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第27話 シャラナの思い出と前途

 何もない、ただ静寂だけに満たされたような漆黒の宇宙空間に、突然、ひっかいたような光の筋が走った。それは徐々に広がりを見せ、いつしか虹色の光の帯へと変わる。猛スピードで直線移動しつつ、長く伸びて行っている虹色の帯の光の輝きは、どんどん強まって行き、その光の帯の中に、今度は粒状の光が乱舞しているのが見て取れるようになる。

 見て取れると言っても、この現象を観測している人間は、誰もいない。誰も見ていない所で、光の帯の中を乱舞する光の粒は、みるみるその数を激増し、遂に、大きな一つの光の珠と化し、虚空を疾駆(しっく)しているのだった。大きな光の粒は、突如また、小さな無数の光の粒に還元し、その粒達は、放射線状に周囲の空間へと飛び散り、消え去って行った。

 大きな光の珠の有った場所には、玉子型を少し扁平にしたような、そして、翼と首のような構造物を付属させた、純白に輝く宇宙船が姿を現していた。

 重武装宇宙商船「ウォタリングキグナス」が、ワープアウトして来たのである。その両舷突出構造物の表面には、未だ光の粒が、時折流れ下って行っている。表面を伝うように、先端のギザギザの部分にまで至った光の粒は、そこから虚空へと放逐され、跡形も無く忽然と滅するのだった。

 ワープインの直前の急加速は、直線のものも、回転のものも、ワープアウト時には消滅していた。磁場も消滅している。急加速直前の直線運動速度と回転速度は、保存されている。運動のベクトルも、ワープインの時のものが、保存されている。直線加速度と回転加速度と磁場が、ワープによって“消費”された格好になっていた。

「直ちにメンテに入るわよ!」

 メンテ長のキムルの号令に、外壁メンテ担当者達は一斉に動き出す。船尾付近のハッチから、宇宙服姿で次々と飛び出し、「キグナス」外壁面を這うように進んで行く。その数はどんどん増えて行き、二十数人が「キグナス」表面をはいずり回っている状態になる。

 ニコルは船首付近にある、レーダーや「アマテラスマークⅢ」の装備されている辺りで、検査機本体のディスプレーを凝視していた。本体から伸びるセンサー部分を壁面にあてがっているのは、キプチャクだった。

「やっぱり俺、こういう雑用に駆り出される事になるんだよな。案の定だぜ。」

「文句言わないの、キプチャク。ユーシンは出航前から、この作業を散々やらされてるけど、ひと言も愚痴は言わないわよ。ねぇ、ユーシン。」

 この2人のすぐ近くで、ジャカールという名前のメンテ要員とコンビを組んで作業しながら、2人のやり取りを聞いていたユーシンは、いきなりのニコルの呼びかけに、苦笑いを浮かべるしか無かった。

「あいつは操船って言う、華々しい仕事が巡って来る立場だから、こんな仕事も前向きにやれるんだよ。俺なんか検品要員だぜ。地味ぃーな作業ばっかりなんだぜ。愚痴の一つも言わねぇで、やってられるか。そう思うだろ、ユーシン。」

 ユーシンは再び苦笑い。

 そうは毒づきながらも、作業自体はテキパキとこなしていくキプチャク。ワープアウト後の点検もこれで10回目となったので、作業自体は十分に習熟していた。幼馴染の2人は息もぴったりで、他のベテラン達にも劣らない軽快さを発揮していた。

 メンテ要員14人を中心に、他部署からも人を刈り出し、二十人以上で取り掛かったので、外部壁面の検査は2時間足らずで、一つの異常も発見されないままに終了した。

「まぁ、十中八九異常無しで済むんだがなぁ、やはりスペースコームジャンプの後はメンテして置かねぇと。ガキ共ぉ、ご苦労だったなぁ。」

 船内の食堂で、飲み食いしながら船外作業の疲れを癒しているクルー達を、バルベリーゴは(ねぎら)った。

「『ソリアノ』への旅も、十回のジャンプを経て、ようやく3分の1を消化しただけだからなぁ。この点検作業も、後20回程やらなきゃならねぇ。先は長げぇから、しっかり休んで、英気を養ってくれよぉ、ガキ共ぉ。」

