表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『パラド=スフィア物語』 -カルロス-(オリジナル)  作者: みゃも
第四部 第21章 【アヴァイン】
166/170

ー7ー


 次の日まで休憩をし、再び進軍を開始した。

 そこからは平坦な大地が続き歩き易かった。そして道は開け、標高の高い山々が円形に連なる広大な大地が下方に広がっていた。建物や城、要塞のようなものまで見える……。


「……ここがパーラースワートロームか?」

「恐らくそうだろう」

「南方に土煙が上がってますね。まさに戦闘中のようです」

「てことは……あの辺りがフォスター国か?」

「どうしますか?」

「彼処がフォスター国だとすると、そこを攻めているのが、旧キルバレス軍だろうからね。南から攻め込んで挟み込むことにしよう」

「わかった」


 聖霊兵器部隊を先頭に重装甲騎兵を次に配置し騎兵その後ろに槍隊と歩兵を並べ進軍した。

「当然、気づいて来るか!!」


 こちらが進軍開始すると向こうがそれに気づき隊列を組んで来て、突撃して来た。何かと思えば、騎兵だ。


「敵、軍旗確認!! 旧キルバレス軍です!!」

「よし! 聖霊兵器部隊、射程内で射撃後、左右に散開し装填。重装甲騎兵は聖霊兵器部隊を追わせるな! 突撃せよ!!」

「おおおおおおおおおおおおーーーー!!!!!!」


 聖霊兵器部隊5000騎の火力を旧キルバレス軍の騎兵隊はもろにくらい、次々に倒れていく。それに次いで重装甲騎兵が突撃し、次々に敵を薙ぎ払い倒していく。旧キルバレスの騎兵は総崩れし、その後続から来ていた槍隊ともぶつかり合い撫で斬りし、その後から突撃して来ていたアヴァイン達の軍の槍隊がトドメを刺していた。そのまま重装甲騎兵は歩兵も撫で斬り、暴れ回る。それで旧キルバレス軍は総崩れし、撤退して行った。


「よし!追撃だ!!」

 その追撃の中、左側に見える巨大な街の外壁の出入り口から旧キルバレス軍の聖霊兵器部隊が急ぎ並び構えていた。


「そりゃあ、そうだよなー! くそっ!!」

 ファーが愚痴る隣を、聖霊兵器部隊を指揮するコージーが走り抜けながら言った。

「任せて!!」

「おう!!」

 コージーは騎兵を走らせたまま聖霊兵器を構え、相手から撃たれ掠める中、集中し構わず撃った!


 旧キルバレス軍の聖霊兵器部隊はアヴァイン軍の聖霊兵器部隊5千から一斉に撃たれ一度にして壊滅した。

 

「よし! 街中に居る旧キルバレス軍を叩き出せ!!」

「おおおおおおあおおーーー!!!!!」


 大きな川の流れる吊り橋を渡り、街中へと突入し、待ち伏せる旧キルバレス軍と応戦した。


「間違ってもフォスター軍とは戦うなよ!!」

「フォスター軍は青いタスキをかけてるらしい」

「わかった!! 青いタスキだ! 青いタスキは狙うな!!」


 と言っても、青いタスキの兵など見当たらなかった。倒されている兵の姿だけがみえる……。

「くそ……相当やられてやがるな」

 しばらく進むと城門らしき建物が見えて、そこで戦闘が繰り広げられていた。青いタスキの兵も見える。

 入口は既に突破されて、中にまで潜入されているようだ。


 こちらに気づき、聖霊兵器部隊を並べてきた。しかし、それは旧キルバレス軍ではない。

「くそっ! どこの軍だ!?」


 思う間もなく撃ってきた。撃って来たということは、敵に違いない。青いタスキも無い。


「オレに続け!!」

 重装甲騎兵団は突撃し、装填している聖霊兵器部隊を蹴散らした。そうこうしている間に、また聖霊兵器部隊が現れ、撃ってくる。ファーはそれで脚を負傷した。

「くそ……なんて数だ」

 聖霊兵器部隊を撫で斬り、暴れ回る中、コージーがやって来た。

「大丈夫ですか!? あ、脚……」

「大丈夫だ。それよりも頼む!」

「はい!」


 コージーは聖霊兵器部隊を率い、相手の聖霊兵器部隊を撃ち、撃たれ、激戦を繰り広げた。


 そうこうする中、敵の将軍らしき人物が現れ、撤退を呼びかけている。それに呼応し敵は撤退し始めた。

街の出入り口に向かっている。そこにはアヴァインが居た。

「不味い!!」


 そのことを思い出し、コージーは兵士達に呼びかけ、直ぐに追撃を開始した。ファーも痛む脚を堪え、コージーの後を追う。

「追撃だ! 急げ!!」



 その頃アヴァインは、荒れた街を眺め、まだ生きている者は居ないかと思い、多くの市民や兵士を見回っていた。


 そこへ、全軍聖霊兵器で揃えた兵士達が土煙を上げながら向かってきた。1万はいるだろうか……。


「こいつは不味いね……」

 相手が聖霊兵器では分が悪い。だが、相手はやる気満々といった感じだ。退路を断たれているのだから、当然だと言える。


 こちらには騎兵、槍隊、歩兵しかいない。ここはまず騎兵で突撃する他なさそうだ。そのあとに槍隊と歩兵で相手を崩す他ないだろう。

「騎馬隊前、突撃!! 続いて槍隊、歩兵も突撃せよ!!」

「おおおおおおおおおおおおおーーー!!!!!」


 相手はそれを待ってましたとばかりに聖霊兵器を構え、撃ってきた。それで多くの者が倒れる中、アヴァインも突撃し、敵将軍らしき男に一撃を浴びせた。それは弾かれ、2合目を払い、3合目は突き、相手の腕を切った。

「くそ……おのれ…」

 その間に聖霊兵器との戦いは乱戦状態となり、数で勝るこちらがおしていた。それに遅れ、後方からもコージーとファーの軍勢が追撃してきた。それに敵将軍は気づき、吠える。

「撤退だ! 押し通せ!!!」

「おおおおおおおーー!!!!」


 アヴァインを押し退け、敵将軍は逃げ出し、兵士達も追撃を受けながら撤退して行った。


「勝どきだー!!」

「おおおおおおあおおおあおおーーーーー!!!!」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