勇者と大魔王の始まりの物語〜後編〜
主人公との出会い後編
とあるダンジョンにて、アサナギは自身のスマホから速報が流れていた。
その内容は・・・。
―――――ニュース速報―――――
日本各地に異形なる存在が日本全国に目撃情報有り
被害件数5〜15件死傷者20人以上か
(ついに現れたか・・・・!)
異世界のダンジョンが現れた日から、ついに日本にも被害が出始めた。
アサナギが最も恐れ、そして懸念していた事態・・・。
それは異世界の魔物が人を襲い、害を成すことだった。
(こうなった以上、流石の日本の政治家たちや警視庁自衛隊も見過ごすわけにはいかなくなったね・・・・!)
アサナギはダンジョンの最悪のボスを倒し、素材を回収してすぐさまにダンジョンを出た・・・!
―――――商店街―――――
ニュースの速報は全国に知れ渡り、不安が広まっていた・・・。
(だろうな・・・・・。
こうなることが起きることは薄々とわかっていた・・・、でも起きた以上何もしないわけにはいかないしな?)
ヤマトはトレーニングがてらに昼飯を食っていた。
ラーメン屋で大盛りとチャーハンと餃子をありつけて食い、ニュースに流れている異世界の魔物とダンジョンのことで話していた・・・。
「ダンジョンって、ゲームとかアニメ漫画とかで言われるアレか?」
「魔物ってどんなんだ?」
他の人たちがその話をしているが、実際実物と本物を見た俺からしたら生命に関わるからね?
(ったく、気楽に楽観的になってるけどさ?
普通に行くとシャレにならないから?)
「ごちそうさん」
「はいよ」
お勘定を置いて店を後にした。
その後、コンビニでスポーツドリンクや麦茶にタブレットを買っていつもの運動公園へと戻った・・・。
―――――運動公園―――――
「・・・・さて、やって見るか?」
ヤマトは魔法を唱えた!
「おぉ!」
火の魔法を唱え、火の玉の生成に成功した。
野球ボールを投げる要領で火の玉を空に向けて投げたら爆発した。
「・・・・まあ火事にならならなきゃ良いか?
さて次!」
水の魔法を唱え、水の玉を生成した。
水の玉は色々な形を作ることができ、雨を降らすみたいに水を散布することができた。
「夏場にはクソ気持ちいいだろうな・・・!
よし次!」
土の魔法を唱え、土の塊の生成や土の壁が現れた。
「なるほど、火の魔法よりかは扱いやすく障壁にもなれる・・・・と」
土の塊を地面に落とし、土の壁を地面に戻した・・・。
風の魔法を唱え、風の球を中心に小さな竜巻を起こした。
竜巻の他に、小さな突風とそよ風を起こした。
「地水火風全て、こんなもんか?
後はこれを極めてから応用術だな?」
今後の課題としての目標が定まり、ヤマトは魔法のトレーニングを開始した。
―――――山林地区―――――
人手の無い地域の山林にて、アサナギは目撃された魔物の討伐を行っていた。
「はぁ・・・・はぁ・・・・。
・・・これでこの辺りの魔物は全部倒したかな?」
「ああ、ちょうど倒したやつが最後だ。
これでこの辺りの山一辺は大丈夫だ」
「そうか・・・」
「しかし、まさかこんな荒山にお前と会うとはな?」
「それはこっちのセリフだよ、ムーティヒ?」
ムーティヒ。
アサナギの仲間の一人
長髪美麗の一匹狼な青年
元いた異世界では「剣聖」の二つ名を持ち、勇者パーティの切り込み隊長であった。
「アサナギ、お前もこの事態に対応していたのか」
「ああ、大魔王を倒したにも関わらず
僕自身が元いた現世、そしてみんなが住んでいた異世。
この二つの世界が一つになって街やダンジョン、それに王都や集落があちこちに現れている・・・。
各国の政府はそれに驚いてどう接するか対応するかでてんやわんや・・・・・・」
アサナギはスマホを取り出してニュースを見ていた・・・。
「だが、それならばにゅーすとやらとなってないのだろう?」
「ああ、速報も無く報道もされていない・・・。
きっと混乱を避けるために報じてないと思う・・・」
「本当のことを言えば、かえって混乱と騒ぎが起きて対応が遅れてしまうということか?」
「だろうね・・・。
でもそれよりムーティヒはどうするんだ,これから?」
「むっ?