「はいよ、船長。」

「わかってるぜ、バリー」

 そこここで、三々五々に集まって談笑していたクルー達から、まばらな返事が返って来る。

 その様子を見届けた後、シャラナの夫であるトクワキと連れ立って、食堂を出て行くバルベリーゴを視界の端に見ていた時、ユーシンは声を掛けられた。

「お疲れ様ぁ、ユーシン君。はい、これ、私のおごりぃ。リンゴジュース。」

「ダメよクルム、リンゴジュースなんて。男子はこういう時は、コーヒーなんだからね。はいユーシン君、コーヒー。おごりだからね。」

 メンテ要員のトアとクルムだ。ここ最近、ニコルと3人で固まって、きゃーきゃー言い合っている所をよく見かける。2人ともニコルやユーシンと同年代だが、姓はどちらもマグレブでは無いらしい。

「ははは、せっかくだから、両方もらっておくよ。ゴチソウサマ。」

 ユーシンはリンゴジュースを一気に飲み干した後、コーヒーをちびちびと啜り出した。どちらも「ウィーノ」の農場コロニーで栽培されたものを、原料としている。寒冷地や温暖な高地など、その作物に適した気候を忠実に再現した上で栽培されたもので、抜群の美味さを誇っていた。

「わぁーすごーい、一気に飲んじゃったぁ。」

「コーヒー啜る横顔、しぶーい。」

 そんなどうでも良いような事で褒められると、返ってバカにされている気がして来るユーシン。

「ユーシン君凄かったんだってね。『アマテラス』で、宙賊の戦闘艇をやっつけたんでしょ。」

「普通なら10回撃って一回当たるかどうかの所を、5回の内3回も当てたって、みんなびっくりしてたよ。」

「そうそう、それに、シャトルでミサイル攻撃を回避したっていう話も聞いたよ。」

「シャラナさん達の救出でも活躍したそうだし。凄いねぇ、クルーになったばかりなのに。」

 ユーシンに返事をする隙も与えずに、機関銃のごとくしゃべり続けた2人だが、その後突如、打って変わってヒソヒソ話を始めた。

 何度か経験のある事だが、人の目の前でヒソヒソ話をする心理が、ユーシンには理解できない。本当に隠したい事を話しているのなら、何故目の前で話すのか。隠す必要が無いなら、ヒソヒソと話さなくても良いはずだ。何故、目の前でヒソヒソやるのだろうと、ユーシンは不思議に思って眺めていた。

「トアがやりなよ。」

「なんでよ、クルムが行きなよ。」

と、何かを押し付け合っているという事が分かって来たところで、いきなりトアが、ポン、と彼の脚の上に座って来た。「キグナス」はこの時、加速していたので、1Gという人には適度な重力で、トアの体はユーシンの脚に圧力を加えて来た。

「は?」

 ユーシンはキョトン、という顔でトアを見る。そしてしばし考えた後、後ろを振り返って叫んだ。

「ニコルぅ!お前、こいつらに、何を吹き込んだんだよぉ!」

「何って、」

 少し離れた席に座って紅茶を飲んでいたニコルは、ニタニタとした笑いを口元に浮かべながら答えた。「脚の上に座ってあげると、ユーシンは大喜びするよって、教えてあげたんだけど。まずかったかしら?」

