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4 町と協会と

「着きましたねクレアさん」

「ええ、道中何事も無くよかったです」


 何事もあったわけだが……

 門の横には甲冑姿の兵士が数人いた。どうやら門番の様だ。まぁ、門番じゃなかったら何だと言う話ではあるが。

 5人で門番のところに行く。


「おや? クレアさんではありませんか」


 一人の兵士が近寄ってくる。


「はい、カルロさん。お久しぶりです」

「……クレアさんケネスさんは?」


 どうやら知り合いの様だが。旦那であるケネスさんが居ないためか眉間に皺を寄せてこちらを訝しげに見ている。


「主人は亡くなりました……」


 その言葉を皮切りに昨夜起こった出来事を詳しく話しいく。クレアさんは辛いだろうが詳細に話す。


「なんと……そのような事が……おいっ! 兵を集めろ!」


 カルロは門番に声をかける。門番の兵たちは慌しく街の中に伝令を送ったりしている。


「それでお主がクレアさんとお嬢さん達を救ってくれたわけだな?」

「ええ、成り行きですが……」

「しかもゴブリンを数体相手に圧倒するとは……」

「えっと……すごい事なんでしょうか?」

「ああ、1体なら楽だが複数居るとな……で、身分証を確認したいのだが?」


 身分証……そんな物ないぞ?


「ん? 持っていないのか?」

「ええ、持ってないですね……」

「ふむ、ではこっちで作成しておこう」

「作ってもらえるので?」

「ああ、銅貨1枚かかるが。持ってるよな?」

「あ、はい。持ってます」


 するとカルロは手招きをしながら門の近くの小屋に入っていく。俺もそれに従い入る。

 名前を言ったら近くのローブを着た男性が鉄の板に何かを施す。恐らく魔法だろう。

 

「とりあえず名前を書いたプレートだギルドに入っているなら書き加えるが?」

「いえ、ギルドには入っていませんね」

「そうか」


 そして最後に発行した街と発行したローブの人の名前を加えて終わった。


「クレアさん、待たせて悪かったな。これから兵士達と街道の巡回を行うその時にケネスさんを回収しておきましょう」

「ありがとうございます。カルロさん」

「いえ、我らも任務です、回収したらご実家へ遺骨を送りますので」

「何から何まで、本当に感謝します」


 その後いくつか雑談をしていると街の中から馬に乗った兵士達が来た。そのままカルロは兵士達と一緒に街道を駆けていった。

 俺達は街の中に入り、商店街へ向かい装飾品を卸しに行った。

 装飾品は銀貨3枚と銅貨2枚だった。クレアさんは俺に銀貨2枚を渡してきた。一度断ったが助けてくれた報酬と護衛の報酬でとの事。

 断り続けるのも悪かったので銀貨1枚と銅貨2枚を貰った。



 乗合馬車の待合所に行くとクレアさんは明日の朝出発すると言ったので、近場の宿に泊まる事にした。

 宿はすぐ決まった。2人部屋を2つ取りクレアさん一家が一つを俺とシンシアが一つを……

 これはチャンス? いや、シンシアの公爵家三女が気になる。無茶はしない。たぶん。


 部屋に少ない荷物を置き街の中を軽く見ることにした。シンシアも一緒に行くと言ったが、歩きっぱなしだったので休むよう言ったら素直に部屋で休むと言った。

 長時間歩いていたんだ、疲れたのだろう。クレアさんにも一声かけて街に出た。


 シンシアから王国でも大きい街に入るとの事で賑わいはかなりあった。

 街中も中世ヨーロッパ風、むしろそのままの感じで楽しい。石畳に石の壁、木造建築や広場の中央にある噴水など。

 屋台もそれなりにある。その場で焼いた肉の串。何の肉かは分からないが鉄銭5枚だったので銅貨1枚出して買う。すると鉄銭15枚返された。

 鉄銭20枚で銅貨1枚分らしい。じゃあ銀貨は銅貨何枚だろう? 後で調べよう。

 

