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転移先での国取り合戦  作者: てんとう虫
第一章
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第一章1話 異世界転移

「ふあああぁぁぁ、今日も疲れたなぁ。まじで内臓移植手術は時間がかかってきついわぁ。まぁ、うまくいったからいっか。」


彼、中川大介はれっきとした外科医であり、とにかく頭がいい。いろんなところで才能を発揮し、昔からチヤホヤされてきた。


「あっ、そういえば俺ビール冷やしてたっけ? 俺の最大の楽しみがぁぁぁ。」


―――― 5分後 ――――


「終わった……。 やっぱり冷蔵庫に入れてなかった。ちきしょおぉぉ、もう寝るよ!」


――プルルルルルル――


そこで電話が鳴った。どうやら病院からのようだ。


「もしもし、中川ですけど。」


「おお大介君、起きてたか。もう深夜2時だから寝たかと思ってたよ。」


ーーなら電話してくんなよ!!!ーー


「はぁ、で、何の用件です?」


「それがだな、さっき手術した患者さんが拒絶反応を起こしたんだ。至急、病院に戻ってくれ。」


「まじですか? 分かりました今からそちらに向かいます。」


――ガチャ――


仕方がないが、とりあえず支度をすることにした。準備を終え、玄関のドアノブに手をかけようとしたときだった。


――ピーンポーン――


チャイムが鳴った。こんな深夜に誰だろう? と思いつつドアから覗いてみた。するとそこには、マントを羽織り、頭に王冠が乗っかっている、王様っぽい人がいた。


「すみません、どちら様でしょうか?」


「王様だ!」


低い声でずっしりと重い、威圧感溢れる声だった。髭はもじゃもじゃだが、見た目はかなり若い。


「いやそういう意味で言ったんじゃないんですが。てか何の用ですか?こんな夜遅くに。」


「超重要な頼みがある。とりあえず家に上がらせろ。」


という訳で、王様(自称)が家に来た。


「とりあえず私の話を聞いてほしい。突然だがおぬし、異世界を信じるか?」


「あ、俺結構そういうの興味ありますよ。」


「ほう、なら話が早い。実際に私はその異世界からはるばるやってきた。そして今その世界では、5つの種族の国が争っている。人の国、蟲の国、神の国、竜の国、霊の国の5つだ。」


「へぇ、なんか壮大ですね。」


「そして今の人の国は、普通に人手不足なんだ。兵士の数はそこそこいるんだが、指揮官が特に少ない。」


「何か大きな戦争があったとか?」


「うむ、その通りだ。先日の竜陣営との大戦争で、指揮官や隊長の位の者が大勢死んだのだ。そこで私はこの世界に来て優秀な人材を集めにきたのだ。いちおう聞いておくが、おぬし、名はなんと申す。」


「一言多いわ! 大介だ、中川大介。」


「では大介よ。一緒に異世界に行って、統一の手助けをしてくれないか?」


「はい?」


「大介よ。一緒に異世界に行って、統一の手助けをしてくれないか?」


「嫌です。」


「全部聞いたお前に拒否権は無い!」


王様は声を荒げて言った。


「いやちょっと待て、ていうか何で俺なんだよ。もしかして、俺の中にすごい潜在能力があるとか?」


「いや、残念ながら今回に限ってそんなことはない。ただ一軒一軒回って、最初にドアを開けてくれたのがお前だっただけだ。だが、お前は頭がいいだろう?」


「なんでそんなことが分かるんだよ。」


「部屋に飾られている、大量の賞状やトロフィーが物語っているからだ。さらに、お前には褒美も用意してある。もし異世界の統一に成功すれば、なんでも一つだけ願いを叶えてやろう。」


「まじか、いいだろう。その話乗ったぜ。」


「よし、では決まりだな。」


そこで王様はなにやら呪文を唱え始めた。


「大いなる天空の使者よ、我と旅人大介の魂を運びたまえ、テレポート!」


体が宙に浮き、次の瞬間、意識がとんだ。



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