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チュートリアルって、普通雑魚モンスターと戦うのが常識なのになんでボス級の敵と戦う羽目に!?

戦闘回です

ゲーム風で言うならチュートリアル回

 ―――――謎の領域・出入口前―――――


 黒い竜に出入口を遮られ、一触即発の雰囲気

 そして、ヤマトの理不尽にして不条理な初戦闘となってしまった。


『死ねぇっ!!小僧っ!!!』


 黒い竜は口からドス黒い炎攻撃を繰り出した!!


「うわぁっ!?」


 ヤマトは近くの岩陰に隠れた!!


(なんなんだよアレ!?

 あんなのやられたら即死ものじゃないか!?)


 軽い気持ちで情報収集に来た身でありながら、非常にして最悪な展開になってしまったことでヤマトは内心焦りと絶望が走った!


(ちきしょう・・・!

 俺はただ探検に来ただけなのに!

 見知らぬ女の子二人を助けに来ただけでこの展開!?)


 ふざけんなよ・・・!

 確かにキレて殴ったよ?

 殴り倒したよ!うん!!

 でもさぁ・・・・・!!!


「おいっ!!お前大魔王の何なんだよ!!!

 俺が()()()()()()()()()()()ことに腹立しいのか!?」

『腹立しいだと?どの方が言うか小僧!

 その力は由緒正しき者と素質のある者のみが許される力を、貴様のようなガキがみだりに使うことと継承されたことが腹立しいのだっ!!』

「っ!?何のことだ!?」

『貴様を葬ることこそが、我らが大魔王の手向けよ!

 死して償え!そして贄となれ!!』


 黒い竜から発した言葉に、ヤマトは直感した。

 大魔王の忠誠心と敬愛、そして絶対的信頼があったのだということを・・・。


(ああ・・・もう!あの竜、大魔王の信者か何かか!?

 めんどくせぇ相手とやりあいたくないってのに!!)


 考えても仕方がないか・・・たぶんあの竜が言う大魔王・・・・。

 ひょっとしてあの時()()()()()()()のことか?

 何言ってるのかわからずじまいだったから、あの時なりふり構わず()()()()()()()()()()()()んだろうな?

 このことを打ち明けるか?→打ち明けたとして「その力を〜!」ってなるな?

 ・・・・ああっ!!!考えるだけでも時間の無駄になるしめんどくせぇ!!!!

 やぶれかぶれで戦うしかないのか!?


 しかし、ヤマト自身は戦いの基本も実力等全て皆無であった。

 武器も防具も持たずに、何の対策もなく戦いが始まった!


(とにかくやるしかないっ!!)


 ヤマトは岩陰を出て、黒い竜の前に立った!

 無防備な状況下で戦うことになった!!


『死にに来たか?ならば死ぬが良い!!』


 黒い竜は強力な炎の息吹攻撃をした!!


「うおっ!?」


 ヤマトは付近の岩壁に身を隠した!


(くっそ!あの攻撃はキツい!!!!)


 ヤマトは突進して殴りに掛かった!

 しかし黒い竜は突風の息吹をした!


「ふぎゃあっ!?」

『ぬるいわっ!今の一撃を狙ったのだろうがそうはいかんぞ!!』


 強ぇ・・・!

 やっぱ普通には勝てないのかよ・・・!

 こんな無謀な戦いに挑んだことが・・・間違いだったのか・・・?

 間違いもなにも・・・ここに来たことが間違いだったのかな・・・?


『冥土に送って大魔王様の墓前に首を供えてくれる!』


 黒い竜は鋭い爪を立て、ヤマトに突き刺してきた!!


 ガギィンっ!


 ・・・・・・・?


「やれやれ、危機一髪だったな?」

「・・・えっ?」

『っ!?貴様・・・!?』


 ヤマトの眼前には、巨大な斧を片手に持ち

 大盾で黒い竜の攻撃を防いだ豚顔の大男が立っていた。


「坊主、加勢してやろうか?

