渓谷の戦い〜ヒミコ・ポルコ〜
渓谷の戦い。
――――ダンジョン最奥層・渓谷――――
周囲の人たちの気配はない・・・、どうやら今ので全員ね?
「さて、アイツに勝てる未来は見えたか?サイキッカー?」
「つまらない男ね?そんなの苦労いらずよ。
・・・未来は己の手で描く、不必要よ?」
「そうかよ、じゃあコイツをやる。
あとで目を通しとけよ?」
ポルコは魔法らしき何かを唱え、ヒミコのスマホに自身のステータス表を送った。
ヒミコはポルコのステータス表を見た。
【名前】ポルコ
【種族】オーク
【年齢】人間年齢:56 実年齢:390
【戦闘スタイル】重装騎士
【レベル】80
【称号】元騎士団長
【HP:6800】
【MP:480】
【POW:200】【WISD:170】【PHY:90】
【MAG:80】【SPED:130】【LUCK:50】
「スキル」
【パリィマスター】
武器・盾の防御を100%成功する。
【カウンター】
相手攻撃の隙をつくことができる。
【闘将】
前線時、各ステータス1.2%UP。
(なるほどね・・・伊達の強さってわけじゃないのね?)
ヒミコ・ポルコは宙に舞う大怪鳥との戦い始めた!!!
「あの化け物鳥・・・まさか「ガルーダ」か!?」
「‘ガルーダ’?」
「ガルーダと言う種の鳥だ、最も繁栄して‘王鳥’の一種だ。
そして意外にも強い」
「なるほどね?」
ヒミコは大量の石を念力で持ち上げ、ガルーダに目掛けて放った!!
しかし、ガルーダは羽ばたきをして石を吹き飛ばした!!
「そう簡単に落ちないみてえだな?
そんじょそこらの石ころじゃあ駄目の様だな!」
「そう・・・ならこれならどう!!」
ヒミコは念力で岩石を浮かばせ、秒速150kmの速さで放った!!
しかし、ガルーダは己の足爪でキャッチした!!
「っ!?」
「・・・マジか!?」
ガルーダは岩石を自身の羽で打ち返した!
ポルコは打ち返した岩石を叩き切った!!
「あの野郎・・・!いくらなんでもそこまでの頭じゃねえだろ!?」
(あの手の技、漫画でもない限り不可能よ!?)
ガルーダは羽ばたいて突風を起こしたっ!!!
「ぐおっ!?」
「っ!!」
突風攻撃で二人は煽られる。
(ちょっと・・・いくら強くても空飛んでる敵に勝ち目なんてないのよ!!?)
岩陰に隠れていた「アカリ」は呆然としていた・・・。
(ヒミコ・・・いくらサイキッカーのあんたでも、今のを見て勝ち目なんて・・・!!)
素人・熟練者でも見ればわかる光景だった。
ガルーダの猛攻と爆撃機の如くの機動力
それらは一番に訪れたアカリたちが理解していた。
ガルーダの羽ばたきと突進、爪攻撃に咆哮によって全滅し、自身は運良く生き残った。
(無理よ・・・どんなに超能力を使えても、あのデカ鳥相手に勝ち目なんてっ!?)
アカリ自身、そして初見や熟練者の人たちが見てもそう思っていた。
「・・・OK、勝ち筋見えた」
「ほお?それはなんだ?」
ヒミコは全身にエネルギーとオーラが全身に表れ出た!!
「・・・・いいの発見」
ヒミコは超能力の「透視」して、その視線の先は先が鋭く尖った岩柱があった。
「どうする気だ?」
「どうする?答えわかってる癖に?」
「・・・やり方は任せるよ」
「そう・・・じゃあ、ある程度の時間稼ぎはしておくよ?
それまでにはしくじったりくたばったりするなよ?」
「それはお互い様でしょ?」
ガルーダの羽ばたき攻撃!
真空波の切り刻みの風が襲いかかる!
「っと!!」
「っ!」
ポルコは付近の岩陰に避難した!
(やれやれ・・・こいつは手強いな・・・?)
「おい嬢ちゃん、お前の勝ち筋・・・。
・・・・・?」
周囲を見渡すとヒミコの人影がなくなっていた。
「・・・瞬間移動か。
何処に・・・?」
辺り見渡して探すも人影がなかった・・・。
(・・・え?何処に!?)
アカリもポルコ同様にヒミコを探していた。
「あの女・・・俺を囮に・・・?!
・・・なら逃げるならさっきの能力で・・・。
・・・待てよ?」
仮に逃げるなら何も言わずにスタコラさだ、あの手の能力ならそれは容易だ。
瞬間移動で逃げれば良い、それなら騙されても利用されたりでオチがつく。
だがあの女の目つきは違う・・・、なんなんだ?
まるで『なにかの作戦の為に離れた『って思ってるでしょ?』
「っ!?」
『お願い、引きつけて。
それだけで良い』
「・・・・・ちっ!」
なるほど、あの女は「サイキッカー」だ。
他人様の心を覗く盗み聞く「精神感応」が出来て当然か!!
(ならおおかたアイツの逃げる基準は戦意喪失と指導者が暗愚の場合あたりで判断しているってわけだなっ!!)
岩陰から出て、自身の武器である大斧を構えた!!
「嬢っ!奴を倒すためにどうしたらいい!?」
『引き付けさせて!
力を溜めるのと狙いを定めるのに陽動をっ!!』
「おうっ!!
