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月下の光芒  作者: チェックメイト斉藤
大蛇が齎すもの
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祝・退院

「祝☆退☆院!!」


「あ、おめでとうございます」


「何だね。その反応は」


 ここはスペースの事務所。

 ようやく骨折が完治した北条サヤさんは、何故かラボに戻らず、真っ直ぐスペースまでやってきたのでした。

ミヒロさんに背負われて。


「なんでおんぶされてるんです?」


「リハビリを済ませてないからだよ。一ヶ月近く動かしてない左脚じゃまともに歩けないだろう?」


「リハビリしてから退院すればいいじゃないですか」


「マキ君が怖い」


「あー……」

納得です。



「で、なんで君らはここにいる?日中は仕事だろう?」


「ミヒロさんが『今日は仕事は無しだ』って」

そう答えるのは私の姉です。


「ほぅ……。あ、そういうことか」

サヤさんは何やら一人で納得しています。


「帰って早速だが、出掛けるぞ。付いてこい」

ミヒロさんに言われるがまま、私達は外へ出ました。








「はぁ、食料の買い出しですか……」


「他には生活用品もな。そろそろトイレットペーパーが切れる」


 そう、私達も生活している以上は食べ物や様々な生活用品が必要です。

ここで一ヶ月以上暮らしきて、ふと、これらのものはどこから仕入れてきているのかと疑問に思ったことはありましたが………。


そういえば、私がラボで生活してる間、ミヒロさんが食べ物を………ほぼカップ麺ばっかりでしたけど、持ってきてくれていました。

初めて会ったときには、右手に肉やら野菜やらが入ったレジ袋を提げていたような気がします。


「今後はお前らにも定期的に買い出しに行ってもらうから、道覚えとけよ」


「はーい」


「ラボまでの配達も頼むよ。週一でいい」


「お前もたまには自分で行け」


「嫌だよ。僕は戦えない」


「まあ、脚が良くなるまではいいんじゃないですか?」


「え、ソラ君、酷くない?」


ですが、ただの買い出しですら危険と隣り合わせとは………。

防衛区の生活は厳しいです。


できれば、このまま魔獣と遭遇せずに買い出しを終えられればよいのですが……。


そんなことを考えていると、私達の少し前を歩いていた姉が叫びました。


「あ!魔獣!」




………最悪。

章題の『齎す』は『もたらす』と読む。かっこいい。

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