異変と野次馬とバカ共
異世界言語の勉強不足が身と心に染みる。
―――――学園・屋上―――――
「・・・・・・これマジもんなのか?」
今朝のニュースで、「不思議な怪獣」と「謎の領域」が話題を殺到していた。
世界中で軍を動かしたり、その調査に当たっているというニュース内容。
対し日本はそんな被害と情報が出ていないのが謎だ、その疑問はネットでも出ているが・・・・・・。
(嫌な予感がするな・・・?)
妙な胸騒ぎと違和感があるけど、考えても机上の空論だ。
・・・とは言えどもこの話は学園だけにはとどまらない、商店街や住宅街から都心田舎までもがこの話が溢れかえっている。
「聞いた?世界中で変なのが・・・」
「これってダンジョンじゃない?」
「異世界キタッーーーー!!」
ネット中・・・・もといこの件は十中八九既に知れ渡っている、ニュースであれやこれやで話すよりこれの方が手っ取り早く知ることができる。
授業は何ら変わりなく、休憩時はよく世界で起きていることが話題の中心だ。
過去のウクライナの件の如くに話題になっている、あれとは比較にならないほどの大事件だ。
軍事侵攻なんてまだマシだと言えるほどだ、何故なら巨大なトカゲにその地域にはない巨大な鉱山や大木等が現れたんだぞ?
戦争なんぞしてる場合かと言わんばかりにそれらを対応している、そうしないとまずい上に被害が計り知れない。
(でも実際のところ、どうやって見つけて行くんだ?
仮にダンジョンが発見したとしてもバカな連中が顧みずに突っ込んで死ぬのがオチだ・・・。)
そういう奴らは大抵、一攫千金による酒池肉林なハーレムを作ろうとするだろうよ・・・?
(まあ、それやって繁栄するわけもないしな?)
事実、日本国内にそういった被害がまだないのは救いなのだが・・・・・。
(一体誰がやっているんだ?)
仮にも日本にダンジョンが出たとしても、被害は必ず出る。
しかしそれらの情報がない、いや逆にその被害がないのか?
(たまに裏サイトでその話が出ているが、日本だけその被害と報せがない・・・)
・・・考えても時間が減るだけだな・・・?
(考えるよりも、直接という手もあるか?)
いや、卒業してからだな?
最近じゃあ、みんな「探索者」なんて言う訳のわからない肩書きになろうとしているそうだ。
・・・それも一つの手としてアリかな?
―――――学園・教室or廊下―――――
進路指導の授業時。
多くの回答のほとんどがやっぱり「探索者・冒険者」だった、この回答に教師陣も呆れ返っていた・・・・・・。
(やっぱりな・・・)
この回答において、宮本も答えていた。
アイツもやる気満々だったとは・・・!?
放課後、ほとんどみんな大説教
宮本も含んでな?
俺は無難に生きたいってのもあるから、「探索者」や「冒険者」なんて二の次だ。
(どっちかって言うと「探索者」よりも「冒険者」の方が格好が良いからな?)
まあ、そんなことを書いたら説教されんのが目に見えてるから書かなかったし・・・最もそんなの答えて書くより行動で示す方が良いじゃないか!
(さて、ダンジョン関連の話を知るなら・・・?)
やっぱり直接調べる方が早いな?
―――――?????―――――
(噂を頼って探ってきたが、アタリかな?)
不良達の話とネットを使って探り当て、そして発見した。
とある公園のど真ん中に、それがあった。
大きな下り階段・・・そしてその奥から吹き出る微風、ヤマトは確信した。
警察や機動隊等の組織は見当たらない、恐らく未発見の領域だろうな?
先の調査を察するに、ここはまだ手の入っていない場所なのだろうな・・・・・?
仮にここを入ってきた奴がいるのなら、すぐネタになる・・・・・だがここのネタはまだ知れ渡っていない。
(入るか、悪ぃな?
お先に失礼ってね!!)
ヤマトは躊躇いなく入り口に入った!
しかし、当人の気付かぬところにその瞬間を見た人影がいた・・・。
―――――謎の領域―――――
初めて入ったものの、周囲を見渡す限り摩訶不思議
城並みの天井高に巨大な石壁、そしてギリシャの遺跡にある柱。
(なんなんだ?よく海外にある世界遺産に似た光景だな・・・?)
一歩一歩進んで周囲を探索し、ヤマトは領域の光景に心を奪われていた。
神秘的且つ摩訶不思議、そして何より不思議な魅力に満ち溢れていた・・・・。
(なるほどねぇ、ここに入って一攫千金天下取りを狙う人たちがこの場所・・・・ってか「ダンジョン」で有名になりたいってか?)
無理ある気がするよ、こんな見ず知らずにして踏み込むなんて命あっての元種さ?
「さてと、めぼしいものは皆無。
せいぜいこのフロアだけでも実戦トレーニングがしたかったんだが・・・?」
周囲を見渡すその時、悲鳴が聞こえた!