 肉の串はそれなりにおいしかった。何の肉かは謎だが油は少なかったので鳥かと思ったが味は違った。

 近場を歩いていると協会の様な建物があった。気になったので入ってみる。


 内装はなかなか神聖な雰囲気だ。木で出来た長椅子に信者が座っており。横の方で神父と思わしき人が何か魔法を使っている。

 どうやら<能力確認>確認すると病気を払う魔法を使ったようだ。信者はお礼を言ってお布施を渡している。


 しばらくすると祭壇の前に一人の少女が出てきた。白い神聖そうなローブを着てお祈りをしている。

 だが、そんな事は些細なことだ。彼女の耳を見たら尖っていた。そう、エルフだ!

 すぐさま<能力確認>と<能力詳細>を使う。これは異種族の確認のためだ! 決して自分の欲の為じゃない!



名前:フィーネ・フィリア・フィリス・フィーナ

称号:神官(エルフ・天才・幼女・匂いフェチ)

69歳 女 処女(病気:無)

L12 攻8 防15 体5 精40 力3 魔60 速4 運25

銀のロッド:ロッド 攻撃力5 魔20 運5

上位神官のローブ:ローブ 防御10 精神5

<神官L5><回復魔法L5><水魔法L1><生活魔法L6><回避L1>



 何かいらない情報まで手に入ってしまった気がする。匂いフェチって……

 それよりもレベルが高いな、スキルも多いし……

 やはり年齢が高いと強くなるのかな? いや、しかし見た目は。

 

 そんな事を考えていると視線が合った。祈りを途中でやめて振り返ったのだ。

 そしてこっちに近づいてくる。ああ、かわいいな。金色の長い髪が綺麗だし顔が綺麗に整っている。そして身長が130くらいだろうか? 小さい、かわいい。お持ち帰りしたい。


「あの……今何か私にしませんでしたか?」

「えっと、すみません。神秘的で見つめてしまっていました」


 もしかして<能力確認>に気づいたのか? いやん、そんなつぶらな瞳で見ないで。ああ、首を傾げてる! かわいいわーやばいわー


「そう……ですか、何か魔法を使われたと思っていました」

「魔法……ですか?」

「はい、なにか…こう……覗かれたような感じが」


 そう言うと胸元をぺたぺた触っている。仕草がまたかわいい。抱きしめてしまいそうになるのを我慢して、肩に手を置いた。置く必要は無いが……触れたかったんだもの、しょうがないね。

 するとピクッと肩を揺らしこちらを……いや、手の方を見ている。置くのは駄目だったか。


 スンスン


 ……え? 匂いを嗅いでいらっしゃる。あ、匂いフェチだったなこの人。

 そしてバッと勢いよくこちらを見つめてきた。ゴクリと唾を飲んでいる。じりじり俺に近づいてくる。

 何だろう、不安だ。とりあえず俺もじりじりと後退していく。


「あの、不躾で申し訳ありませんが」

「えっと、なんでしょう?」

「す、少しでいいのでお話しませんか? 二人っきりで密室で!」


 目を見開き鼻息を荒くしている。

 俺の知ってるエルフと違う! 個人差はあるだろうがさすがに限度が……

 後退していたら後ろに詰まった。壁かと思ったが扉だ。協会の端にある扉だった。


「そ、そこは物置です。邪魔はされません! さぁ、入りましょう!」

「えっちょ、まっ」


 手をワキワキさせながら近づいてくる、美少女だが口の端から涎が出て少し鼻息が荒い。

 かなり残念な少女ではあるがこのまま流されてもいいかなと考えてしまう。いや、取り返しがつかない気がするのでぜひ逃げたい。


 「イタダキマス」


 物騒な言葉を発して飛びついてくるエルフ娘、が飛んだ瞬間に猫の様に服の首を掴まれて空中で静止する。

 先程魔法を使っていた神父の様な人だ。


「フィーナ様、信者の方に対してナニをしておられるのですか」

「うーうー!」


 よく通る威厳のある渋い声で神父の様な人がエルフ娘にため息混じりに言った。

 手足をバタバタさせながら暴れている。しかし、力強く掴まれた手を振り払うことが出来なかったようで次第に大人しくなってゆく。

 

