ー2ー
首都キルバレス 評議会議事堂パレスハレス内にて。
──ダン!!
「なんだと! 敗北して来ただあ!? お前等はこの重大さが分かっているのか?」
「はっ……しかし、将軍クラスが5名共やられまして……。更に大将軍までも……」
皇帝ディステンテ·スワートに戦場での結果を副官が報告していた。
「だからなんだ!! それで戦地を離れる理由として成り立つとでも思っているのか、お前は? ああ?」
「いえ……」
「ならば直ちに戦場へ戻れ! 新たな指揮官も用意するから安心をしろ!」
「は、ははっ……」
副官はそれで皇帝執務室を出ていった。
「考えられるか!? 80000の軍勢が50000に負け、更に60000も残って居るのに逃げ帰って来ただと!? 無能にも程がある!!」
「確かに……しかし状況は更に深刻です」
「……どういうことだね。ガストン·オルレオール君」
「カンタロスの守りが今は手薄です。此処に数万のコーデリア軍が押し寄せれば、カンタロスはひとたまりもありません」
「……それでどうなる?」
「水源が奪われるということです」
「みず……水だと!? それは困るではないか!」
「はい。ですから、急ぐ必要があります」
「わかった! デリース、直ぐに適切な指揮官を6名集めろ。直ぐにだ!」
「ハハッ」
アヴァイン……お前なら、もうこのことに気づいているのだろうな……。