「っ!?」
悲鳴が聞こえた,女の声だ。
声の反響、距離からするに・・・!!
(声からするに・・・近いっ!!)
ヤマトは声をした方向に向かって走った!!!!
―――――謎の領域・広間―――――
広間には二人組の女の人がいた。
「درۆ...بۆچی لە شوێنێکی ئاوادایت...!؟ 」
「بۆچی لە زیندانێکی ئاوا دووردا ئەهریمەنێکی چینی باڵا هەیە!؟ 」
一人は軽装備の鎧を着て、西洋剣と盾を装備していた。
一人は軽装の服の上にローブを着飾っており、杖を持っていた。
「شازادە خاتوون! با لێرە ڕابکەین!」
「نەخێر! ئەگەر لێرە ڕابکەم، ئەگەر ئەم کابرایە بچێتە دەرەوە ئەوە تەواو...! ! ! !」
ぎしゃああああっ!
黒色の竜は咆哮をあげた!!
「سڵاو! ?」
「ئاه... ئاهه...! ?」
竜の咆哮に畏怖され、腰を抜かした二人。
戦意喪失・意気消沈なんて本物の戦の前には生ぬるい物だった。
(وەرە ئێرە...! ئایا من دەمرم...!؟)
黒色の竜は二人を襲い掛かるために攻撃を仕掛けた!
声をあげる間もなく死すその時だった!
「......؟」
黒色の竜の前に立つ人物がいた・・・!
「ギリギリ・・・なわけないか?」
「···ئەه؟」「···کێ?」
(うんっ!何言ってるのか全然わからない!!)
ヤマトは見知らぬ二人の少女の元へと駆けつけて来たものの、異世界の人の言語は理解し難いものだった。
(・・・んなこと言ってる場合か!
というかこのでかい黒い竜をどうする!?)
ヤマトは眼前の黒色の竜と対峙するも、戦闘手段及び実力皆無。
敗北死当然の場面に立っていた。
(どうするどうするどうするどうするどうするどうする!!?
これ死んだよ!死んだ!死にました!!)
かっこよく出て負けイベじゃないか!?
逃げてぇよ!逃げたいよ!逃げてもいいですか!?
(やだやだやだやだやだやだやだやだやだやだ!!!!!!!!)
逃げたいって!!!!こんな場面さぁ!?
「تۆ کێی? ?」
「بیر لە چی دەكەیتەوە ? بەرامبەرەکەت ئەژدیهای ڕەشە! ?
تۆ دەمری! ?」
「じゃっかましい!!
こういう場面は普通は逃げるもんだろうが!!!!
あとなに言ってんのかわかんねぇよ!!日本語で喋れ!!」
ヤマトは半泣きながら怒鳴り声をあげて言う。
二人の少女は慌てふためくが、そのとき魔法使いであろうの少女が何か閃き、ヤマトに魔法を掛けた!
「っ!?何をした!?」
「よし!ねえあなた!
私たちの言葉わかる!?」
「言葉って・・・えっ!?」
「やったぁ!異世界人の言葉が通じるようになれたわ!」
「一時的な魔法だけど、今はこの状況をどうにかしないと!」
「こんな状況でどうしろってんだよ!?」
眼前の黒い竜を前に立ち往生する三人。
黒いそんな慌てふためく三人の姿を注視していた・・・。
(どうするんだよ!?こんなの詰みじゃないか!?)
完全に死亡案件の展開に、ヤマトは絶望していた。
仮に逃げ出すとしても、この二人を差し出して逃げるという手段もあるけど・・・。
そんな後味悪いのと恨み辛み嫉み100%な選択肢はしたくない!
かと言っても自分自身が犠牲になるなんてしたら二人は助かる反面トラウマ確定じゃないか!!
(いっそのこと潔く三人ともに死ぬ+両手に花なのか!?)
「姫さま!逃げましょう!
ここで姫が死しては勇者様と姉上に顔を合わせられません!どうか!」
「彼を置いて逃げろと!?
そのようなことを私がせよと!?」
(あのさぁ!この場面「俺囮!」と言ったら二人ともむっちゃ拒否りそうなんだけど!?)
三人が慌てているところに、黒い竜はヤマトに集中して睨んだ!
「ひぃっ!?」
(腰抜きそう・・・・!!)
黒い竜の鼻息吹が荒げ始めた!
そして牙を剥き出して形相を変えた・・・!!
『貴様・・・!!何故大魔王の力を宿している・・・!!』
「・・・えっ?」
「えっ?」「ほえ?」
その時、黒い竜から人の言葉と声がした・・・!
『答えろ、人の子よ。
何故貴様が大魔王様の力を持っている!?』
「大魔王・・・!?」
「大魔王ですって!?」
二人の少女はヤマトに注視した!!
「おっ俺?」
一旦次回は「翻訳」一時的になります。
今後は自分でもできるようになるのを・・・・どうなんだろうか?




