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月下の光芒  作者: チェックメイト斉藤
魔獣駆除組織スペース
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最悪の最終日④

「ちょこまか逃げてんじゃねぇ!当たらねーだろうが!」


 流石、あのクソゴリラ……日比谷ミヒロの部下だけあって足が速いな。裏路地に逃げられてしまった。

………だが、これでいい。


ドローンを追跡に向かわせた。

ドローンのスピードと機動力なら見失うことはない。


「いたぶってやるよ、クソ虫が……」


当てようと思えば私自身の攻撃魔法を当てることもできたが、死なれると面倒だからな。

反面、距離の離れたドローンの攻撃魔法ならいくら攻撃しても死にはしないだろう。

めちゃくちゃに痛めつけて、二度とここで働けないようにしてやる。




しばらくドローンで追いかけ回していると、遂にヤツが倒れた。

思わず笑みが溢れる。

怯えさせてやろうとわざとゆっくりと攻撃魔法を充填しつつヤツに迫っていく。


しかし次の瞬間、ヤツはドローンに向かって攻撃魔法を放ってきた。

数千万円のドローンの弁償を恐れてヤツは逃げに徹しているもんだと思っていたが、後が無くなって遂に手を出してきやがった。


回避は余裕だが、避けた隙にヤツは再び逃げ出した。

「チッ」

舌打ちをしつつ、こちらも追跡を開始した。




 さっきまでとは打って変わって、ヤツは攻撃魔法を飛ばしながら逃走している。

だが、スフィアはほとんどあらぬ方向へ飛んでいくばかりで、回避の必要が無かった。


「ハッ、こいつ当てる気あんのかよ。とっとと諦めれば楽になれるのによ!」


逆に、こちらの攻撃はよく当たる。

これだけ攻撃を受けてまだ走っていられるとは、敵ながら大した根性だ。


しばらく追いかけ回していると、ヤツの動きに変化があった。


走るスピードが増した……?それに、私が飛んでいる方向へ走ってきている。


どうやってこちらの位置に気付いたのかは知らないが、逃げる体力が尽きる前に本体の方をどうにかしようと考えたのだろう。

ドローンも壊せない奴が、私をどうするつもりなのか。


「上等だ、返り討ちにしてやるよ」


手のひらにスフィアを生成し、待ち構える。


ヤツの行動はドローンで常に把握している。

空中の私を攻撃するためにヤツ空へ飛ぶはず………、上空へ飛び上がったタイミングで私とドローンで挟み撃ちにしつつ、攻撃魔法を叩き込む!


この私に反撃しようなんて生意気な奴の安否なんかもうどうでもいい!

パークスに、姫廻ヒメに楯突いたことを後悔しろ!



追跡中のドローンが、ヤツの気配が上方向へ飛び上がったことを感知した。今だ!


「喰らえ……何っ!?」


建物の影からこちらへ向かって飛んできた一つの人影。

それに向かって攻撃魔法を放とうとしたが、目を疑う光景に思わず体の動きが止まった。



飛び出してきたのは、パークスの制服を着た魔族だった。



なぜパークスの隊員が………、いや、あれは……、()()()()()!?


私は妹の方を追っていたはず………。いつの間に入れ替わって……!?


犬井ヒナタがベーと舌を出して見せる。

動揺している一瞬の隙に、何者かに後頭部を殴られ、私は意識を失った。

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