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『パラド=スフィア物語』 -カルロス-(オリジナル)  作者: みゃも
第二部 第16章 【攻略! 州都アルデバル】
143/170

ー7ー

 二万の軍勢を率い、アヴァインはアクト=ファリアナに帰還した。街中の人々より拍手喝采を受け、英雄の姿を人目見ようと大勢の人だかりが出来ていた。


「アヴァイン殿、御苦労様でした」

 城内に入ると、旧臣の一人が声を掛けてくれた。それまで無かったことだ。


「ありがとうございます」

 謁見の間へ行くと、オルブライトが微笑んで待っていた。


「アヴァイン殿、よくぞやってくれた。旧臣一同共に感謝している」

「痛み入ります」

「早速だが、これからの事について話し合いたい」


 カンタロスの東南に、キルバレス軍6万が集結して来ている。それを迎え撃とうということだった。ただ、懸念は鉱山都市カルタゴの動きである。この間にラグーナを攻めてくる可能性もあった。


「カルタゴの軍勢は?」

「凡そ8000」

「ラグーナの守りを固め、3000も配置すれば何とか守り切れるでしょう」

「では残り3万5000で、カンタロス東南に向かうこととしよう。アヴァイン殿にもこれに加わって貰う」

「わかりました」


 話し合いは終わり、アヴァインはケイリングが待つ部屋へと向かった。身体の方は随分と良くなり、起き上がれるほど回復しているようだった。


「お疲れ様、アヴァイン」

「ああ、本当に疲れたよ」

「ふふ。アルデバルを短期間で攻めとったこと、お父様が褒めていたわよ」

「うん。全てが運良く良い方向に流れたお陰さ」

「そういう所、相変わらずね。もっと自分に自信をもって、誇らしげにしたら良いのに。最早あなたは英雄なんだから」

「誇らしく思っているさ。沢山の良い部下に恵まれたことを」


 アヴァインはそう言って、ぶどうの搾り汁を美味しそうに飲む。それを見つめ、ケイリングは嬉しそうに笑った。

 

「何が可笑しいの?」

「何がって、あなたのその無頓着なところをよ。心配ないわ。良い意味でだから♪」

「何だかバカにされてる気がするな……」

「バカにする訳ないじゃない。誇りにすら思ってるんだから」


 そう言われ、お互いに照れ臭くなってしまった。




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