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『パラド=スフィア物語』 -カルロス-(オリジナル)  作者: みゃも
第四部 第21章 【アヴァイン】
165/170

ー6ー

「ここに3日滞在する。その間に出来るだけパーラースワートロームの情報を掴んでおいてくれ」

「ハハッ」

「いよいよ神秘の国パーラースワートロームだな」

 ファーとコージーだ。

「ハハッ、妖精が本当にいるのか、もうから楽しみだよ」

「妖精は分からないが、女神は本当にいるそうだぞ。何人も見ているらしい」

「やけに詳しいですね……」

「伊達に重装甲騎兵の将軍をやってる訳じゃない。色々な情報が、オレのところに入ってくるんでな」

「フォスター国の状況は聞いてる?」

「厳しいと聞いている。出来るだけ急いだがいいだろう」

「と言っても、あとひと月は掛かるからね……」

「ああ、それと向こうの戦闘は基本的に聖霊兵器らしい。幸い旧キルバレス軍はそこまで持ち合わせてないそうだが……向こうの戦闘でディステランテ側が手こずってるのは、恐らくそれでだろう」

「聖霊兵器か……増産が必要だな」

「報告が後回しになって悪いが、それについてはもう手配した。と言っても届くのは何ヶ月も先だがね」

「いや、助かるよ」


 聖霊兵器5000丁……実際戦力になるのは、この数ということか……。


 それから3日後、アナハイトから進軍した。

 アナハイトを出て数日間は平地が続きよかったが、そこから先は勾配がきつく、ゆるやかな斜面が続くとそれだけで感謝するほどだった。遠くを見ると見るからに高い山々が連なり、山頂には雪が積もっているようだった。

「この暖かさで雪か……相当高そうな山だな……」

 事実、7000メートルから8000メートルを超える山々であった。

「パーラースワートロームは、3000メートルの高台にあるらしい。多少ペースを落とさないと歩兵達はついてこれないだろう……」

「……そうだね。ペースを落とそう」

「全軍、ペースを下げよ!!」


 兵達の疲労が見て取れる。こんな時に旧キルバレス軍と戦闘になればひとたまりもないな……。

「今日は早目に休もう。そうだな……あの開けた平地で陣営をとろう」

「ハハッ」


 

 テントを張り、皆休憩し始めた。

 アヴァインたちは陣営テント内でテーブルを囲んで座っている。

「ここからパーラースワートロームまでは、あとどのくらいなんだ?」

「3日程らしい」

「3日か……」

「妖精は居るんですかね?」

「……お前の頭の中にな」

「あ、その言い方!!」

「ハハッ。まあまあ、それにしてもここは草花はあるが高い木々がなく、影が余りないね……。影といえばあの雲の影くらいか?」

 アヴァインが言う直ぐ近くを、小さな雲が通り過ぎていた。


「それだけ標高が高いという証拠かねぇ……」

「雲があんな近くを……」

 背を伸ばせば届きそうなくらいの高さを飛んでいた。

「まさに神秘の国ってか……」

「早くパーラースワートロームを見てみたいものだね」



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