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お隣さん

 翌日、いつもの様に学校へ行き、いつもの様に下校する。帰り道の途中で、W駅へ行く道と家へと続く道の交差路で立ち止まる。

『明日W駅の東口に居るさかい、質問とかあったら来ぃや』

 昨日の女の言葉が頭をよぎる。

 あの変な生き物について聞いた方がいいのではないか。いやいや、これ以上首を突っ込む必要はない。君子危うきに近寄らずと言うではないか。

 俺はそのまま家へと続く道へ足を向けた。昨日のように寄り道はせず、真っ直ぐ家に帰る。

 程なくして、国道沿いのマンションに到着する。エレベーターに乗り3階へ。305号室が俺の部屋だ。

 ドアを開け中に入る。誰にも邪魔されない俺の聖域へと帰ってきた。

 両親は仕事で県外に居る為完全な一人暮らし。家事全般を一人でやるのは面倒極まりないが、身に付けて損は無いスキルだろう。

 テレビを付けつつ飯の用意。今日は何を作ろうか。

 ピンポーン。

 野菜炒めも終盤といった時にインターホンが鳴る。時刻は18時17分。遅い時間ではあるが陽はまだ落ちていない。

 このまま火を強めて水分を飛ばそうと思っていた所なのだが、出るべきだろうか。

 ピンポーン。

 またインターホンが鳴らされる。一体誰だよ。

 仕方ないので火を切り玄関へ。ドアスコープから外を伺うと見知らぬ女性が立っていた。

 金髪でツインテールでいかにも外国人ですよって感じの見た目で、歳は俺と同じか少し下だろうか。外国人の外見年齢が実年齢に合うかどうか知らないが。

 とりあえずドアロックをしたまま扉を開けてみる。

「……どちら様ですか?」

「306号室に新しく越してきたカレードです。宜しくお願いします。これ、粗品ですがどうぞ」

 深々と一礼し、手にしている箱を差し出すカレードという少女。ふと視線を下から上へ上げてみると、服の上からでも分かる程度にはスタイルは良いようだ。それでいて、顔はまだ幼さが残っている。背は俺の肩程しか無い。童顔というやつか。

「あ、ども……」

 箱を受け取る。見ると白い紙に粗品と書かれていた。重さもそれなりにあるし、引越しそばとかじゃないようだ。

 もう一度カレードを見ると、一礼して隣の部屋に入っていった。

 部屋に戻り貰った粗品を開けてみる。中身は入浴剤だった。

「入浴剤……」

 生まれてこの方、入浴剤なんてものは使ったことがなかった。正直、そんなもので疲れが取れるとは思えなかったからだ。

「七草、森林浴、柚子、リラックスアロマ……」

 1つ1つ手にとって見ると様々なジャンルが揃っていた。

「今度使ってみるかな……」

 貰い物だし、損は無いだろう。そう思い、風呂場近くの棚に仕舞っておく。

「あ」

 いけないいけない。野菜炒めの途中だったんだ。すっかり熱を失った野菜を火にかけ炒め直す。飯を食ったら食材の買い出しに行かねば。今宵の半額品は何だろうか。

 一人暮らしを初めて1年半、近くのスーパーで半額になる時間帯は把握している。後はどれだけ効率よく回れるかが問題になる。

 今日は水曜日。駅前のスーパーから回っていくルートになるか……。

 そんな事を考えつつ、俺は主夫として夜の街に繰り出した。

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