平凡な日常〜ヤマト〜
日常回という名の始まりの回
ヤマト視点
世界中にダンジョンが現れたから月日が経った。
日本・アメリカ・中国・ドイツ・ロシア等各国の政府はダンジョン対策に専念していた。
だが、対策を施す前は死傷者が続出しており、事態を重く見たことで国際間の問題となっていた。
―――――学園・屋上―――――
(今更なんだけど、遅い気がするんだよな・・・)
ヤマトはスマホの速報を見て心中愚痴るも、呆れていた・・・。
(アサナギが言うにはこの件はギルドマスターって人が政治家全員に釘を刺しに行っているって話だったな?)
キーンコーンカーンコーン
(・・・・あら?もうそんな時間か?)
チャイムが鳴り、教室に戻った・・・・。
―――――放課後・廊下―――――
授業自体は相変わらずだが、やはりダンジョンの件が話題になっていた。
日本どころか世界各国にダンジョンが現れてる、それだけではなく異世界側の人間の登場でもう火消しももみ消し不可能となった。(最もSNSで話題の中心だったから)
結果国際問題として「異世界ダンジョン」は世界的問題として扱われるようになり、各国の政治家たちは「ダンジョン封鎖」を発令して一致団結の協力の体制となった・・・・。
「・・・・・・」
ヤマトはスマホのニュースを見て溜息をあげていた。
「反日だ戦争だなんて言ってられないからな・・・・・・?
こんな最中で続ける人と国があったら褒め称えたいぜ・・・?」
帰る人もいれば残って秘密の特訓をする人もいた・・・。
(・・・真面目にやる人ほど本気になった人は傑物になったり笑い者になるのとで怖いからなぁ・・・・?)
そう言いヤマトはそのまま家に帰ろうとしたその時だった。
「・・・・・??」
途中の道、ヤマトは裏でいじめられてる人を見かけた。
「・・・・・ちっ」
―――――学園・校舎裏―――――
「ひっひっひ!やっぱ異能って良いよなぁ!!」
「いっ・・・・・かはっ・・・・」
校舎裏では一人の男子生徒をいじめている男女グループが魔法やらスキル・アビリティを使って虐めていた・・・。
「おいおい?くたばってんじゃねえよ!」
「ほんっと、根性ないわねぇ?」
女は傷だらけの男に回復魔法をかけた。
「・・・っ!もうやめてくれっ!もうこれ以上は・・・!」
「あ?やめてくれ?女々しいことを言うなよ?
テメェのような軟弱野郎はな、俺みたいなやつとお似合いなんだよ!!」
男は全身に魔力を纏い、殴り倒した!
「いいか?これはな、天恩なんだよ!
俺みたいに優れたやつのために与えたんだよ!
お前みたいに人のためだの人助だなんてのはな、それ相応の実力と信頼を持ってから言うもんだよ!!」
「・・・・っ!」
「だいたい、お前は地道にやってるけどさ?
あれでいい気なってんなよ?
そういうのは俺たちのために献上してくれよ?ああ?」
「そうそう、あんたのスキル「探索眼」と「鑑定眼」?
それって結構役立つものよね?だったらあたし達に使ってよ?
あたし達の誘いを何回も断るからこうなったのよ!」
「・・・このスキルは、妄りに使うわけにはいかないんだ・・・・!
僕は僕のやり方でやるんだ、お前たちみたいに暴力に走る輩とは死んでも組まない!」
「なんだとぉ!!?」
グループリーダーは男に腹部に2〜3発殴り入れた!
「がはっ!?」
「こんだけやっても意地を張りやがってよ!
いい加減に俺たちに降れ!出なきゃテメェの家族に言いつけてやろうか!?」
「っ!?」
「きゃはははっ!いいねそれ!
ちょっと痛めつければ考え改められるいい機会じゃない!
私たちの言うことを聞かなかったらこうなっちゃうってことのアピールにはいいじゃない?みんな・・・」
女が振り向いた先には、ヤマト一人が立っていた。
「よう?何やってんだ、こんなところで?」
「ちょっと・・・あんた何・・・・・・・・」
「あっ?どうし・・・」
リーダーと女は、ヤマトの後ろの倒れていた人たちを見て驚いていた・・・・・。
壁に埋め込まれ、ひび割れた地面の中心に叩きつけられて吹き飛ばされていた取り巻きたちの姿を・・・・。
「あっあんた・・・・何したの・・・!?」
「殴って蹴って倒した」
「・・・あっ?お前ふざけてんのか?
