RINA
小野リナ――23歳、ごく普通のショップ店員。
平凡な日常を送っていた彼女の人生は、ある夜、弟・晃毅から届いた一本のSOSメールで激変する。
闇バイトに手を出した晃毅は、詐欺グループに監禁され、逃亡の末に命を狙われていた。
リナは弟を守ろうとするが、組織の追手に捕らえられ、二人まとめて生き埋めにされてしまう。
奇跡的に一命を取り留めたものの、二人は昏睡状態に陥った。
現場に駆け付けたのは、父・小野善和――国家にすら存在を秘匿される影の科学者。
彼は、裏天皇直属の秘密組織〈八咫衆〉の一員として、不死身の肉体研究を続けていた。
善和は決断する。自らの娘と息子を、最後の実験体にすると。
――こうしてリナは、記憶を失ったままサイボーグとして再生した。
強靭な肉体、AIチップを埋め込まれた脳、そして人間離れした反射神経。
だが代償は大きく、「空腹=エネルギー欠乏」という欠点を抱え、リナは彷徨う。
スナックのママと娘・ユキに救われ、温もりに触れるが、すぐに裏社会の抗争に巻き込まれる。
地下駐車場で8人の不良を一瞬で叩き伏せる力を見せつけたことで、リナの存在は大きな謎として浮上する。
そのころ、日本を侵食し始めていたのは、謎のカルト教団〈新世界真心会〉。
国籍も年齢も不明の教祖・文明醒が掲げる「世界を一つに」という甘美な言葉に、若者たちは心を奪われていく。
だがその裏で行われていたのは、洗脳・強奪・人体実験――。
信者は兵士へと改造され、国家転覆すら狙う秘密結社だった。
教団の牙はついに東京を襲う。
地下鉄爆破、銀行同時襲撃、そして総理大臣暗殺計画。
無数のドローンが夜空を覆い、公邸は武装兵に占拠される。
その前に現れたのは、黒いスーツに身を包んだリナ。
超電磁銃を手に弟コウキも目を覚まし、二人は国家の命運を背負って戦う。
忍者の末裔〈八咫衆〉との邂逅、そして中学時代の同級生・なぎさとの再会。
だがなぎさの死をきっかけに、リナの怒りは限界を超える。
迎える最終決戦の舞台は、山奥にそびえる教団宮殿。
数千の信者、屈強なボディガード、そして正体を現した教祖・文明醒。
その瞳はトカゲのように縦に裂け、肉体は異形へと変貌してい
涙と刃で闇を切り裂き、少女は世界を救う。
これは、サイボーグとなった一人の女性が「家族」と「日本」を守るため、闇の巨悪と戦う物語である。
RINA 闇のささやき
2025/09/15 20:56
(改)
エピソード2 地下の影
2025/09/19 21:52