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舞韻と受難

 2度目の海にやって来た。


 今回は、勝手も分かっているので、今日は泳いでみたり、唯花さんと朋美さんの泳ぎ対決を見たり、と海を満喫することが出来た。


 美羽と海にも入ったが、美羽の方が、私より泳ぎが達者で、スイスイと泳ぐために、段々と遅れを取ってしまった。

 すると、美羽がペースを落として並んできて


 「ゴメンゴメン、燈梨、ペースも考えずにちょっと急いじゃったね」


 と、言って、私の手を取って泳ぎ始め、唯花さんたちの待つ場所までたどり着いた。

 ミサキさんと桃華さんを待つ間、ボールを持った朋美さんが


 「燈梨ちゃん、パス」


 と、ボールを投げて、私がトスし、美羽が受けると、唯花さんに投げて……と、ラリーを続けているところに、2人が到着したので、しばらくボール遊びを続けた。

 すると、浜辺にいた舞韻さんが、こちらに泳いできて


 「そろそろ、お昼にする系よ」


 と、言ったが、私はついついイタズラしてみたくなり、舞韻さんの背後から抱きついて、一気に羽交い絞めにしてみた。


 「コラっ、燈梨っ、やめなさ~い」


 と、言う舞韻さんの胸を後ろから両手で揉んでみると


 「きゃははは……燈梨、このっ!やめなさいってば、ちょっと、やめないと……」


 と、暴れながらも、本気で抵抗してこないため


 「最初に会った日に、散々怖い目に遭わされたお返しよ~」


 と、言って、今度は脇をくすぐってみた。


 「きゃはははは……コラっ! 燈梨ぃ、これが海に来てやる事系? やめなさーい」


 今度は、潜って足を掴むと、足の裏をくすぐってみた。


 「あははははは……燈梨ぃ!このぉ~」


 と、舞韻さんが潜ってきて、私を捕まえようとしたため、巧みに水中を逃げ回ると、舞韻さんの背後に回って、羽交い絞めにしてお腹をくすぐった。


 「あはははは……燈梨ぃ、やめないと、午後はビーチパラソルに縛り付ける系よ! 」

 「あっ、舞韻さん、もう縛ったりしないって約束したじゃん! 約束破る気? 」

 「あの時、『暴れたりしなければ』って言ったでしょ! 」


 と、言うと、あっという間に私の腕から抜け、次の瞬間、私は舞韻さんに羽交い絞めにされて浜へと連行された。

 そこに、ミサキさんが


 「燈梨ちゃん、可哀想~。ただ、スキンシップがしたかっただけなのに、舞韻さん、酷いよ~」


 と、言うと、唯花さんが


 「そうだよ。せっかく遊びに来てるんだから、燈梨の遊びに乗ってあげてもいいじゃん」


 と、続けて、朋美さんが


 「それに、こんな人の見てるところで、燈梨ちゃん縛られたりしたら、大騒ぎになっちゃうよ」


 と、言うと、桃華さんと美羽も加わって、舞韻さんを非難した。

 舞韻さんに取り押さえられたままで、パラソルのところまで連行されたところ、その経緯を聞いたコンさんが言った。


 「舞韻、なんでお前は、遊びに来てるのに、そうやってマジになるんだ? 」

 「何度もやめなさいって、言ったのにやめないからですよ」

 「あのなぁ、こういう時は、スキンシップして、相手との距離を縮めるのが、親しい者として当然だろう。それともお前は、燈梨に距離を取られてる方が良いのか? 」


 すると、パラソルの中にいた沙織さんが


 「舞韻ね、あんたが、そうやって隙のない態度で燈梨に接するから、燈梨があんたに近寄りがたくなるのよ。燈梨はあんたに親しみ持ってやってるのに、そのくらい乗ってあげなくてどうするのよ」


