糸電話:前編
3本のうち1本目です。
恋愛ものは初めて書いたけど難しかった...
「パパー!これなぁにー?」
「ん?また懐かしいものが出てきたな〜
これは糸電話って言うんだ。
それしてもこんなものが残ってるとは...」
「いとでんわ?」
「そう、糸電話
これでパパは大好きだった人と毎日お話しするのが楽しみでなぁ...」
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彼女は俺が中学2年の冬、隣に引っ越してきた。
俺と彼女は同い年だったし同じ中学に通っていたが、俺は部活動をやっていた為、登下校の時間が被ることはなく、せけんばなしをするなんてこともなく、一緒に登下校をするなんてありえもしなかった。
せいぜい会釈をする程度だった。
そんな関係のまま月日は経ち、3年の夏が来て俺は部活を引退した。
最後の大会ではそれなりの成績を残せたと思う。
部活動を引退した俺は受験の為に放課後に学校近くの図書館に残って勉強をしていく様になった。
俺の目指していた志望校は今の学力では少々厳しそうだったから家より集中出来そうな図書館に残って勉強をしていたが、イマイチ捗っているとは言えなかった。
日が短くなり出し、捗らない勉学に焦りを感じ始めた頃、母親からこんな提案をされた。
お隣の彼女に勉強を教えてもらう代わりに暗くなってくる下校の時を一緒に帰ってきて送ってあげたらどうだろうか?
どうやらお隣さんの母親と仲良くなってたらしく、世間話に花を咲かせていた時に話を聞き提案したようだ。
彼女も受験の為、帰りに図書館で勉強をしているが日が短くなってきたせいであまり遅くまでいると帰りが不安らしい。
確かに下校途中には街灯も少なく、住宅街を通ると真っ暗になってしまう場所もあるから不安だろうし、彼女の親も心配だろう。
それに彼女は学年でもトップクラスに成績が良く、今まであまり気にしなかったが彼女は可愛い。
そんな彼女に教えてもらえるのだから俺は喜んでその提案を受けた。
彼女と勉強会をして、彼女の家まで送っていく。
初めの頃はぎこちなくて、無言の時間が多かったけど慣れていくうちに会話が弾むようになってそれぞれのことをいっぱい話した。
彼女は今まで住んでいた時の話や好きな音楽や本、食べ物の話。
俺は彼女のクラスメイトの昔の話や部活の話。
毎日、図書館から家までの10分ちょっとの時間だけど俺はそれを毎回楽しみにしていた。
彼女は感情が顔に出やすいのか、楽しい話の時には笑顔で、悲しい話の時には悲しげな顔で俺の話をとても楽しそうに聞いてくれる。
だからだろうか...
そんな彼女を俺は好きになっていた。