テメェ、この学校のどこの組で誰なんだ?」
「二年のAのヤマトだ?
お前は?」
「あぁ?二年A組・・・?
・・・覚えたぜ?」
グループリーダーは魔力を纏い、殴りかかってきた!
執拗に顔面と身体の急所を一点に連続に殴り続けた!
「っ!」
「はっ!この場を見た以上、生かして帰すと思ったのか!
お前みたいなやつを潰してテッペンとって世界を取るんでなぁ!!」
グループリーダーの連続攻撃を繰り出し、ヤマトは一歩一歩後退りの一方だった・・・。
「どうしたどうしたっ!!殴られっぱなしじゃないか?
おらぁ!トドメだっ!!!」
グループリーダーはヤマトの胸部・・・心臓に強力な一撃を殴りつけた!!!!
その一撃の重さに、吹き飛ばされるも姿勢崩さずに立っていた・・・。
「・・・・へぇ?意外とタフだな?
だが次はないぜ?これだけ殴ればお前はもうおしまいなんだからなっ!!!!」
「・・・・・・・」
「あ?だんまりか?カッコつけるのはここまでだなぁ!!」
グループリーダーの渾身の一撃がヤマトの顔面に与えた!
「あっ・・・・ああ・・・・・」
「はっはっはっは!今のは効いただろ!
それだけ殴られて血塗れの様じゃあ立っていられるのも精々かっ!
俺の勝ちだぁっ!!!」
次の瞬間、グループリーダーがヤマトの顔面を殴った瞬間血の噴水が湧き出た・・・!!
「・・・・・・・」
「ひっひゃっひゃっひゃっ!!
どうだっ!痛いよなあ?痛いよなぁっ!!!」
「た・・・・タケ・・・・!!」
「あ?どうした?ミキ、たかが流血沙汰にビビって」
「違う・・・!」
「・・・・あっ?」
「タケ・・・アンタ・・・・!!!
両腕がぐちゃぐちゃになってるよっ!!?」
「ああ、何言って」
その瞬間、リーダーの両腕は青紫色になって骨が剥き出して手の甲の骨が粉々になって血が流れていた・・・!!!!
「・・・・・えっ?」
「可哀想だな?自分の身体の悲鳴に聞かない結果がこれか?」
「え」
ヤマトはグループリーダーにボディブローをぶちかました。
ぶちかました衝撃が風圧と振動が走り後ろの二人・・・取り巻きの女といじめ被害者に煽られた。
殴られた瞬間と痛みに気づく間も無く意識を無くして倒れたリーダー、その光景に二人は呆然としていた・・・。
「安心しろ、回復魔法を使っているから治ってるからな?」
ヤマトはそう言い、二人のもとへ近づいて歩いた・・・。
「まっ待って!!」
「?」
「私っ!あの悪い不良たちがしつこくて付き合っていただけなんですぅ♡
だぁかぁらぁ♡おねが〜い、みんなには言わないから黙って」
「うるさい」
ヤマトは無常のビンタをかました。
ビンタされた取り巻きの女は空中大回転して倒れた。
「・・・・おい!」
「はっはいっ!!!!!」
「ここで見たことしたことを言うなよ?
お前自身がされたことを話しても良いけど、俺自身のことを話すなよ?」
「はっはいっ!!!!!!」
ヤマトはメンチ切りをして脅迫恐喝地味た口封じに、被害を受けた少年は涙目ながらも答えた・・・。
「・・・それから、ここに倒れてる輩たちは回復魔法をかけているからここでしたことされたことの隠滅はしてあるから、早くここを離れな?」
「はいっ!」
そう言って、少年は早足に現場から逃げるかのように去っていった・・・。
(・・・・・さてと、あとは押えるか?)
―――――アサナギ宅―――――
「・・・そんなことが」
『見過ごすほど廃れてないからな?
っても、能力があるおかげでしたことだからな?』
「・・・でも、君はその人を助けたんだよね?」
『・・・見捨てたら胸糞悪いからな?』
「はは・・・まあ、そう言う場合は後が・・・」
『生徒手帳の中身、もう撮ってあるよ』
「・・・え?」
『報復してきたら倍にするネタにな?
顔も名前もクラス全部押さえてるからな?』
「ぬかりはないってわけね?」
『そういうこった、それじゃあな?』
「うん、それじゃ」
スマホの通信を終え、就寝したのであった・・・。
その後、少年をいじめたグループはあの日以降、心ここに在らずな感じとなっていており。
人が変わったかのように真面目になっていたのは二人の知る由もなかった・・・。