それなら心配はいらない、近隣の村で住まうことになってな?」
「えっ!?大丈夫なの!?」
「案ずるな、限界集落で若人はほとんどいない村だ。
良くて3〜5人いて年寄りがほとんどなのとほーむ?とやらに入れられているそうだ」
「あっああ・・・・そうなの?」
「とりあえず、村の人たちに近隣の山林に彷徨う魔物たちを倒したことを伝えにいく。
お前はどうする?」
「とりあえず、ここの素材は回収する。
万が一に他人に拾われてしまったら大変だからね?」
「現世の人間たちに渡れば経済とやらに大きな影響をもたらす・・・・・同時に素材目当てに剣や銃器を持って行こうとする者が現れない様にするため・・・か?」
「まあな?
魔物を意気揚々と倒しに行って返り討ちにあって死傷者続出なんて起きたら大問題になるだろ?」
「確かに・・・その様なことは俺たちがいた世界にも同じ様なことが起きていたからな・・・。
現世の人間たちは本物の魔物を知らないのと実戦経験がない。
いくら平和だからって言っても、こうも平和ボケしているといざという時になったらどうなるかわかっているだろう?」
「そりゃそうだけど・・・・・こればかりはどうしようもないよ?
異世にいた僕は勇者でも、現世じゃあ一介の学生だよ?
政治家の人たちに言ってもそっぽむかれるからね?」
「・・・ままならないものだな。
これまでの魔物討伐が勇者であるお前自身だなんて、誰一人信じる者はいないだろうな?」
「はは・・・・でも好都合なんだけどね?」
「そのことを知れば現世の権力者に目をつけられて利用しようとする・・・・確かに今のお前の立場を考えればその方が好都合だな?」
「うん、それじゃあ僕はこれで」
「ああ、気を付けろよ?」
そう言い、アサナギは瞬間移動魔法を唱えた。
ムーティヒは山林を駆け走って下った。
―――――住宅団地・平家―――――
「はぁ・・・・ある程度のことはできたにはできた・・・・。
明日学園かぁ・・・・」
魔法の基本的な扱い方をある程度できる様になった、あとは応用と技術。
そして、棚に閉まったまんまの魔法剣だ。
(どうする・・・?
こんなん普通に持ってたら銃刀法モノだし、かと言ってこのままにするわけにはいかないし・・・。)
「・・・・・考えても仕方ないか、明日どうするかは明日にならないとね?」
今日は魔法の基本を学んだんだ、今後の課題はゆっくりと取り行って鍛錬あるのみだ!
ヤマトは今後の課題に取り組むために、日々努力するために誓った・・・。
―――――学園―――――
「おはよう!」「おっはー!」
月曜、生徒たちが挨拶を交わす中・・・。
「おは・・・・っ!」
ヤマトは突然、強者の威圧感を感じた。
「・・・・っ!?」
アサナギは澄んで禍々しい気配を感じた。
「・・・・・えっ?」
「・・・・・は?」
・・・・・・・・
「・・・えっと、おはようございます」
「あっ、ああっ!おはようさん・・・!」
なんだ、こいつの気配!?下手な奴らより強い!?(byヤマト)
なんで・・・どうして!?この人が大魔王!?(byアサナギ)
この日、この瞬間を待って
現世に生まれし大魔王と異世の帰還した勇者
両者ともに出会ったのであった・・・・・。
序章の話はここで終わります。
次章お楽しみに。