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狼の詩  作者: ゆうなぎ
狼編
44/44

狼の詩 

 二〇××年八月二六日

 

 湖に沈んでいって

 奥底に夜が見える

 夜は彼の色

 彼は夜、だから僕も夜なのだと


 では、夜とは?

 それは昼ではないということ

 朝でも、夕でもないということ

 夜は朝を呼び寄せる 

 終わらない夜は、ない 

 終わらない夜は

 

 息があるうちに

 深い夜の奥に火を灯そう

 牙を研ぐために

 爪を研ぐために

 

 祈りととともに

 いつか不思議な朝を迎えよう

 いまを壊さぬように

 夢を壊さぬように


 夜は朝を呼び寄せる 

 終わらない夜は、ない 

 終わらない夜は

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