ダンジョン攻略〜開始〜
ダンジョン編
起承転結の「起」の回
―――――ダンジョン・出入口―――――
ダンジョンに入ったヤマトとアサナギ、
出入口には露店や屋台がたくさん並んでいた・・・。
「・・・なんだこれ?」
「いや、僕に聞かれても・・・」
前後左右、階段付近や外にも屋台や露店がたくさん立ち並んでいた。
昔ながらの‘闇市’という感じでラーメンやおでん、焼き鳥とか蕎麦に寿司等があった・・・。
言っても美味しくも不味くもない大衆向けのものだけどね?
「どうする?晩飯がてらに食うか?」
「いや、食うったって・・・財布あるの?」
「・・・・・・」
「・・・・・えっ?」
「・・・1000円札×4
500円×15・100円×20
50円×10・10円×20
1円×50。
屋台2〜3件、ギリ行けれるぞ?」
「持ってるんかいっ!!
・・・ついでに僕は15286円」
「「・・・・・・」」
「飯のついでに情報収集をするか?」
「・・・そうだね、でも食べすぎないように多すぎないようにしようね?」
「OK、じゃあラーメンにするか!」
「開始早々重いのはダメっ!!」
「冗談、普通に軽いものだな?」
ヤマトとアサナギは蕎麦と寿司を買って晩飯をありつけた。
「・・・でよ、何かわかった?」
「うん、店と客の話によるとなんでも動画配信から知った人が多いみたいなんだ」
「動画?「YouTube」とか「X」という名のTwitter経由か?」
「正確には「SNS」。そこからなのと裏からのネット経由と口コミからが多いらしいんだ」
「へぇ・・・って、ちょっと待て!
その話がそうならなんでマスメディアは報じてないんだ!?」
「それについてわかった話があるんだ、これ重要なんだ」
「・・・??」
「報じてない理由は“混乱を防ぐのと不安を煽らせない”。
というのは表向きなんだ」
「表向き?」
「・・・じつは、この中に暴力団や公安もいるんだ。
これがどういう意味かわかるよね?」
「・・・・・はっ?」
「・・・ダンジョン内のアイテムを狙っているってことがわかったんだ」
「は?利権とか利益じゃないの?」
「話は最後まで聞く!」
暴力団・公安だけじゃない、大手企業やサークルに半グレたちもいる。
記事者や配信者、それにホームレスや社会的弱者は一発逆転を狙っている人がいるということがわかった。
ダンジョン内のモンスターを倒せば金銭物が出る、それだけじゃない。
アイテムも売りに出せば高価格にもなれるし傷薬や滋養強壮にもなれる、オマケに戦って強くなれての一石二鳥だ。
「なるほどね・・・でもマスメディアの意味成して無くないか?
矛盾してない?」
「言いたいことはわかるけど、こればっかりは政治家達の後手だからね?
普通にファンタジーもののダンジョンとかモンスターだよ?
特撮ものでもこんなことにはならないからね?」
「ならないからって・・・というか実際のところさ?
あんた‘異世界帰り’なんだろ?どんな感じの冒険をしていたんだ?
ゲームで言うなら「DQ」とか「FF」、あるいは「テイルズ系」とかそこらへんか?」
「う〜ん・・・ゲーム系統で例えても、実際というか現実味だと・・・」
「リアルだと・・・?」
「むしろ、「KH」系列」
「OK、それだとどういう冒険がイメージできる。
要は空飛んだり剣と魔法が当たり前で超人バトル・・・「青少年漫画系バトル」なんだろ?」
「うん、口では説明できないレベルの領域だからね?
簡潔に例えるなら「闘気」や「魔法剣」と「連携」に「反撃技」を使いこなせないと死ぬ世界だからね・・・」
「あいよ、その雰囲気だと苦労しているって感じだな?」
「うん・・・・」
まずい・・・この話を続けるとアサナギの顔が死に始めてる・・・!!
相当な苦労と過酷なドラマがあるんだろうと察した!
「ふふふ・・・今思うと僕、よく生きて帰ってこれたなって感じだよ・・・!」
「わかった、アサナギ!
じゃあさ、仲間とかいたのか?心を分かち合うような・・・そんな人たちがいたとかは!?」
「・・・いるよ?普通にいるよ?」
「・・・おおっ!どんな人だったんだ?」
アサナギは異世界での冒険を共にした仲間達のことを話した。
聖騎士「ペルセウス」
剣聖「ムーティヒ」
姫巫女「ソフィア」
三人は大魔王打倒の仲間で、共に冒険をしてきた仲間だ。
アサナギは異世界で召喚されて「勇者」として現れたことや、旅路の様々なドラマやソフィアとの恋したことを全てを話した・・・。
そして、大魔王を倒して平和になったって流れは王道だ。
その旅路の最中でソフィアっていう姫巫女様という名のヒロインと婚約をしたことも話した・・・。
「・・・つまり、卒業してその後ソフィアと結婚するって話だったってわけね?