「あのなぁ。」

「ニコルぅ、全然喜んでないよ!」

「あれー、おっかしいなぁ。」

「つまんなぁーい。行こう、クルム。」

「うん。行こう、行こう。」

 言うや否や、嵐のように立ち去って行く2人。そして、ニコルも合わせた3人で、きゃーきゃーといった悲鳴に近い声を上げながら、かしましくおしゃべりに興じるのだった。

「仲がお宜しいのですね、みなさん。」

 軽い混乱状態だったユーシンンに、そんな声がかかった。声でその主が分かったユーシンは、なぜか赤面した。振り返ってシャラナの顔に、バツの悪そうな視線を向ける。

「別に、仲が良い訳じゃ。ほんの2回ほど話した事があるだけですよ、あの2人とは、今までに。なんであんなに、馴れ馴れしく振る舞えるんだか・・。」

 トアに、脚の上に座られた事には、何の感慨も湧かなかったユーシンだったが、それをシャラナに見られたことに対しては、猛烈な羞恥の念を禁じ得ないのであった。

 シャラナの背後から、ひょっこりと青みがかった黒く長い髪が覗いている。ノノだった。シャラナに、医療要員のノノがぴったりと張り付いているのを見ると、ユーシンは何か不安な気持ちになった。ノノの顔を覗き込んでみると、

「大丈夫、ユーシン。何かあったわけじゃない。仲良くなっただけ。」

と、ユーシンの憂慮を察した彼女からの、落ち着いた声が返って来た。

「ユーシンさん、」

 シャラナは穏やかでぬくもりのある視線で、じっとユーシンを正面から見据えながら、どっしりと深みのある声色で、諭すように語り掛けて来た。「私の事を気に病んでおられるなら、そんな必要は全くありません。私には、心にも体にも、何の傷も残っておりません。私自身と、夫と、家宰達の命が守られた。それが全てです。心から幸せに思っております。」

 そんな言葉に、守られているのはむしろ、自分の方だと感じるユーシン。

「有難うございます。シャラナさん。」

と、言葉少なな返答しか出来なかった。

「誰もユーシンの事、悪く思ってない。皆、理解してるし、ユーシンは正しかったと思ってる。」

 ノノも言った。「と言っても、ここのクルーの大半は、詳しい事情は知らない。ユーシンがラクサスを説得して、救出に協力させたと思ってるだけ。知ってるのは、新入りの5人と、オヤジと、ファランクスと、そして、お嬢様だけ。」

「え?お嬢様も。」

 心臓が握りつぶされるような錯覚に捕らわれたユーシン。

「クレアさんには、私からお話いたしました。」

 シャラナが言った。

「お嬢さまと、お話しされたのですか?」

 大きくゆっくりと頷いたシャラナは、続けた。

「ワープ通信システムをお借りして、『ウィーノ』にいらしたクレアさんと、お話しさせて頂きました。私の無事を、ことのほか喜んで下さいました。あなたのご活躍に対しても、何度も感謝の言葉を述べてらっしゃいましたよ。お礼の言葉も、必ず伝えて欲しいと、くれぐれもよろしくお願いしますと、申し付かっております。」

「では、お嬢様は、俺がした事を・・」

「全て、包み隠さずにお話ししました。クレアさんは、あなたが、さぞかし辛いお気持ちで、苦しい決断をなさったのだろうと、あなたの心は大丈夫なのだろうかと、大変にご心配なさっておられました。」

 更に、何かを思い出したという様子で、シャラナは言葉を繋げる。

「なんでも、クレアさんの涙を知って、あなたは奮起なされたとか。あの方は、そんな推察を漏らしておられました。もしかしたら、自分のせいで、あなたに苦しい決断をさせてしまったのではないかと、お顔を曇らせておいででしたよ。」

「ええ?結局、お嬢様の顔を曇らせてしまったんですか?俺?」

「おほほ」

 肩を落としたユーシンに、シャラナは努めて明るい声で笑い、告げた。「大丈夫でございます。私に心の傷が残っていないのなら、あなたも元気でいられるでしょう?そしてあなたが元気だと知れば、あの方も笑顔になります。あなたの元気こそが、クレアさんの笑顔の源なのですよ。」

「あはは、俺は元気ですよ。いつだって。」

「ならば、次の通信の機会に、そうお伝えしておきます。けれど、あなたご自身で伝えて差し上げた方が、宜しいですわね。その方が、よりあの方を笑顔にして差し上げられると、私は思いますよ。」

 元気が戻ったと思ったら、今度は困惑顔になるユーシン。

「えぇえぇ?・・いや、・・話すのは・・。お・・俺なんかが気安くは話しなんかしたら、いけないんですよ。立場が違うんですから。それに、お嬢様は、ぶるー・・いや、機構軍幹部に嫁ぐと決まった方です。俺なんかが傍でちょろちょろしてたら、迷惑千万でしょう。」

