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ー1ー



 決戦当日、先頭に聖霊兵器部隊1500。2列目に、騎馬隊、3例目に槍隊。4列目に歩兵とした。アヴァインは先頭の聖霊兵器部隊に居る。

 アヴァイン軍2万はゆっくりと進軍し、相手の様子を窺う。


 キルバレス軍は数に物を言わせて左右に騎馬隊を展開して来た。それの対応は、オルブライト軍に任せた。左右で騎馬隊同士がぶつかり合っている。

 

 それを見てアヴァインは前進を指示、前方の騎馬隊が来るのを見て、射程範囲で聖霊兵器を一斉に撃つ!

 轟音が響き渡り、馬たちが驚いていた。

 その間にこちらの騎馬隊が相手の騎馬隊を薙ぎ払う。それで相手の騎馬隊が撤収を開始する。


「追うな、前方へ突撃!」


 次に敵の槍隊が並んでいた。それを聖霊兵器で一斉射撃。槍隊は総崩れし、その隙に騎馬隊が薙ぎ払い追いかけまわす。そこへこちらの槍隊と歩兵が加わり大乱戦となっていった。戦況はこちらが完全有利だった。

 敵が次第に逃げ出したが、アヴァインはそれの追撃はしなかった。先ずは負傷者の手当てを優先した、


「先ずは勝利を祝おう」

「はい」

 陣営テント内には、アヴァインとオルブライト様、ファー。そして各諸将がテーブルを囲んでいた。

「キルバレス軍は今回の戦闘で大打撃を受けたようですな」

「ハハハ。アヴァイン将軍の見事な中央突破でキルバレス兵は四散した。全てはそれが勝因だろう」

「まさしく」

「しかし追撃しなかったのは何故ですか? 更に打撃を与えられた筈では?」

「こちらにも死傷者がででましたからね。それを優先させたかったんですよ」

「ふむ……手当てですか? お優しいことですなぁ」

「しかし、兵数では依然としてキルバレスが多い。その様な余裕がありますか?」

「それですが……今日将軍らしき人物を見かけました。明日も配置が一緒なら、一度狙って見ようかと思います」

「なるほど……将軍が撃たれれば、忽ち奴等は烏合の衆。一斉に戦場から逃げ出すこと大いに期待出来ます。期待しましょう」




 決戦2日目、昨日同様、先頭に聖霊兵器部隊1500。2列目に、騎馬隊、3例目に槍隊。4列目に歩兵。アヴァインは昨日同様、先頭の聖霊兵器部隊に居る。

 アヴァイン軍2万は同じくゆっくりと進軍し、相手の様子を窺う。


 今回キルバレス軍は、左右からの騎馬隊での展開は行わず、中央に厚みを持たせて来た。昨日の失敗を踏まえてのことだろう。

 

 前衛に槍隊が見える。その後方に騎馬隊が居た。なるほど、考えてきたな。

 槍隊には槍隊でも良かったが、敢えて聖霊兵器部隊で突撃し一斉射撃し、左右に散開して後方へと周った。その間に敵槍隊は総崩れし、そこへ騎馬隊が突撃する。だが、そうはさせるかとキルバレス軍の騎馬隊もそこへ突撃し、ぶつかり合う。アヴァインは銅鑼を鳴らさせ、騎馬隊を撤退させ、追撃してくるキルバレスの騎馬隊を聖霊兵器で射撃した。それでキルバレス騎馬隊は逃げ出す。

 再び装填完了した聖霊兵器部隊を前衛にし、その後ろに槍隊。更に後ろに歩兵。左右に騎馬隊を並べた。

進軍し、見えて来た歩兵部隊に聖霊兵器を一斉射撃し、左右散開し周る。それでキルバレス歩兵部隊は混乱状態となる。そこへ槍隊が突撃し、遅れて歩兵部隊も戦闘参加し大乱戦となった。

「居た!」

 乱戦の後方の丘陵地に、将軍らしき騎馬兵が居た。

 騎馬隊に命じ、丘陵地を目指させる。遅れて聖霊兵器部隊もそのあとを追う。

 自らの置かれた状況に気づいたらしく、近くの兵に守るよう命令している。その兵達を騎馬隊が撫で斬り、少しずつ近づいてゆく。状況の悪さに将軍は逃げる様子を見せた。それを見て、アヴァインは騎馬を一気に走らせ聖霊兵器を構えた。が、その前にキルバレスの騎馬兵が現れ、仕方なくそちらを撃つ。だがまだ将軍は近くに居た。今すぐに聖霊兵器に装填して撃つのは無理がある。そこでアヴァインは、聖霊兵器を投げ捨て、護身用の聖霊兵器短銃を懐から取り出し、構え、逃げ出す将軍の背中を撃った。それは見事に命中し、将軍は絶命し倒れた。

「おおおお!!! キルバレス将軍を倒したぞ!」


 その情報は瞬く間に戦場に広がり、キルバレス軍は全軍逃げ出し始めた。


 掃討戦が繰り広げられる中、倒した将軍の顔を見た。知らない男でホッとした。これが仮にガストン·オルレオールだったらショックだったに違いない。でもいつかそんな日も来るのだろう。



「見事としか言い様がありません、アヴァイン将軍」

「今回の戦功1位は間違いなく君だ」

「ありがとうございます」

「さて、祝杯をあげよう!」

 陣営のテント内でアヴァインとオルブライト様、ファー。そして各諸将がテーブルを囲んでいた。

 

「さてさて、奴等はどこまで逃げるやら……」

「もう既に、カンタロスの周辺まで逃げているそうです」

「……カンタロスですか」

 カンタロスには、色々な思い出があるな。

 流石にカンタロスから先に逃げることは無いだろう……。そう思っていた。


 だが、そのまさかが置きた。キルバレス軍は全軍首都まで逃げたというのだ。それを聞くなり、アヴァインは直ぐに命じた。


「急ぎカンタロス周辺を固めろ。大至急だ!!」

 アヴァイン自身も急ぎ騎乗し、走らせた。ここからカンタロスまで4日の距離。距離としてはキルバレスからの方が近い。これは大きな勝負だった。



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