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ー3ー


 アヴァインは馬を乗り継ぎ、4日の距離を3日で到着していた。

「状況はどうだ?」

「カンタロスの守備は手薄です。今直ぐにでも突撃しますか?」

「そうしたいが、今此処にどれほどいる?」

「5000程です。守備兵は2000ほど、勝てますよ」

 勝てばするかも知れないが、問題はその後だ。キルバレス軍が数万も来れば逃げる他ない。無駄となる。余計な血は流したくないのだ。

「明日まで待とう……せめて10000は欲しい。

聖霊兵器は1500あるか?」

「あります」

「そこは抜かり無い訳だね」

 アヴァインは笑顔を見せた。



 翌日、15000の兵が新たに到着した。合わせて20000である。だが、キルバレス軍も続々とやって来た。30000は居るだろうか。しかしたどり着いていないのが救いだった。

 行くなら今しかない。

「よし、突撃だ!」

 号令と共に聖霊兵器部隊を先頭に突撃開始した。

 カンタロスの守備隊は突然のことに動揺しながら倒れ、応戦していた。だが、数に勝るこちらが圧倒し、直ぐに制圧した。


「よし! 聖霊兵器部隊1200と1万5千を此処に残し、今来ているキルバレス軍と応戦してくれ。近寄らせ無ければ良い。残りは私と共にこのカンタロスの大水源を攻略する。頼んだぞ!」

「はい」


 人が2人並んでようやく歩ける程の幅の道を、カンタロスの大水源を目指して上がってゆく。


 時折居る経費兵を聖霊兵器で倒しつつ行軍し、休憩所に着いた。ガストンと初めて会ったあの場所だ。中の様子を窺い、聖霊兵器で数人を倒す。だが、見えない所に隠れていた男が短剣片手に襲って来て1人が刺された。

 その休憩所に怪我人を残し、もう1人を看護と警護で置き、再び先へと進んだ。


 ようやくカンタロスの大水源が見える所まで到着した。巨大なダムが見える。あそこから吹き出す水を止めれば、キルバレスは干上がる筈だ。


 数名の警備兵を倒し、貯水池の操作をするらしい人力で回す4つの棒を見つけた。これを右か左に回せば流れる水の量を変えれるのだろう。


 早速4人がかりで右に回した。水の量を確認すると水量が増えているようだった。どうやら逆らしい。そこで左に回し、再度確認する。水量は減っていた。間違いない。そこで左に回し締め込んだ。確認すると水は完全に止まっていた。


「よし! これでキルバレスは干上がる筈だ」


 あとは時を待てば良い。だが、予想しないことが置きた。カンタロスの水源が満水になり、途中の間道から水が流れていた。

 だがよく見るとその水は水道橋には入らず下に落ちて泥水となっていた。これなら飲水として適さないから問題ない筈だ。


 アヴァインはそれを確認すると数人を引き連れ、下へと下った。途中、休憩所の怪我人を担架を作って担ぎ、下へと再び向かう。


 下では激戦が繰り広げられてるかと思えばそうではなかった。お互い睨み合い、動かない状態が続いていたのである。


「……キルバレスはことの重大さが分かっていないのか?」

「さあ、私には解りかねますが、ずっとこの調子です」


 こちらは高台で聖霊兵器もある。こちらが有利ではあるが、それにしても……。


「……指揮が低下してるとしか思えませんね……」

「あのキルバレスが……」

「あの……それでこれから我々の作戦は?」

「いや、必要ない。ただ待てばいいんだ。待てばそのうちに勝てる」

「それはどういう……?」

 アヴァインはそれには答えず立ち上がり、眼下に見えるキルバレス軍を悲しげに見つめた……。



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