「そうかしら・・」

 シャラナはもっと何かを言いかけたが、思い留まる事にしたようだ。

「それにしても、シャラナさんとお嬢様が親しい間だなんて、知らなかった。」

 話の矛先を変えるようなノノの発言は、ユーシンをほっとさせた。

「もう4年も前になりますわね。」

 シャラナは視線を遠くに遊ばせ、思い出すように話し出した。「あの方が、『ヤマヤ国』に、商社の幹部候補の研修として、お見えになったのは。私も『ユラギ国』から『ヤマヤ国』に嫁いだばかりでしたので、心細い日々を過ごしておりましたから、あの方の存在は救いでした。半年ほどの滞在の間、何度も2人でお出かけしましたわ。」

「へぇ、そうなんだ。どんな所に、お出かけされたので?」

と問い返すノノは、穏やかな表情でシャラナの思い出の世界の一員になりつつあった。ユーシンも興味津々に引き込まれて行く。

「色々ございますのよ。『ヤマヤ国』の、私がいた惑星軌道上の都市には。特に鉱物資源や宝石が豊富に産出する衛星の傍なので、それらを使ったアクセサリーの工房が軒を連ねております。オーダーメイドで製造販売しているエリアなどは、女子には人気の場所でございました。」

「えー!そういうところを、お嬢様とシャラナさんが2人で?・・・なんか素敵。」

 うっとりとした顔にすら、なりつつあるノノ。ユーシンも想像が、膨らむ、膨らむ。

「他にはどんな・・。」

 欲しがるノノ。

「そうですねえ」

 たたみかけるシャラナ。「美しい海辺の風景を創造したコロニーもございましたから、そちらへも、何度か足を運びましたわ。」

「へぇー、海に行ったんだあ。」

 ノノの顔を見て、嬉しそうに「うふふ」と笑い、シャラナは続けた。

「どこまでも白砂の続く美しいビーチで、クレアさんと2人で泳いだりもしました。クレアさん、ビキニ姿が、とても良くお似合いでしたよ。」

「ブバッ!」

 悪戯っぽいシャラナの視線の先でユーシンは、飲みかけのコーヒーを噴き出してしまっていた。

「ユーシン、想像しすぎ。」

「え!? いや・・、違う!そうじゃない!想像・・とかじゃなくて・・・、その・・、お嬢様がそういう恰好をしたっていうのが、驚きだった・・て言うか、意外だったから・・って言うか・・。だから・・あの、」

「そんなにも、お慌てにならなくても。うふふ。」

「ビキニ着たって不思議じゃないよ、お嬢様が。」

(・・この2人、俺のお嬢様への気持ちを知ってるんじゃないのか?ニコルのヤツ、何か余計な事、しゃべりやがったのか?)

 ニコルが話すまでも無く、そんな事は一目瞭然の状態である事に、彼は気付いていなかった。湯気が立ちそうな程に顔を赤らめているユーシンは、2人の視線の前でタジタジだったが、視界の端に映ったものに、彼は話題を換えるきっかけを見出した。

「オヤジ、それにトクワキさん。」

 食堂に戻って来たところだった彼らに、声をかける。「連絡は取れたのか、・・その、色々な人に。」

 バルベリーゴ達が、「ヤマヤ」の者達の置かれている状況を確認する為に、ラクサスや奴隷商人等に連絡を取り、その上で彼らの今後について話し合おうとしていた事を、ユーシンは知っていた。ただ、シャラナの前でラクサスの名を出すのが、少し(はばか)られたのだった。

「ラクサス殿との話は付きましたか。」

 シャラナ自身が、彼の名を出して問いかけ、平気な顔でいたので、ユーシンも安心して話を進める気になった。

「ちゃんと契約を守ってくれているか?ラクサス卿は。シャラナさん達の所有権は持ちながら、行動の自由は保障するって言うのが、契約のはずなんだ。」

「ああ、お前の計画通りに運んでるぜぇ、ガキィ。上々の出来だぁ。」

 バルベリーゴに継いで、トクワキも話した。

「奴隷商人も、『コーリク国』が提示したよりも多額の金子(きんす)を手に出来たと、満足の様子でした。ラクサス殿は、支払いの方も滞りなく実施してくれたようですね。これで我々の自由を阻むものは、何も無ありません。」