 そんな身体一つじゃあ勝ち目ないぞ?」

「だっ誰・・・?」

「話は後だ、この獲物を使え!」


 豚顔の大男は日本刀に似た武器を取り出してヤマトに与えた。


「・・・・これは?」

「魔法剣だ、それと・・・ほらよ」


 豚顔の大男は魔法を唱え、ヤマトの疲れと傷を癒した。


「!?」

「さて、これで戦えるな?」

『何故貴様がここにいる!?』

「さあね?気がついたらのと、こいつがダンジョンに入るのを見たからって言ったら納得できるかい?」

「!?」『何っ!?』


 見たって、まさか入る時に!?


「小僧、あのバカ竜を懲らしめてとっとと出ようぜ?

 あいつ大魔王の忠臣なんだが、ちと血の気が多いからなぁ・・・!」

「っ!あいつを知ってるのか!?」

「まあな、あいつのことも()()()()()()もな?」

『貴様っ・・・!』

「・・・話はあいつを懲らしめたからだな?

 いけるな?・・・名前は?」

「ヤマト。倭凛太郎だ!」

「そうか・・・じゃあいこうか!

 俺はポルコ、「ポルコ・グラビム」。

 昔は重装騎士を務めていた、以上!」


 ヤマトとポルコ対黒い竜の戦いが始まった!


 黒い竜は魔法を唱え、炎の球を二人に目掛けて放った!!


「うお!?」

「落ち着きな!躱すのと防ぐのと二つで対処できる!」

「躱すって、難しすぎんだろ!!」


 ポルコは黒い竜の攻撃を防ぎながらヤマトを指導していた。


「なあポルコさん!

 ぶっつけキツいんですけど!

 てか、勝てるのか!?」

「ああ?でもこいつをどうにかしないとあんたを殺しに追いかけられるよ?」

「っ!」

「さて、ヤマトといったな!

 あんたは能力(スキル)ってやつを知ってるかい?」

「すきる?なんだよそれ!?」

「簡潔に言えば()()()()()()()()()()()()()()でな!

 使える奴と使えない奴がいるが、長くなるから割愛!」

「えっと!?どゆこと!?」

「まあ要は、()()()()()()()使()()()()()()()()()()()んだよ、どうなんだ!?」

「知らねぇよ!!避けるのが精一杯だっ!」


 黒い竜の炎の息吹の球を避け、息も上がりながらも戦っていた。


「はぁっ!?知らねぇって、素人か!?」

「素人で悪かったなぁ!!

 あいつをアッパーKOできたのはまぐれだったからなぁ!」


 ・・・・・なに?

「それにっ!スキルなんてよくわかんねぇよ!!

 使い方も全然だしっ!

 避ける躱わす身を隠すのが精一杯なんだよ!!」


 ・・・・・・ありえねぇ。

 あの竜の息吹(ブレス)と魔法をその身体一つで避けきっていた?

 避けるのに相当な体力と運動・反射神経が有する。

 それを()()()()()()()()()()()()()()だと?

 そんなことできるのはあの勇者とその仲間の一人である「剣聖」だけだぞ!?


「とにかく!あいつに攻撃をかましたいのに頻度が半端ないんだよ!

 近づこうにも近づけられないんだよ!!」


 おいおいおいおい!?

 だったら()()()()()()()は何やっているんだ!?

 ・・・まさかアイツ、ヤマトの能力を気づいて()()()()()()()()()()()()を!?


「さっさとケリを付けたいのに苛立つんだよ!

 攻撃したいのにできないんだよ!!」

「・・・・・だったら、俺に任せな!!!」


 ポルコは大盾に魔力を込めて巨大な魔障壁を繰り出した!


「うお!?そんなこともできんのかよ!?」

「ヤマト!やつの攻撃は弱い部類だ!」

「はあ!!?」

「お前はアイツに一発気絶させたことがあるんだろ!?」

「えっ!?あっああ、確かにアイツをアッパーKOさせたけど、それがどうかしたのか!?」

「アイツは()()()()()んだ!だから威力弱い魔法攻撃を繰り出しているんだ!!」

「へっ!?いやちょっと待て!!これまでの攻撃が全部弱攻撃のものなの!?」

「そういうこった!そしてお前は()()()()()()であるが故に隙無く攻撃をしている!

 つまりお前を殺すのに、今この場で殺す気なんだよ!!!!」

「いや何それ!?それって俺が()()()()()として見られてるってのか!?」

「そういうことだ!」


 ポルコは大斧を力強く握って深呼吸した・・・!


