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「人はそう簡単に変わったりしない。君が騙されていないようでよかったよ。」
「当たり前だ。」
カルカスは穏やかな笑みを浮かべているが、俺が騙されるなど思ってもいないはずだ。
有能な幼馴染みだが、考えの読めないところが昔から食えない男だった。
「…昔から、ずいぶんゼタ侯爵令嬢を気にしているなカルカス。何かあったのか?」
ゼタ侯爵家はカルカスの実家であるバーデン伯爵家の政敵ではない。
だからゼタ公爵家とバーデン伯爵家の間の関係は良好なはずだ。
あと考えられるのは、カルカス自身とアリアドネが個人的に何かがあったのか。
「別に彼女とは何もないさ。個人的に話した事なんてほとんど無いしね。ただ、彼女は有能かもしれないけど予言にあるように春の乙女として君の癒しにはならない気がして…ふさわしくないと思うだけだよ。」
カルカスが困ったように笑いながら肩をすくめる。
「俺の考え方は良く知ってるだろう。婚約者は有能で使える人材であればそれでいいんだ。
それに、俺自身は春の乙女なんてものに興味はないしな。」




