④死神との対面
森で話すライオンと出会い、屋敷に案内してもらうことになったライア。
初めて見る死神は思っていた死神とはちがい―…
ライオンと一緒に歩くこと20分。
お屋敷の前に着く。
「ここ…ノックしたらいいの?」
「ああ」
ライオンに言われるがまま、大きな扉をたたく。
が。全く反応が無い。
「…いつもこうなの?」
ライオンに聞いてみるも顔をしかめている。
「いや、いつもならすぐに出てくるのだが…何かあったのかもしれん。扉は開くか?」
「え、ああ…」
扉をぐっと押してみると重く大きな扉が開いた。
見た目の重厚感とは裏腹に思っていたより軽かった。
「開いたよ…?」
すると顎で中に入れという仕草をされる。
失礼します…と一言断ってからお屋敷にお邪魔する。
「すみませーん。アルグル書物店です。だれかいらっしゃいませんか?」
「…どうしてなにも反応が無いんだ」
ライオンは先ほどから難しい顔をしている。
ライオン、、というか名前はあるのだろうか。
「ライオンさん名前聞いても良い?私はライア」
「…ユリウスだ」
「ユリウスね、改めてよろしくね。ねえこのお屋敷の死神さんの特徴教えて?手分けしてさがそう」
「そうだな…」
ユリウスから聞いたところによると、かの死神さんは髪が長く黒い。そして全身を覆うような服装らしい。
ユリウスに1,2階をお願いし、私は3、4階を探す。
「死神さーん、いらっしゃいませんかー?」
何度よんでも反応はない。
探してしばらくたった時、少し奥の部屋からガタっという大きな音が聞こえた。
「!!」
急いでその部屋に向かうと、人が倒れていた。
ユリウスが言っていた通りの黒髪、全身こげ茶の人だ。
何度か声を掛けてみるが全く反応が無い。しかも少し体を起こすと熱い。
「熱か何かで倒れたのかも…」
死神って熱でるの…?
ひとまず、死神さんを床に寝かせ廊下でユリウスを呼ぶ。
「ユリウスー!!死神さんいたの!ちょっと助けてー!!」
読んでから数秒。あっという間にユリウスが来た。
「フォンはどこだ」
「フォン…さんかどうかは分からないけど、この部屋で大きな音がして」
「ああ、こいつがその死神だ。急いで部屋に運ぶぞ」
「分かった」
私が死神さんの体を起こし、ユリウスに乗せる。
ユリウスは器用に運び、大きなベットのある部屋に彼を下した。
「タオル準備してくる。どこにあるか教えてもらってもいい?」
「一つ下の階にある」
「わかった!ありがとう」
急いで階段を下りる。
下りて少し進むと洗濯場のような部屋がある。
そこからタオルと桶をもち、ついでに台所で飲み物を見つけ先ほどの部屋に戻る。
「ユリウス、死神さんの様子は?」
「先ほどと変わらん」
「そっか。とりあえず体を拭かなきゃ…」
そう思いタオルで体を拭こうとした瞬間
「まて!」
「…きゃっ!?」
ユリウスの静止の声と私の声が重なった。
身体を拭こうとした私の腕は死神さんに掴まれていたのだ。
「…さ、わる、な…」
じっと漆黒の髪の隙間からこちらをにらんでくる瞳。
身体がつらいはずなのにくっと起き上がる。
「まって、じっとしてないと…「…うる、さい」」
「ライア、待て」
ユリウスが何もするなと目で伝えてくる。
「…ユリウス、いた、のか」
「こいつはなにもしない。私が連れてきた。安心していい」
「お前が連れてきたのか、そうか、」
息も絶え絶えにそう言うと、死神は目を閉じた。
「もう、触れても大丈夫…?」
先ほど掴まれた腕がズキズキと痛む。
「ああ。どうか少しでも楽になるようにしてやってくれ」
ユリウスは優しい声で言うと部屋を出て行った。
おひさしぶりです。
作者です。
この小説を完結までしっかりとさせたくてまたこれから地道に更新していきますのでよろしくお願いします!!