それなら・・・!!」
ポルコは地面を大斧で叩き割り、ゴルフ感覚で隆起した岩石をガルーダに向けて打ち飛ばした!!
打ち飛ばした岩石はガルーダにはギリギリ当たらなかった!
「ちっ!やっぱ当たるもんじゃねえか!!!」
ガルーダはポルコを狙いを定めて襲いかかった!!
「おっと危ねぇ!!!」
ポルコは避けた!!
「どうした?突進だけしか脳がないのか!?」
ポルコは挑発をした。
しかしガルーダはそっぽむいた。
(・・・だろうな?こんなの釣られるようなてきじゃないからな?)
ポルコは大斧に闘気を溜めた!
「いっぺん落ちろっ!!」
ポルコは闘気を纏った大斧の斬撃を振り放ったっ!!
斬撃はガルーダに目掛けるも、寸での瞬間に躱すも擦り傷を受けた!
ガルーダは咆哮をあげた!!!
「っ!!てめぇは狼でも獅子でもねぇのに、随分な声を出すなぁ!!」
ポルコは闘気を高めたっ!!
(決着をつけてやろうか!)
「これでくたばれっ!!」
ポルコは2度闘気の斬撃を放った!!
斬撃はガルーダを二度掠めた!!
掠めて外れた斬撃は後ろの岩山に当たり、土埃の柱が立った!!
「どうだっ!これで・・・ん?」
ポルコは当たった岩山の土埃の影からヒミコがいたのを気づく。
そして、その時のヒミコは笑っていた。
ガルーダはポルコを目掛けて猛突進の攻撃を仕掛けた!・・・・・ところが。
ダァンっ!!
すると何処からか、岩の瓦礫がガルーダに直撃した!
直撃したことで体勢が崩れた。
(・・・決着が付いたな?)
崩れた体勢を立て直し、辺りを見渡し始めた・・・。
しかし、大量の岩石が襲い掛かり
ガルーダは二度立て直すも息が荒れ始めていた・・・・・・。
「さて、これでとどめね!」
ヒミコは巨大な岩石をガルーダの頭に直撃させた!!
直撃したことで意識を失い、墜落したのであった。
ズブリぅっ!!!
すると、渓谷の底から鋭く鈍く刺された音が響いた。
「・・・・・凄まじいな、この最期は・・・!」
ポルコは底の方を見ると、そこには尖った岩柱に急所をぶち貫かれたガルーダの死体があった・・・。
(嘘・・・これ・・・!)
「・・・ヴっ!?」
ガルーダの死体を見たアカリはあまりの惨さと衝撃的な光景に嘔吐した・・・!
「・・・おい?」
「ピっ!?」
「終わったぞ、もう出ていいぞ」
岩陰に避難していた少女「アカリ」は、抜け気味の腰ながらも立ち上がった。
「勝ったの・・・?」
「あの骸が答えだ」
「・・・・・・・」
「助かったわ、ポルコさん」
「・・・ねえ?あんた何をしたの?」
「ポルコさんを囮に超能力を溜めていたの、あとは不意打ちで岩の弾をぶつけた。
運良く落ちた先がそこだったの」
「・・・・え?」
「まあ、そう反応するよな?
・・・勝てたからよしとするか、あとはこの辺りに・・・。
・・・あった」
ポルコは近隣を回り、そして「結界石」を見つけた。
「嬢ちゃん、この戦いの立役者はあんただ。
こいつはあんたのものだ」
「そう、ありがと」
ヒミコはポルコから結界石を受け取った。
「これが結界石ね?」
「そうだ、他の所にも二つある。
まあ仲間がいるからいいとしよう」
「そうね・・・それなら・・・・・・」
ミシミシっ・・・。
「はぁっ!!」
パァンっ!
ヒミコは念力を使って結界石を砕いた!
「これで、ここの攻略は完了ね?」
「ああ、これで全部壊せば中央の古城に行けれるようになる。
最も、残る二つも壊さないとな?」
「そうね?でも残る二つは今はもう仲間たちが壊してるところね?」
ヒミコの言葉通り、荒野と運河の結界石は二人の仲間が壊したのであった・・・・・・。
――――?????――――
中央の古城が見える高い丘の上にて・・・。
「あっ・・・!」
「どうした?アサナギ?」
「ヒミコさん達の所、結界石を全部壊した・・・!!」
「・・・へ?」
「正確には先んじてた人と魔族と一緒に攻略をしたみたい」
「へえ・・・!でもこれで手間が省けたから良いじゃないか?」
「まあ・・・そうなるね?
でも急がないと・・・!」
「ああ・・・。
・・・念に確認するけどよ?
修行をある程度済んで来てすぐに探知魔法を使った、その過程であの古城にアサナギの婚約者がいるんだろ?」
「ああ・・・!来てすぐに様子見をしている最中にあの城の中に「彼女」がいたのを確認した、それも何度もね?」
「攻略対象の三エリアを見ていたら生徒会方が先んじて?そしてどういうわけか魔族と行動?
情報量が多すぎるって、あと何回驚けばいいんだ!!?」
「僕だって驚いているよ!!
早く急がないと!」
「わかったよ、それじゃあ成果を見せますか。
慌てるなよ、勇者先輩!!」
「君に言われたくないよ!新大魔王君!!」
最下層に到着したヤマトとアサナギは一直線に古城へと向かって行った・・・!!
超能力者は戦闘センスの描き方と表現は自身の力量が問われる、責任重大。
次回
古城回