「俺達『UF』にも、ちゃんと運賃の支払いがあったぜぇ。俺達は所有者であるラクサスの依頼で、この人たちを輸送しているという事になる。法的にも商売の上でも、全く問題はねぇ。」

 シャラナは凛々しい姿勢を保ちながら、大きく頷いた。ノノは、シャラナにもたれかかるような仕草で、喜びと安心を表現した。

「で、これからの事なんだがなぁ。」

 表情を引き締めて、バルベリーゴが話し出した。「俺達は、次は『タクムス』っていう星団国家の主星系である、『ソリアノ』を目指さなくちゃならねぇ。悪いが、あんたたちの為に、行き先を変更できる立場にはねぇ。こっちも商売だし、そこで売り(さば)く荷を、積み込んじまってるからなぁ。」

 シャラナはまた頷いて応えた。

「それは承知しております。危険を冒してまで命を救って頂いたのですから、これ以上の御迷惑はおかけできません。我々はその『ソリアノ』で降ろして頂いて、後の事は自分達で何とかします。」

「『タクムス国』は、外来人の受け入れに寛容な国よ。連合勢力外の人も、沢山移住しているわ。シャラナさん達も、温かく迎え入れてくれるはず。」

と、ノノはシャラナに顔を向けて、安心させるように、そう言った。

「そうだな。」

 ユーシンも受け合った。「あの国は、すごい勢いで開発が進んでいる、とても若い国だからな。地球系を中心にした政府の下で、多くの宇宙系の人々を労働力として活用して、どんどん開発を進めている。星団内には、未だ手つかずの有益そうな星系が数多く残っていて、これからどんな儲け話が飛び出すか分からない。一獲千金を狙える国として、銀河中にその名が知れ渡っているよね。」

 バルベリーゴも続く。

「地球系と宇宙系の関係も良好のようだしな。地球系が技術を提供し、宇宙系が労働力を提供するって役割分担はあっても、それが身分の上下にはなっていないし、過剰な貧富の差も生じてはいないそうだ。労働条件なども、きちんとした法整備のもとに管理されていて、安心して一獲千金を狙えるって話だ。」

「そうですか」

 トクワキも安心した表情を浮かべた。「我々は、一獲千金を狙う考えは毛頭ありませんが、安心して身を預けられる場所を見つけられるのは、非常にありがたい事です。」

「で、そこから、『ヤマヤ』への帰国を目指すのか?」

 そのユーシンの質問には、シャラナもトクワキも表情を曇らせた。

「それですが、」

 シャラナは重そうに口を開いた。「直ぐに帰国を目指すというのは、(はばか)られるものがあるのです。」

「ええ!? どうして?自分の国でしょう。」

 心配顔で言うノノ。

 虜囚の身分から解放されたとはいえ、まだまだ前途には暗雲が立ち込めている状態のシャラナ達を想い、ユーシンもノノ同様に表情を暗くした。



今回の投稿はここまでです。次の投稿は、明日、'17/5/6 です。

さて、第二章、「タクムス星団の章」が始まりました。まだ、タクムス星団には着いてませんが。シャラナとクレアとの関係性を見ても、「ヤマヤ」の元虜囚達のおかれている状況を見ても、ユーシン達と彼らとは、まだ更なる展開が予想されるのではありますが、次の「タクムス国」では違う道を歩み始める予定になりそうです。どうなってしまうのでしょうか?「タクムス国」では、何が起こるのでしょうか?クレアのビキニ姿を、ユーシンが目にすることはあるのでしょうか?読者の皆様には、気になって夜も眠れなくなって欲しい、というのが作者の勝手な願望です。というわけで、

次回 第28話 航宙風景 です。

宇宙での旅の状況や、クルー達の人間模様を描きつつ、新章を彩る物語が動き始めます。お楽しみに!

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