⑥死神のための作戦
街に帰るとおじさんが目を見開き抱きついてきた。
「ライア!!!!大丈夫だったか!?」
「おじさん、大丈夫だったからはなして、、苦しい」
おじさんの大声でおばさんも出てくる。
「この人、ライアに何かあったらどうしようって一日何百回と言ってたのよ」
「…そんなに?」
私を囲街の人たちが大きくうなずく。
「大丈夫だったし、本も届けてこれたよ」
「…!!?そうか…それならよかった。無理をさせてすまなかったね。今日はゆっくり休んでくれ」
「ありがとうおじさん」
疲れもあり、その日はそのまま眠りについたが、数日がすぎてもあの死神さんの体調が気になって仕方なかった。
「(ん~…どうしたもんかなぁ)」
様子を見に行きたいのだけれど、あの森に行くと言えば、先日無事に帰ってきたからといって簡単に許してはもらえないだろう。
そうなると方法は一つ。
こそっと行くしかない…!!
ただ、問題点があるとすれば最低でも2日は欲しいというところだ。
そして万が一ばれてしまったら、おじさんにもおばさんにも迷惑と心配をかけてしまう。
それが一番心苦しい。
となるとやはり正直に言った方が誰も傷つかないのかもしれない。
だけど、あの森に死神がいて…なんて馬鹿正直に言うとそれはそれで心配をかける
やはり人生正直さ半分、嘘半分。
悩むこと数時間。ライアは最高の言い訳を考えたのだった。
翌日。
「おじさん、おばさん話があるんだけど…」
「どうしたんだい?」
「実はね、この間森に行ったときに森の近くに小さいお家を見つけたの。暗いのもあって泊めてもらえないか聞いたら快く泊めてくれたんだけど、帰り際少し体調が悪そうで…。ずっと咳き込んでて…。私は本を届けないといけなかったから家を出たけど、やっぱり少し心配でお見舞いに行きたいんだけどいってもいいかな?」
「うーん…あの森の近くならあまり行かせたくは無いんだけどねー…
そうだ!その子をこの村まで連れてくるのはどうかい?」
「!!!!!!!!!?????????」
「おお!!いいね。それは良い考えだよ」
え…ちょいと待って…。
それは無理無理無理無理
行こうとしてるのは本当はあの死神だし、ここに連れて来たら大騒ぎ…っていうかそもそもあそこから出るはずないし…どうしよう!!!!
数時間後、ライアはぐったりとしながら荷造りをしていた。
「はぁ…すっかり疲れた…。まだ向かってもいないのに」
あの後、その子を連れて来れば解決するんだなんだかんだ論争が終わらず、やっとの思いで納得してもらった。