運河の戦い〜トモエ・オズ〜
トモエ(薙刀戦士)
オズ(手斧戦士)
ユウキ(魔法使い)
――――ダンジョン最奥層・運河――――
「姉ちゃん・・・なんで!?」
「話はあと!!アイツはあたしたちがやる!!!」
「へっ!かっこいい姐さんだな?
イキってるだけの弟さんとは大違いだな?」
「無駄口する暇があるなら敵を倒す!」
「あいよっ!」
トモエは薙刀を構え、オズは手斧を構えた!
「おい坊主!」
「はっはい!?」
「今俺のステータス、おまえの「iPad」?って奴に送った!目を通しとけよ!!」
「ええっ!?」
ユウキは慌ててiPadを出し、ステータス欄を開いた。
そして、そこに「オズ」の名前があった。
【名前】オズ
【種族】ゴブリン
【年齢】18 人間年齢.49
【戦闘スタイル】傭兵
【レベル】38
【称号】斥候隊長
【HP:1200】
【MP:400】
【POW:200】【WISD:500】【PHY:470】
【MAG:80】【SPED:800】【LUCK:200】
「スキル」
【奇襲】:相手の死角の攻撃が突きやすくなる。
【連携】:仲間・同盟者の攻撃のタイミングが合わせやすくなる。
【隠密】:索敵・潜入等において見つけられなくなる。
(なっ何これ!?この人速いのと強い!?)
「おっしゃあ!まずは一番手!!」
オズは手斧を投げた!
大蛇のオロチには擦りはしたが、一筋の傷口から血が流れ出た・・・。
「ちっ!擦られただけか!」
オロチは臨戦体勢を構えて運河の奥に陣を取った。
「っ!」
「やろう、俺らの強さに気づいて距離を作ったな!」
「運河はアイツの領域か!
陸地に誘き出すことは!?」
「難しいな!アイツを誘き出すほどの技や魔法等があったらできていたかもしれないが、生憎手持ちなしだ!!」
「あらそうなのね!」
トモエとオズは戦列を整え、オロチとの戦いを開始した!
オズはオロチの牙をかわして攻撃を入れ、距離を取ってのヒット&ウェイを繰り返しつつ戦い。
トモエは薙刀を用いての居合の高等技を繰り出してオロチと対抗していた。
(スゲェ・・・!!?姉ちゃん、あのゴブリンと息がすげぇ合っている!?)
その戦いの光景に、ユウキたちは息を呑んでいた。
百戦錬磨・一騎当千の名に相応しい戦いに呆然と傍観していた・・・。
「へえ!あんた上手い戦い方をするじゃないか!」
「嫌というほど扱かれてるからね!
それにっ!コイツの弱点はあるのか!?
こういうのは一つ二つあるんでしょ!?」
「あるぜっ!最も当てづらい場所だけどなっ!!」
オズが指を指した先は泉の方だった!
「はあっ!?もしかしてあの中っ!?」
「まあなっ!アイツを引き摺り出さなきゃあ倒せないんでなっ!!!」
襲いかかるオロチの攻撃に一進一退を繰り返し、長期戦の泥試合の展開を察したトモエ。
それはオズ自身も理解していた、この手の敵は意外にも頭脳のキレと回転があることを・・・!
(どうする?幾ら小娘の戦闘センスがあっても、弱点の逆鱗は泉の中だ・・・。
爆弾でもなんでもあれば、引っ張り出せて一撃必殺を決められるってのによ!!)
そんなやりとりを弟は一部始終を聞いていた・・・。
(引きずり出す・・・?
何かないか!?)
ユウキは自身のスマホにてメニュー画面を開き、ステータス画面を開いた。
(どれだ・・・!?
もし僕の考えたことが出来る魔法があったら・・・!)
ステータス画面を開き、一つ一つの魔法とスキルを見回した。
「・・・・!」
あった・・・これだっ!!
これに賭けるしかないっ!
ユウキは魔力を高め始めた!
(後は思いっきりぶちかませば!!)
「ユウキ!?何やってんだ!?」
「静かにしてっ!ぶっ飛ばす魔法の準備だよっ!!」
(姉ちゃん!おっちゃん!勝ちの一手を打ってやるよっ!!)
オロチは毒液と牙の噛みつき等の攻撃を繰り返していた。
「ったくよ!逆鱗に触れさせないために引きこもりやがってっ!!」
「それほど当てたくないんでしょうねっ!!
デリケートな部位なんだから?!」
戦線の長期化によって、二人の呼吸が乱れ始めていた。
(やれやれ、こうなりゃ撤退か?
無理に戦えばかえって危険だな?)
オズは撤退を考えていた・・・。
(これじゃあジリ貧の泥沼戦、みんなを連れて逃げるしか・・・!)
トモエも同様、撤退を頭の中に過った・・・。
・・・その時だった。
「トルネードアッパーっ!!」
すると泉の中から竜巻が現れ、オロチは竜巻に吹き飛ばされて泉から引き摺り出された!!
「「っ!?」」
「姉ちゃんっ!おっちゃんっ!!
今のうちに必殺技を!!」
突然の展開と出来事に呆気を取られるも意識を持ち直し、二人は必殺技の一撃を振るった!
「おんどりゃあっ!!」
オズは逆鱗を目掛けて手斧を振るった!
「‘偃月一閃’!!」
トモエは自身の武器を闘気を纏わせて逆鱗を叩き切ったっ!!
二人の一撃必殺によって逆鱗ごと胴体を斬られ、オロチは倒れて霞のように消えた・・・。
「・・・大したことなかったわね?」
「この蛇は自分の身を守るために敢えて潜んでいるんだ、俺らの間じゃあ‘泉蛇’って呼ばれてな?
蛇の中で最弱種の代表格の一体の一匹さ、無茶苦茶弱いことで有名さ?
・・・対策と知識がないとこうなるのさ、わかったか?」
「わかった・・・でもその話はここを出てからね?
・・・ユウキ、話良いかしら?」
「ヴっ・・・!」
トモエはユウキの元へ詰め寄った・・・。
「ねっ姉ちゃん・・・」
「ユウキ・・・あんた・・・」
「待ってくれ!俺は・・・!」
パァンっ!とビンタ音が近辺の森林に響き渡った。
「こんのバカ垂れのイキリ坊主っ!!
テメェの力量をわきまえんでこんなバカなことをしでかしてっ!!」
トモエの怒号に近くの木陰に隠れていた仲間たちは驚いていた・・・。
「ああ・・・あれって?」
「ああ、あれ‘鬼のトモエ’。
今世の御前って呼ばれているガチもんの武闘派だ!」
「自衛隊と海外の軍隊の兵たちを病院送りにしたっていう怪物じゃねぇか!?」
「あれの姉貴って・・・!?
ユウキ・・・その・・・なんていうか・・・」
「あれにケンカした人、南無阿弥陀のあの世行きだな?」
木陰で延々と説教されるユウキを見た仲間たちは同情と憐れみによる傍観をしていた・・・。
「やれやれ・・・まあ、結界石を壊わしておいたから、もうここには用はない・・・あとはカシラだけか?」
オズはその場を去った・・・。
マイペースに更新かつアイデア充電しています。
戦闘描写が杜撰ですみません。




