなってきた。


「ノース医者を呼んできたぞ」

「あ、ロアル。背中がめちゃくちゃ痛いんだけど」

「うん、元気そうだね」

「先生」


 いやなにが「うん、元気そうだね」だよ。こっちはめちゃくちゃ背中が痛いんだけど。ロアル先生間違えたんじゃないの。


「あの背中がまだ痛いんですけど」

「多分気の所為だね」

「いやでもほんとに」

「はぁ、君ねそんなのなんかにいちいちかまってられないんだよ。君は寝てたから知らないと思うけど、今回の戦闘で戦死傷者数は約三万人、全くベットが足りてないんだよ。だからそんなくだらないので時間を使わせないでくれ。今にも助けないといけない人がまだ大勢いるんだから。わかったかな」

「はい」

なんかちょっと書かないだけで今までどんな感じに書いてたか思い出せなかった

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