お見舞い
────翌日。
ミヒロさんと姉がお見舞いにやってきました。
「あ、お姉ちゃん久しぶり」
「ソラ!?大丈夫!?」
「まあ、大したことは……無いかな?」
まだ体は痛みますが、既に点滴の管も頭の包帯も外されています。
「いや、一週間入院は大したことだぞソラ君」
「えっ、一週間も!?っていうか、サヤさんは脚どうしたの!?」
「お姉ちゃんいちいちうるさいよ」
他愛もないやり取りをしていると、ミヒロさんが神妙な面持ちで私のベッドへ歩み寄ってきました。
「ミヒロさん?」
「今回は自分のせいで危険な目に遭わせた。すまない」
そう言って頭を下げるミヒロさん。
「いえ、そんな……。今回に限ってあんな魔獣がいるなんて想定外だったでしょうし、そもそもミヒロさんに助けてくれって頼まれたわけでもないのに勝手に行ったのは私達の方ですし………」
「そうだぞ。僕らの自己責任というやつだ。あまり自分を責めるな」
「いや、サヤさんだけの責任ですけど。私を巻き込まないでください。まあ、そういうわけなので、もう謝らないでください。それに、私達を助けてくれたのもミヒロさんじゃないですか」
「………わかった」
ようやくミヒロさんも頭を上げてくれましたが、表情は晴れません
「ミヒロさん、すっごく心配してたんだよ〜?ね?ミヒロさん?」
場を和ませようとしたのか、からかうように姉が言います。
「おい…、ヒナタ……」
ミヒロさんはとても困った顔をしています。
「………とりあえず、話はそれだけだ。ゆっくり休め。ヒナタ、帰るぞ」
「わわ、ちょっと、ミヒロさん!あっ、ソラ、サヤさん、ばいばーい!!」
そのままずるずると姉を引き摺って出ていってしまいました。
ピシャリと医務室の扉が閉まると同時にサヤさんが呟きました。
「………僕の心配はしてくれないのかい」
「あ、あはは……」




