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プロローグ 夢

「おめでとうございます!」

「……は?」


 俺が目を覚ますとそこには青髪のすごい美人が居た。

 そして胸がでかかった、メロンだ。


「えっと……?」

「あなた様は祝福を送られることになりました!」

「ん? え、祝福?」

「はい! ポイント制であなた様にはまず100ポイントが送られます!」

「はぁ……」


 祝福がどうとかポイントがどうとか言ってるが、意味が分からない。

 おまけに辺りを見回したが白い空間? 部屋の中のような感じだが。俺も女神も浮いている(・・・・・)

 よく分からないが夢なのかな? よし、夢だな。

 ラノベ読んで寝たから夢だな。


「ポイントに応じて特殊能力(スキル)が獲得できます! こちらになりますのでご確認ください!」

「お、おう。」


 美人さんが右手をこちらに振った、メロンが揺れた。すごい迫力だ。

 振りきったと同時に目の前にゲームでよく見る、いわゆるウインドウ画面が出てきた。

 画面には美人さんが言っていたスキルとそれに伴う数字。そして上のほうに100と書かれている。

 で、どうすればいいんだろう。オロオロしていると美人さんが


「指でタッチしてくだされば大丈夫です!」


 と言ってきた、さすが夢。ご都合主義だな。そう思いスキルを確認することにした。

 多すぎて目移りしてしまう。何だこの<同性愛歓喜>って危なすぎるだろう。

 他には何だ? <道具作成>と<武器作成>、おっ<錬金術>もあるのか。


 一応一通り見てスキルを選ぶことにしよう。

 一番ポイントを使うのは<不老不死>100ポイントか。一番低いのが各身体能力UP系か。

 不老不死は恐いな。漫画でもよく首だけで生きてるとか見るが、そんな状態になったらいや過ぎる。

 夢だからなってもいいかもしれないが。


「うーん、色々あるな。 どんな能力かも分からないスキルもあるが。」

「一度選択すると説明文が出ますので大丈夫です!」


 思ったよりも親切設定だったようだ。

 気になったものを確認して気に入ったらそれでいいかな。


 まず気になったのは<能力確認>5ポイントだ、クリック(本当にタッチクリックだった)したら説明が出た。

 説明は【自身の能力や相手の能力、道具や魔法の確認ができる。あんなことも確認】と言ったものだった。

 つまり便利能力だ。このスキルを確保する。下に「はい」と「いいえ」があったので「はい」にクリックした。

 画面の右側に<能力確認>が追加され上の数字が95になった。

 この調子で色々取ってみるか。


 次に気になったのは<異性愛歓喜>20ポイントだ。決して<同性愛歓喜>は選ばない。

 説明を見ると【同行者が異性愛だった場合基本能力が2倍になる、それ以上にはならない】だった。

 名前の割には普通だったが、基本能力2倍? すごいのかすごくないのか分からない。


 とりあえず選択は「いいえ」にして次の能力を見た。

 <愛蜜>10ポイント【異性に対してとても親密になる、やったね!】

 即「はい」にした。愛に飢えた20歳童貞、しょうがないよね。


 残り85ポイント、次は<加速世界>25ポイントだ。

 【周りの風景が遅くなる、30分の1秒を体験してみよう】

 説明文がなにかのキャッチセールスみたいで何かいやだな……

 「いいえ」を選択して50ポイントの<光速世界>を確認。

 【刹那の光、世界が止まったように見えるだろう。見えるだけ】

 説明文の突っ込みは必要なのだろうか? とりあえず「いいえ」にしてこの系統の最上であるであろうスキル。<時間停止>90ポイントを見る。

 【時間の停止した世界で何するの? 変態!】

 ……「いいえ」を選択して<加速世界>を取得した。


 残りは60ポイントか、何にしようか。


 <無限体力>20ポイント【走り続けても疲れない、永遠に戦い続ける。夜のお供に】

 <健康体>10ポイント【病気しらずのあなたはまさに健康、元気だぁぁぁあああ!】

 <熟練者>30ポイント【どんな分野でもあなたは熟練者、素人ではない熟練者だ!】


 とりあえずこの3個にした、他にも<神格>50ポイントとか<甘言>20ポイントとか<孤高の存在>1ポイントとかあったが。