 と、ちょっとマジで舞韻さんにお説教した。

 すると、コンさんが


 「よし、昼はもう少し後にしよう。みんなは、舞韻を連れて海に出て、さっきの続きをやってきていいぞ! 沙織」


 と、言うと沙織さんが頷いて舞韻さんの腕を掴んで立ち上がらせて


 「フー子以外は、海へ戻って、コイツを好きにしなさい。コイツが変なことしないようにあたしが見張ってるから」


 と、言って、海に出て、さっきのところまで泳いで舞韻さんを連れて行くと


 「燈梨ぃ、パス」


 と、言って舞韻さんを渡してきた。

 私は、さっきのことがあるので、ちょっと遠慮して手を出さずにいると、沙織さんが


 「燈梨、さっきと同様、思いっきりいきなさい。別に、コイツは嫌なんじゃないの、プライドが邪魔してるだけだから」


 と、言うと私の後ろに泳いで行って、私を捕まえると、手を取って舞韻さんの胸をぐっと掴んだ。


 「ほら、ホレホレホレ~」


 と、舞韻さんの胸をグニグニと揉むと、今度は、舞韻さんの後ろに回って


 「アンタも、やられたら、やり返すの勢いでいくの! 」


 と、言って舞韻さんの背中をパンっと叩くと、それまで沈んだ表情の舞韻さんが


 「このぉ~、燈梨ぃ……さっきはよくも、やりたい放題やってくれたわねぇ~」


 と、私に襲い掛かって胸を揉んできた。

 すると、沙織さんが腕をぶんぶんと振ったのを合図に、唯花さんたちが一斉に舞韻さんに襲い掛かってきた。


 「このぉ~、大人しく燈梨にやられろぉ~」


 と、唯花さんと朋美さんが舞韻さんを両側から押さえ込むと、ミサキさんと桃華さんが足を押さえてくれたために、私は一気に舞韻さんの胸元に飛び込んで、胸を思いきり揉んでから、脇腹をくすぐった。


 「このぉ~、燈梨ぃ、卑怯系よぉ~……あんた達、放しなさい。放さないと後で酷いわよぉ」


 と、言うと、体と足を振って桃華さんと朋美さんを振り払うと、唯花さんを背負ったまま、私に襲い掛かってきた。


 「燈梨ぃ、覚悟はできてる系? 私は、やられっ放しにはさせない系よぉ~」


 と、言うと、私の胸を揉み返してきたので、水中に潜ると、舞韻さんの足に掴まって倒そうとした。

 しかし、舞韻さんには通用せずに、私は首根っこを捕まえられると、一気に水上に揚げられ、舞韻さんに捕まってしまった。


 そこで、私は舞韻さんに抱きつくと、そのまま倒れ込んで舞韻さんを海中に押し倒した。

 すると、舞韻さんの背中から離れた唯花さんが、水上から、舞韻さんの胸を揉んで、更に脇腹をくすぐった。


 舞韻さんが私たちを振り切って立ち上がるが、そこに朋美さんがタックルをして、尻もちをつかせたところに、今度は美羽を含めた6人で一斉に襲い掛かって勝負を決した。


 気がつくと、舞韻さんは、水面に浮かんだままぐったりとしていて、見ると、水着の上が完全に外れて胸が露わになっていた。

 やがて、その姿に気がついた舞韻さんがハッとして


 「えっ!?ちょっと、私の水着がない! どこ? 」


 と、慌てたが、起き上がると周囲から丸見えになってしまうため、手で隠したまま浮かんでいるしかなかった。それを見下ろしていた唯花さんが言った。


 「やっぱり舞韻さん、デカいね。私や燈梨と同じくらいか。でも、ミッキーよりは小さいかな」

 「でも、大きさもだけど、形も重要だよねぇ……舞韻さん、それも良いんだけどさ」


 と、朋美さんがしみじみと言うと、桃華さんが


 「ねえ、これって」


 と、緑色のビキニを手にしていた。

 それは、さっきまで舞韻さんがつけていた水着の上だった。

 舞韻さんは、慌てた様子で


 「返して、返しなさい! 」


 と言うが、誰1人としてそれを素直に訊く者はなかった。

 その雰囲気を察した舞韻さんは


 「あんたたち、どうする気系? 」


 と、狼狽した様子で言った。

 すると、黒ミサの表情をしたミサキさんが


 「参りました? 参ったって言え! 言って今日1日は燈梨ちゃんの忠実な奴隷になりますと言うんです」


 と、言った。

 すると、舞韻さんは不快な表情で


 「誰が言うもんか!あんたたち、人質を取るなんて卑怯系よ、今すぐに水着を渡しなさい。さもないと……」


 と、言ったが、この状態では何もできる訳がないので、ミサキさんは


 「じゃあ、仕方がない。この水着で後ろ手に縛った状態で浜辺まで連れて行って放置しましょう。解けたら、水着はお返ししますよ」


 と、言うと朋美さんと桃華さんが舞韻さんを起こして、両手を後ろに回そうとした。


 「やめなさい! ……やめろー! 」


 舞韻さんが抵抗して暴れたが、そこに沙織さんが入って取り押さえたために、手が後ろに回されてしまった。

 ビキニが手首にぐるぐると巻き付いた時、観念したように下を向いた舞韻さんが言った。


 「……いった」

 「え!?」


 ミサキさんが耳に手を当てて訊いた。


 「参った。これでいいでしょ! 早く解いて水着を返して」

 「ダメです」

 「なんで! 」

 「続きがあるでしょ」

 「……」


 そして、ようやく舞韻さんが降参した。

 憔悴する舞韻さんを連れて浜辺に戻った私たちは、ようやく遅いお昼を食べに海の家に向かった。





 


  

お読み頂きありがとうございます。


少しでも続きが気になる、見てみたいかも……と、思いましたら、評価、ブックマーク等頂けると活力になります。


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