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『パラド=スフィア物語』 -カルロス-(オリジナル)  作者: みゃも
第四部 第21章 【アヴァイン】
167/170

ー8ー


 話しによれば、もう1つの軍勢はワイゼル軍だったそうだ。確かに聖霊兵器ばかり装備し、厄介な相手と言える。


 アヴァインは達は今、要塞の街から城門を通り上り崖を抜けた向こうに広がるセント·フィーリアという街に招かれていた。ここは昔、巨大な隕石が落下し円形に広がった窪地らしく、四方の崖は絶壁で登るのが困難である為、天然の要害となっているそうである。

 そこの中央付近に立っ白壁の城へと招かれ、アヴァインは久し振りにフォスター将軍……いや、フォスター国王と面会していた。


「来てくれて本当に助かった。礼を言うぞ、アヴァイン。いや………今はアヴァイン皇帝だったな」

「はい。フォスター将軍……いえ、国王も元気そうで何よりです」

 お互いそこで笑い合った。

「しかし、君が皇帝とはな。恐れ入ったよ」

「それはお互い様ですよ。王様」

 アヴァインはそこで真顔になる。

「フォスター国王には、伝えなければならないことがあります」

「……ルナのことか」

「──!? もう、ご存知でしたか……」

「ああ、キルバレスのことは色々と情報を得ていた。ルナのことでは、君にも苦労を掛けさせたようだね……すまない」

「いえ、救えなかった自分が今でも不甲斐なく感じています」

「だが、シャリルは助けてくれた。感謝しているよ」

「いえ……あの時は本当に必死でした……」

「そう言えば、シャリルには良い人が居ると聞いたが?」

「え?」

 アヴァインは直ぐにコージーのことだなと理解した。コージーを前に呼び出す。

「は、はじめまして! コージー·ロムと申します!」

「そうか、君がシャリルの良い人か。シャリルのこと、よろしく頼むよ」

「はい! 全力で守ります!」

 コージーはそう言って下がった。 

 そんなコージーをフォスターは微笑んで見ている。

「コージーは、聖霊兵器部隊の指揮隊長をしております。時期に将軍にもなれるでしょう」

「そうか、それは頼もしいな」


 その後もフォスター国王との話し合いは続いた。この国では、聖霊兵器が武器としては前提であること。あと持ち込んだ聖霊砲だが、大抵の建物は魔障石から放たれる聖霊障壁(バリアの様なもの)によって守られている。なので聖霊砲は建物に対して余り役に立たないとのことだった。事実、試しにと聖霊砲て街の外壁を撃ったが、バリアで弾かれ効果が無かった。ただ戦闘では使えるので、そこは使い方次第だろうとのことだった。


「兎に角、聖霊兵器だな……」

 アヴァインとコージー、ファーはアヴァインの為に用意された部屋に集まり会話していた。

「ワイゼル軍から幾らか奪ったが、作りがうちのとは違うようだったな」

「そりゃあ、作った人間が違えば色々と違うだろうからね」

「違っているのは貫通力ですね……パーラースワートローム製の聖霊兵器は多少拡散して殺傷力を上げてるようですが、その分、貫通力がありません」

「なるほど、ファーが軽傷で済んだのはそのお陰か」

「軽傷じゃねぇよ! いてぇーよ!」

「でも、重装甲のお陰で軽傷で済んだのは確かですよね?」

「まあ……そうかもな」

「そうなると重装甲騎兵での突撃は有効的となる訳か……」

「聖霊兵器部隊に構えられた中に突っ込むこちらの身にもなってもらいたいものだよな……」

 ファーがそう愚痴を零している。

「よし、キルバレスに重装甲の鎧も依頼するとしよう」

「それなら兵員の入れ替えも必要だな」

「そうだね。槍隊と歩兵を減らすとして……どのくらいが妥当かな?」

「重装甲の鎧がどのくらいあるかにもよりますよね?」

「結局のところ実戦として使えるのは、聖霊兵器と重装甲騎兵だけだから、その他は返しても良いのかもな?」

「聖霊兵器5000に重装甲騎兵8000か……戦力落ちすぎかな……」

「では、5000ずつ残しましょう」

「23,000か……まあ格好はつくか?」

「耐えるだけなら十分だと思いますよ?」

「ちょっと待て、騎兵は?」

「忘れてました……。では、聖霊兵器を使えるように訓練しましょう」

「よし、それで決まりだな」


 当面はこれで凌ぐ、勝負は3ヶ月後となりそうだった。



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