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翌日、カルタゴを発ち、2日後アクト=ファリアナの前線地に到着した。
その際、鉱山都市カルタゴの件も報告する。
「流石はアルデバルの英雄だな。戦わずして勝つとは大したものだ。ハハハ」
「辞めてくださいよ。今回降伏したオルビスク・エバーソン評議員は、キルバレスの対応に不満を持っていたようです」
「ほう。というと?」
「カンタロスの大水源南部の間道を使って、少しずつ援軍を派遣することも可能でしたが、それもせず、または知らないのか? ただ耐えよとの命令だったそうです」
「なるほど……何にせよ、我々としては幸運だ。
今後のことだが、ラグーナの軍勢とカルタゴの軍勢凡そ1万をカナンサリファに向かわせようと思う」
「そうですね。それが良いかと思います」
「これでキルバレスは、優勢だったカナンサリファにも力をいれなくてはならなくなる。更に、今度の聖霊兵器増強で我々は撃って出る」
「はい」
「その指揮をアヴァイン将軍、君に頼みたい」
「わかりました」
「これで勝てば、君は間違いなく、我が軍の英雄だ。
ケイリングの婿としても申し分ない」
「これは負ける訳にはいかなそうですね……」
「ハハハ、当然だ。では作戦会議といこうじゃないか」
「はい」
明日には決戦だ。気合をいれて作戦も練らねばならない。