「司祭さま、後生です。この人の匂いを嗅がせてください」

「はぁ、十年以上この神殿に居ますがフィーネ様がこの様になったことは初めてですので。申し訳ありませんが御用でしたらまた後日にでも……」

「司祭さま? 無視せずに、えっと? 私は嗅ぎたいだけですよ?」

「……司祭、様。分かりました。身の危険も感じますのでまた後日うかがいますね?」


 とりあえずここから逃げますの視線を司祭様に送る。


「ええ、こちらも少しフィーネ様に聞きたいこともありますので」

「あっ! お名前! 私はフィーネ・フィリア・フィリス・フィーナと言います! 気軽にフィーちゃんと呼んでね!」

「……タローです」

「……司祭のガルムと言います」


 司祭様に向けて名前を名乗る。それに答える司祭様もフィーネを無視する事にしたようだ。


「ではガルム様、また後日に」

「ええ、タロー様、シスターが居れば私の所に直接来れる様に言っておきますので」

「ありがとうございます」

「私はいつでも呼んでもらえれば準備して待っておきますので!」

「「……」」


 短い溜息を漏らし、俺はその場を後にする事にした。幸いにも神殿のお偉いさんに話が聞けそうなので、情報等も取りたいところだ。

 エルフ娘の神官ことフィーネは司祭であるガルムさんに連れられて奥の部屋に行った。

 神殿の中に居る数人の人の視線が痛いのでそそくさと神殿から逃げ出した。


 異種族であるエルフが居るのは少し驚き嬉しかったが、最初に会ったフィーネだったので心の中は釈然としない物があった。

 近場で屋台などを冷やかして情報を集めると冒険者ギルドが近くにあるとの事だ。

 ある意味手っ取り早くお金を稼ぐにはいいかも知れないので行ってみるとしよう。


 大きく立派な建物のが見え、両開きの戸から入ると正面に受付の様な場所。右手に椅子やテーブル、戦士の様な人も数人見える。

 とりあえず厳ついおっさんは怖いので、左手にある掲示板の前に居たお姉さん(おばさん)に話しかけてみた。



 冒険者ギルド。ランクによって難易度、任務の重要性が変わる場所。最低ランクは1で最高ランクは12と分けられている。この世界の神話や英雄のいた数が12と言う数字があったため、ランクは12が最大でランク12の冒険者は王国に5人しか居ないらしい。

 この街では最高のランクの人が8で基本的に初級~中級の任務が多いとの事だ。初級は薬草の採取や食料の確保、そして魔物討伐が中心となっている。4ランク以上の中級になると護衛や強めの魔物討伐、運がよければ貴族の稽古相手として指名依頼もあるそうだ。

 

 冒険者ギルドに着いて近くのお姉さん(おばさん)に聞いたら1時間もかけて、無駄話と共に説明された。

 たまに太股や胸板をさする様に手を這わせてくるセクハラさえ無ければなぁ……

 やんわりとセクハラを拒絶していたら冒険者ギルドの扉が勢いよく開かれた。

 

 そこにはヴィジュアル系に居そうな服装と紫色の髪を後ろで逆立ちさせた様に留めた髪型、色白の肌と黒い口紅をした人物。オレンジ色の目が綺麗であり耳に着けているピアスがよく似合っている。

 その後ろになぜか忍び装束の様な服を着たくすんだ金色の短めの髪でジト目で瞳が赤く肌も白い。注目すべき所は髪の毛の中から出てきている耳。

 

 ケモ耳である。そしてふわふわと見え隠れしているのはくすんだ金色と先っぽが白みがかった尻尾。

 居るとは思っていたが犬でも猫でもない系統。狐だった。詳細を知りたくなりすぐさま<能力確認>をするが……


【―――・――― ―― ――歳 女 ――――――――――-】


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