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月下の光芒  作者: チェックメイト斉藤
大蛇が齎すもの
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二人きりの作戦会議③

「とは言え、相手は生き物だ。何かしら突破口があるはずだ」


 絶望的な状況ですが、サヤさんは諦めていないようです。

私もそんなサヤさんの力になりたい一心で、今ある情報の中からサヤさんの言う突破口の糸口になりそうなヒントを探します。


そして、一つの違和感に気付きました。



「後から出てきた三つの頭って、どのタイミングで出てきたんですかね?」


「ん?どうしたんだい、急に?」


「少し気になったんです。お姉ちゃん達は大蛇を一匹相手するのに精一杯だったんですよ?だから、さっさと他の頭も出していればもっと簡単に仕留められたはずです」


「なるほど………、確かに気になるね。ヒナタ君の証言によれば、現場に引き返して気付いたときには既に追加の三匹が現れていたと聞いたが」


「私は、追加の大蛇が現れたのはミヒロさんが一匹目を倒したタイミングだと思うんです」


「ほう、理由は?」


「オロチは敵を仕留めるのに必要最小限の力しか出してないんじゃないでしょうか?お姉ちゃん達は一匹で十分だった。ミヒロさんの場合、一匹目が倒されたから追加で三匹の戦力を投入した……」


「………ふむ、それなら、始めから全力を出さない理由は?」


「えーっと………、あれだけの巨体ですから、エネルギーの消費を抑えてるとか………、それに、全力ということはオロチの全ての頭を出すということで、そうなると中心で巻いているとぐろが全て解けるということになります。…………私には、あのとぐろはオロチにとって大事なものを守ってるように見えるんです。例えば、オロチの急所があったりとか?」


私の考えを聞いたサヤさんは腕を組んで目を瞑り、数秒の沈黙の後に口を開きました。


「……君の推理、確たる証拠は無いが、中々いい線をいっているように思う。できればこれから調査を行って確信を得たいところだが時間が無い。よって、今の君の推理を前提に作戦を考えてみようじゃないか」


サヤさんがニヤリと笑って見せます。


「何か思い付いたんですか!?」


「ああ、ソラ君のおかげだ。感謝するよ」


そうして、対オロチに向けた決戦の準備が始まったのでした。

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