「ヤマト!やつの攻撃は素早いが威力は弱い!

 それに、お前の一振りでやつを倒せる!!」

「無茶言うな!!!」

「大丈夫だ!ヤツとて必ず隙が生じる!

 そこを突け!」

「その隙はどこにあるんだ!!!」


 黒い竜は深く呼吸をし始めた!


「・・・どうやら、一網打尽にするためにデカい技をぶちかます気みたいだぜ?」

「えっ?」

「安心しろよ?俺さまなら防げる!」

「できるのか?」

「できる?ちがうね・・・・・・やるんだよ?」


 黒い竜は強大な炎の息吹をした!!

 息吹は部屋全体を包み込むかのように広く激しく燃え盛った!!


『はぁ・・・はぁ・・・!!

 幾ら「金剛騎士(オリハルコンナイト)」と呼ばれたオーク如きが・・・!

 我のこの豪炎に飲まれれば・・・!』

「・・・・流石だな?呪竜(ファフニール)族の倅?」

『っ!?』

「こんな辺鄙なダンジョンでよくぞここまで鍛え上げた・・・!だが()()な?」

『貴様・・・!

 ・・・?』


 黒い竜は()()()()姿()()()()ことに気づいた。


「安心しろ、()()()()()()って釘刺しておいたからな?」

『・・・っ!?』


 黒い竜は自身の足下を見た。

 そこにはヤマトが大振りかまして首元を叩いた!!


『がはっ!!!』


 黒い竜はその一撃を受け、ダウンした!


「はあ・・・・・はあ・・・・・!!」

「やるじゃねえか、ヤマト?」


 大した人間だぜ?

 あの炎の息吹を放つ前に()()()()()()()()()()()()()()するなんてな・・・!

 とは言え、俺が大盾を構えて「後ろに隠れている」というわずかな思い込みが決め手になったってところだな?


「さてと、俺は後から出るから早く出な?

 後で落ち合おう!」

「はいっ!」


 ヤマトは足早でダンジョンを出た。


「・・・・たくよ、おきろ子竜!」


 ポルコは足蹴りした!


『ぐっ・・・・!

 ポルコ・・・貴様・・・!!!!』

「ったくよう、お前は相変わらずだなぁ?

 そんなんだからお前はこんなところに()()されたんだぞ?

 これで少しは反省しろよ?」

『・・・・っ!』

「しっかしよう、まさかあのガキが・・・ヤマトって野郎が()()()だなんて思わないだろうな?」

『ポルコ・・・貴様はいいのか!?

 大魔王亡き今、現世と異世(ことよ)の世界が混ざり合ったこの世界で何が起きようとしているのか!』

「大魔王様が勇者アサナギに討ち倒され、我こそがと名乗り出た勢力が覇権争い。

 そして人間側の国は()()()()()で揉めている・・・。

 しかし、まさか大魔王様の最後の底力で現世と異世を一つにさせたなんてなぁ・・・。

 一体どうなることやら・・・」

『・・・だが、あの若造が大魔王だと!我は認めん!』

「しかし、奴は()()()()()()()()をしている・・・いや、「された」方だな?」

『だからと言って、奴が大魔王の素質は無かろう!』

「・・・でも、お前だってわかってるだろ?

 ()()()()()()()をな?」

『・・・・!』

「ひょっとしたら、俺たちはとんでもない大魔王さまの電撃デビューを目の当たりにしたかもしれねぇな?」




 ―――――次の日の朝―――――


 昨日の件が応えたか、身体中筋肉痛気味。

 そして、ポルコのおっさんから貰った「魔法剣」・・・。

 ド忘れしていたよ、返すの・・・。

 いや、あの戦いの後だ

 出るのに頭がいっぱいいっぱいだったからな、仕方ない。

 それに、今日は土曜日だ

 土日はうんと休んでうんと勉強してうんと運動しよう。


(何処かでポルコのおっさんと出会えたら剣を返そう・・・)












 後から聞いた話だと、俺が秘密裏に入った領域・・・ダンジョンが発見されて封鎖されたとのこと。

 ダンジョン内を捜査したところ、大規模な戦いをしただろうの痕跡が出入口で堂々とデカデカと残っていたらしい・・・。



次回は土日回

最も長い土日です。

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