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月下の光芒  作者: チェックメイト斉藤
魔獣駆除組織スペース
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ラボヘ

 スペースへの加入から3日後。

早朝に私達はミヒロさんに呼び出されました。

遂に訓練が始まるのでしょうか。



「おはようございます」


「お、来たな。しばらく歩くから。付いて来い。」



集まるやいなや、ミヒロさんはそう言ってスタスタと歩き始めました。

私達も黙って付いていきます。



………無言。

 こんな朝からどこへ向かっているのか、これから何をするのか聞きたいのですが、ミヒロさんからは話し掛けづらいオーラのようなものが出ているような気がします。


 とはいえ、この気まずい空気に耐えられなかったのか、私の手前を歩く姉が遂に口を挟む開きました。



「あの……、今はどこへ向かってるんです?」


「ラボ、つまり研究所だな」


研究所?まあ、防衛区内は魔素や魔獣、爆心地上空の紋様など、色々調べることがあるんでしょうけど、何故そこに私達が向かうのでしょう。


と、疑問に思っても、行き先を話したところでまたミヒロさんとの会話は止まってしまいました。

………気まずい。



再び姉が口を開きます。


「えっと、何しに行くんです?」


「お前らを魔法を使える状態にしてもらうんだよ。体内の魔素を感じ取るところから魔法の習得は始まって、それなりに戦えるようになるまで半年はかかる。自分は半年も待ってられないから、今日で魔法を使えるようになってもらう。」



 普通は半年かかる訓練をそんなに短縮できるものなのでしょうか……?

というか、そんな簡単な方法があるなら、その方法を一般化するべきです。ミヒロさんの言い方だと、半年訓練するのが普通で、私達が魔法を使えるようにする方法が普通ではないというようなニュアンスを感じます。



 そこから更に10分ほど歩くと、急にミヒロさんが立ち止まりました。


「ここから先は、魔獣避けのトラップがあるから気を付けろよ。一つ一つ指示していくから、ちゃんと言うことを聞くように」


(分かったか?)というようにこちらを見るミヒロさん。

私達は黙って頷きました。




罠その一。

「まずは、そこの足元のワイヤーだな。引っ掛かると落とし穴が作動する」



罠その五。

「上見ればわかるけど、ワイヤーに引っ掛かるとコンクリが降ってくる」



罠その八。

「靴履いてるから平気だけど、この辺一帯の地面は高圧電流が流れてるから絶対転ぶなよ?フリじゃないからな」



罠その一五。

「ここ地雷埋まってるから、自分の後ろにぴったりくっついて歩け」

「罠多すぎません!?」

思わず叫んでしまいました。

っていうか、地雷って何ですか!?殺意高すぎるでしょう!?


「これ、他に来客があるときはどうしてるんです?」


「知らん、ラボで聞け。ほら行くぞ、もうすぐ着く」



そう言い放つと、ミヒロさんは再び歩き出しました。

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