ー2ー
「降伏?」
ようやくカルタゴへとたどり着いたアヴァインは、その報告に驚いた。鉱山都市カルタゴがコーデリア国に降伏するというのだ。
その条件として、オルビスク・エバーソン評議員がこの地の代表で居続けることが盛り込まれていた。
「アヴァイン、どうする?」
ファーだ。
「どうするも何も、こんなに好都合なことはないよ。受けるさ。早速、会いに行く。ファーは聖霊兵器の方を頼む」
「わかった」
アヴァインは軍勢を率いて、鉱山都市カルタゴへと乗り込む。そこでオルビスク・エバーソン評議員と会い。握手を交わした。
その後、アヴァインはポルトス技師らに会いに行った。
「やけに建物が増えてるな……」
前は3棟しかなかった家が6棟になっていたのだ。
一番大きな建物に向かうと、ロゼリアばあさんを始め、パウロ技師、ポルトス技師、バリエル技師 ニキータが出迎えてくれた。
「久し振りですね!」
「おお、元気してたかい?」
「それにしたって凄いじゃないが。このカルタゴを、一戦も交えず降伏させたんだって?」
「いやあ、それは本当に幸運で」
「運も実力の内さ。さあ、中に食事の用意もしているから食べてくれ!」
そう言われて中に入ると、豪勢な料理が並んでいた。
「先ずは英雄に乾杯だ!」
「おお!」
「英雄って……」
「よお、英雄」
ファーだ。すっかり酔っているな。
「ああ、そう言えば今回のお代を……」
「お代ならいらないよ。既にアーザイン商会から銀貨1万枚貰ってる」
「そうでしたか。そう言えば棟が増えてますね?」
「工場が足りないだろうと、それもアーザイン商会が建ててくれたんだ」
「へぇー」
どうやら執事のハマスが、色々とやってくれてるみたいだ。ハマスには商会のことを色々と任せっきりだ。お礼をしなくちゃいけないな。