・・・だが、それどころじゃあなくなった」
「現実の世界とソフィア達が住んでいた世界・・・もとい異世界が融合してしまった・・・」
「難儀な話だな、それでおまえは異世界の仲間と会えたんだろ?
となると、残る仲間は姫巫女ソフィアだな?」
「うん、ペルセウスは後継者問題に巻き込まれながらも調査している。
ムーティヒは各地のモンスターを討伐を出向きながら生活している」
「なるほどね?」
「あと残るのはソフィアなんだけど・・・。
大丈夫かな・・・・・(大汗)」
「・・・どうした?」
「ちょっと、クセと個性が玉に瑕なんだよなあ・・・!!」
「・・・?」
「・・・この場で話すより、実際会ってみれば一目瞭然。
さあ、お腹も膨れたから攻略活動を始めよう!」
「あいよっ!」
アサナギとヤマトは装備を整え、ダンジョンの奥へと向かった・・・・・。
―――――ダンジョン・バザー―――――
「・・・・なるほど、あの二人が噂の勇者と大魔王か?」
屋台の大盛りラーメンを平らげたオーガの男は、後ろ姿のヤマトとアサナギを見つめていた・・・。
「ったく、先代の大魔王が死んでから新しい大魔王を神輿に立てようとか独立運動が起きてからで揉めてるのによう・・・・。
なんだって、そんな古臭いことをにこだわるんだが・・・?
もうこれからは一人一人城を持ってもいいのによう・・・!」
「とか言いながら、ラーメン大盛り食ってるやつが何言ってんだ?親父、おかわり固め」
「あいよ・・・」
「おやっさん?あんたがそれを言うか?」
「美味いもんを食ってるだけだ、ったく美味そうに食いやがってよう・・・?」
「へっ、さすが元魔王軍の親衛騎士団団長様だな?」
ラーメン屋台にオークとオーガの大男がいた、豪快に食べるその姿に店主は惚れるわ野次馬も魅入られていた。
「っし、ご馳走さん親父。
お勘定はこれでいいか?」
「ああ、いいぜ?
・・・お客さん、異世界の人かい?」
「あ?見りゃあわかるだろ?こんな大男二人が普通の人間に見えるか?」
「悪いな、豚の顔だろうと鬼の顔だろうと「人間」に変わりないからな?」
「ふうん、こんな俺たちが人間かぁ・・・?
面白え親父だな?」
「お〜い、ポルコの旦那にアンテロの兄貴!」
どこからともなく声がした、二人が声のした方向に向いてそこには小柄な餓鬼・・・ゴブリンがいた。
「いやあ、こうして俺ら三人が揃うなんて久しぶりだなぁ!」
「バカっ!声がデケぇんだよ!」
オーガ・・・アンテロはゴブリンに拳骨をかました。
「痛えっ!!!殴ることないだろ、兄貴!」
「悪目立つから声を控えろっ!」
「・・・・ったく、うるさいのが増えやがって。
で?あんたら二人は何しにきたんだ?」
「何しにって、そりゃあ元団長のポルコさんが一番に知ってる話ですよ!」
「よせ、特に元団長なんて呼ぶな!
今の俺は・・・」
「しがない傭兵稼業のオーク・・・だろ?」
「・・・・・・」
「傭兵のポルコでも、俺らの団長だってことは変わらない・・・。
おやっさん・・・いや、ポルコさん」
「・・・・・・」
「・・・大方、幹部共が言い詰められたんだよな?」
「・・・・・・」
「旦那・・・」
「・・・大魔王がやられたからって、死ぬわけじゃあない。
俺らのような化け物は化け物の暮らしってもんがある、傭兵なり辺境で暮らす等でもできる。
俺みたいなやつはどこへ行っても除け者だ、傭兵暮らしや辺境で暮らす方が平和的だ。
最も、こんな世情じゃあな?」
「ポルコさん・・・」
「・・・・なあ、しんみりしてる空気を変えるとくダネを持ってきたんだ、聞くか?」
「・・・?」
「あ?しょうもなかったら殴るぞ?」
「さっき殴ったじゃないか!
聞いてくれ・・・実は・・・」
ゴブリンはポルコとアンテロに耳打ちをして話した・・・。
「・・・何っ!?」
「おい、その話嘘じゃないだろうな!?」
「嘘じゃねえよ!俺だって半信半疑だったんだ!
でも、この先のエリアで確信したんすよ!」
「・・・だとしたら、行くしかねぇな!
アンテロ!オズ!
支度しろ!!」
「へいっ!」「ガッテンでい!!」
ポルコ・アンテロ・オズの三人は装備を整え、ダンジョンに入った!
次回
ダンジョン探索回