 <魔王>90ポイントとかなんでしょうね? こわいですね。


 「とりあえずこんな物かな」

 「お決まりですね! でわでわよい旅を期待してます!」

 「え? なにが――――」


 突然美人さんが俺に触れると、その実った果実が目の前に。おいしいです。








 「ハッ!?」


 抱きつかれた瞬間目が覚めた。覚めてしまった。

 いいところで目が覚めてしまった。悔しい。


 「……あれ?」


 ベッドに手を付こうとしたら硬かった。石の様に硬かった、と言うか石だった。

 目が覚めたばかりの視界には石の壁、石の柱、伸びてきている蔓が見えた。


 「何だここ? どこだ?」


 ベッドだと思っていた所は祭壇だった。

 とりあえず生贄にされそうで恐かったので降りてみる。

 祭壇の近くには宝箱のような箱が置いてあった。


 「まさか……! 異世界か!」


 理解は早かった。さすが俺。ゲーム、アニメやライトノベルが好きな事は伊達ではないなと。

 早速お宝を拝見してみよう。


 「これは、ダガー? いや、少し長いからショートソードかな?」


 何だろうと眺めていると、頭の中でカチリッと音がしたと同時に目の前にウインドウが出てきた。


 【嘆きの短刀:ショートソード・攻撃力20 速さ10 Bランク】


 と画面に出てきた。

 これは、アレか? さっきの夢で取ったスキルか。

 少し驚いたが問題は無い。ここは異世界。問題は無い。はず……

 剣の下に布みたいな物もあったので確認する。


 【巡るローブ:ローブ・防御力15 魔力5 全属性耐性C Bランク】


 「攻撃力に防御力ねー、ここはゲームの世界か?」


 少し気になったので俺自身に<能力確認>を使う。


 【タロー・イズモ:変態 20歳 男 L1 攻50 防50 体50 精50 力50 魔50 速50 運50】


 変態って……

 自分を確認したらトランクスのみ穿いている変態だった。

 とりあえずローブを羽織ってみて再度確認する。


 【タロー・イズモ:旅人・変態 20歳 男 L1 攻50 防65 体50 精50 力50 魔55 速50 運50】


 変態は消えなかったか。いや、この状態だと露出魔みたいなものか。

 装備したらパラメーターも上がったからよしとするか。

 さて、とりあえずどうするか。とりあえずっこから出るか?


 「ずっとここに居てもしょうがない。 出るか!」


 声に出して気持ちを切り替える。

 この場所から入り口が見える。階段になっているから上れば外に出るだろう。


 剣を右手に持ち歩き出す。階段を上がり、執着地点は扉。


 「さぁ! 俺の冒険が始まるぜ!」


 勢いよく扉を開ける、そして目の前に広がったその世界―――


 




 想像していたのは美しい世界。絶景。今目の前にあるのは少し違う。いやまったく違う。

 焚き火があった。醜い生き物がそれを囲っていた。奥には檻があった、木で出来た檻に少女が数人居た。

 醜い生き物はすこし歳が行った女性を犯していた。その近くでは人間を食べていた。

 木には男が吊るされていた。足が無かったりもした。

 込み上げてくる吐き気を抑えて醜い生き物を見る。


 【ゴブリン:亜人種 L5 攻10 防5 体10 精0 力8 魔0 速6 運5】


 スキルが能力を読み取る。能力は低い、これなら勝てるかもしれない。人数は8匹。問題ない。

 手が震える。大丈夫だ。喉がカラカラだ。勝てる。こっちに向かってくる。余裕です。


 「うっ……あっ……」


 心臓の鼓動がうるさいくらい鳴っている。この武器があるから倒せる。奴等も棍棒を持っている。いける。

 女性が飛ばされてる。死んだわけじゃない。何か叫びながら来ている。その程度は気にならない。

 もうそこまで来ている。大丈夫。すでに振りかぶって攻撃されて―――


 「っ!」


 声にならない声を上げ横に転がる。どうやら回避できたようだ。

 さっきまでの威勢はどうした。やってやれ!いけ!


 「おおおおおぉぉぉぉぉ!!」


 




 冒険は始まった、家で寝ていたのに夢を見た後異世界に来た。


 期待は不安へ、憧れは嫌悪へ姿を変えて始まった俺の―――


 (キミ)の物語が―――

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